節約本おすすめ7選!38歳が家族4人で年100万円貯めた家計管理術
外資系コンサルで働いていた頃、毎月の給与明細を見ながら「これだけ稼いでいるのに、なぜお金が貯まらないんだろう」と頭を抱えていました。
38歳、妻と5歳の長女、2歳の長男の4人家族。年収は同世代の平均より高いはずなのに、貯金口座の残高は全く増えない。このままでは子供たちの教育費も、自分たちの老後資金も準備できないと危機感を覚えたのが2年前のことです。
総務省の家計調査によると、4人家族の勤労者世帯の月間消費支出は約36万円、年間で430万円以上になります。この数字を見たとき、「支出を管理しなければ」という漠然とした意識が、明確な行動目標に変わりました。
効率で考えると、収入を増やすより支出を減らす方が即効性があります。しかも節約で得た1万円は税金がかからない「手取り」です。一橋大学経済学部で学んだ知識を総動員し、エビデンスに基づいた家計改善に取り組んだ結果、1年で100万円以上の貯金に成功しました。
その過程で本当に役立った節約本・家計管理本を、実践者の視点で7冊厳選して紹介します。
「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」の5つの力を体系的に学べる、140万部突破のベストセラー。新NISA対応の改訂版で、家計改善の全体像を把握できる必読書です。
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Amazonで見るなぜ「本」で学ぶのか?行動経済学が示す家計管理の真実
貯蓄率を4倍に引き上げた「仕組み化」の研究
「明日から節約しよう」と思っても続かない。この経験、私だけではないはずです。
シカゴ大学のRichard Thaler教授らが2004年に発表した研究では、「SMarT(Save More Tomorrow)プログラム」という興味深い実験結果が示されています。将来の昇給の一部を自動的に貯蓄に回す仕組みを導入したところ、参加者の貯蓄率が3.5%から13.6%へと約4倍に改善したのです。
この研究が示唆しているのは、「意志の力」ではなく「仕組み」が重要だということ。節約本を読む最大の価値は、こうした科学的に検証された「仕組み」を体系的に学べる点にあります。
家計簿アプリの効果を検証した日本の研究
行動経済学会誌に掲載された加藤・佐々木の研究(2020年)では、家計簿アプリの利用者は非利用者と比べて食費や娯楽費などの裁量的支出が減少する傾向があることが示されています。
支出を「見える化」することで、無意識の浪費に気づける。これは私自身も実感していることです。ただし、家計簿をつけるだけでは不十分。「何を見るか」「どう改善するか」の知識がなければ、数字を眺めるだけで終わってしまいます。
だからこそ、体系的な知識が詰まった節約本が必要なのです。
節約本おすすめ7選:マインドセットから実践まで段階別に紹介
第1段階:お金の考え方を根本から変える(1-2冊目)
1.『【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学』両@リベ大学長
まず読むべきは、140万部を突破した『お金の大学』です。オリコン年間ビジネス書ランキング1位を獲得した実績が、この本の価値を物語っています。
「貯める力」「稼ぐ力」「増やす力」「守る力」「使う力」という5つの力に分けて、お金の知識を体系的に解説しています。私が特に実践して効果があったのは「貯める力」の章で紹介されている固定費削減のステップです。
スマホを格安SIMに変えて月5,000円削減、保険を見直して月10,000円削減。『お金の大学』に書かれていることを愚直に実践しただけで、年間18万円以上の節約に成功しました。
新NISA対応の改訂版。フルカラーの図解でお金の知識ゼロでも理解できる構成が秀逸。まずはこの1冊で全体像を把握することをおすすめします。
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Amazonで見る2.『サイコロジー・オブ・マネー』モーガン・ハウセル
世界600万部突破のベストセラー。『サイコロジー・オブ・マネー』を読んで、私のお金に対する考え方が根本から変わりました。
著者のモーガン・ハウセルは、お金と人間の心理的な関係を20以上のエピソードで解き明かしています。印象的だったのは「富とは目に見えないもの」という指摘。高級車や高級時計を持つ人は「お金を使った人」であり、本当に富を築いている人は見えないところで資産を増やしているという視点は、見栄消費をやめるきっかけになりました。
データ分析を生業としてきた私でも、お金に関しては「感情」で判断していたことに気づかされます。
お金と心理の関係を解き明かす名著。「なぜ人はお金で間違いを犯すのか」を理解し、長期的な資産形成の思考法が身につきます。
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Amazonで見る第2段階:具体的な節約テクニックを学ぶ(3-5冊目)
3.『ジェイソン流お金の増やし方 改訂版』厚切りジェイソン
「Why Japanese people!?」で知られる厚切りジェイソンさんですが、実はIT企業の役員でもあり、FIREを達成した投資家でもあります。
『ジェイソン流お金の増やし方』の核心は極めてシンプル。「支出を減らし、残ったお金をインデックスファンドに投資する」。これだけです。しかし、その「支出を減らす」部分の徹底ぶりが参考になります。
ジェイソンさんは缶コーヒーすら買わない。通信費、保険料、サブスクリプションを徹底的に見直す。こうした固定費削減のマインドセットは、家族持ちの私にも実践可能でした。
新NISA対応の改訂版。シンプルながら本質をついた節約・投資術。70万部突破のベストセラー続編『お金の稼ぎ方』もおすすめです。
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Amazonで見る4.『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』大河内薫・若林杏樹
税理士の大河内薫さんと漫画家の若林杏樹さんがタッグを組んだ、超入門書です。妻にお金の話をしようとしても「難しくてわからない」と言われていた我が家。『貯金すらまともにできていませんが』を渡したところ、「これなら読める!」と夫婦で共通言語ができました。
つみたてNISA、iDeCo、税金の基本が漫画形式で解説されているので、専門用語にアレルギーがある人でも読み進められます。13万部突破という数字が、この本のわかりやすさを証明しています。
5.『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』節約オタクふゆこ
奨学金477万円を返済しながら、20代で資産1000万円を達成したYouTuber・ふゆこさんの著書。「年間300万円貯金」という実績に裏打ちされた具体的なノウハウが詰まっています。
私が特に参考になったのは、「固定費と変動費のどちらを優先して削るか」という観点。効率で考えると、一度見直せば効果が持続する固定費削減が圧倒的に優位です。『貯金はこれでつくれます』では46のコツが紹介されていますが、すべてを実践する必要はありません。自分に合ったものを3つ4つ選んで実践するだけで、効果が出始めます。
奨学金返済しながら20代で1000万円達成した著者が教える、具体的な46の節約テクニック。すぐに実践できるものばかりです。
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Amazonで見る第3段階:お金の本質を理解する(6-7冊目)
6.『漫画 バビロン大富豪の教え』ジョージ・S・クレイソン
100年以上読み継がれてきた『バビロンの大富豪』の漫画版です。古代バビロニアを舞台にした物語形式で、資産形成の普遍的な原則を学べます。
「収入の10分の1を貯金せよ」という教えは、どんな時代でも変わらない真理。私はこの「10分の1貯金」を「先取り貯金」として実践しています。給与が振り込まれたら、自動的に貯蓄口座に10%を移す仕組みを作りました。これが冒頭で紹介したThaler教授の研究でいう「仕組み化」そのものです。
5歳の長女にも「バビロンのおじさんの話」として読み聞かせています。子供への金融教育の重要性を考えると、親子で読める漫画版の価値は計り知れません。
7.『1日1行 2年で350万貯めた あきのズボラ家計簿』あき
最後に紹介するのは、実践的な家計簿術の本です。「ズボラ」というタイトルに惹かれた妻が購入し、今では我が家の家計管理の基盤になっています。
『あきのズボラ家計簿』の核心は「1日1行」という手軽さ。複雑な家計簿は続きません。私のようなデータ分析好きでも、毎日細かく記録するのは面倒です。しかし、1日1行なら続く。続くから効果が出る。
2年で350万円という具体的な成果が示されているのも説得力があります。理論だけでなく、実践者の知恵が詰まった一冊です。
年100万円貯金を実現した具体的な実践ステップ
7冊の本から学んだ知識を、私は以下のステップで実践しました。
ステップ1:固定費の徹底見直し(月3万円削減)
まず手をつけたのは固定費です。効果で考えると、一度見直せば毎月自動的に節約できる固定費が最も効率的。
具体的な削減額は以下の通りです。
| 項目 | 削減前 | 削減後 | 月間削減額 |
|---|---|---|---|
| スマホ(夫婦2台) | 14,000円 | 4,000円 | 10,000円 |
| 保険料 | 25,000円 | 15,000円 | 10,000円 |
| サブスク | 8,000円 | 3,000円 | 5,000円 |
| 電気・ガス | 20,000円 | 15,000円 | 5,000円 |
| 合計 | 30,000円 |
月3万円の削減は、年間36万円。これだけで貯金目標の3分の1以上を達成できました。
ステップ2:変動費の最適化(月2万円削減)
変動費は「我慢」ではなく「最適化」がポイントです。
- 食費:週1回のまとめ買いに変更(衝動買い防止)
- 外食費:月4回から月2回へ(代わりに家族でクッキング)
- 被服費:シーズンごとの計画購入(衝動買い防止)
変動費の管理で重要なのは、キャッシュレス決済の支出増加効果を意識すること。現金よりもカード決済の方が支出が増えるというデータがあります。我が家では食費だけは現金管理に戻しました。
ステップ3:先取り貯金の自動化
給与振込日に自動で貯蓄口座へ10%を移す設定をしました。『バビロン大富豪の教え』にある「収入の10分の1を貯金せよ」の実践です。
これがThaler教授の研究で証明された「仕組み化」の効果。意志の力に頼らず、自動的にお金が貯まる環境を作ることが重要です。
ステップ4:家族での月1回家計会議
毎月第1日曜日の夜、妻と家計の振り返りをしています。『貯金すらまともにできていませんが』で学んだ「夫婦の共通言語」が、ここで活きています。
5歳の長女も「今月のお金、どうだった?」と興味を持ってくれるようになりました。子供への金融教育の第一歩として、家計会議への参加は効果的だと実感しています。
節約本を読む際の注意点
すべてを実践しようとしない
7冊の本を紹介しましたが、すべてを読む必要はありません。まずは『お金の大学』で全体像を把握し、興味のある分野を深掘りする読み方がおすすめです。
自分の状況に合わせてカスタマイズする
独身の人と4人家族では、節約のアプローチが異なります。本に書いてあることを鵜呑みにせず、自分の状況に合わせてアレンジすることが大切です。
投資と節約のバランスを意識する
節約だけでは資産は増えません。節約で生まれた余剰資金を、複数の収入源構築に回すことで、家族を守る経済基盤ができあがります。
まとめ:測定できるものは改善できる
私の座右の銘は「測定できるものは改善できる」です。
節約本を読む最大の価値は、お金の流れを「測定」し「改善」するための知識を得られること。感覚ではなくデータに基づいて家計を管理すれば、確実に結果が出ます。
金融広報中央委員会の調査によると、二人以上世帯の平均貯蓄率は手取り収入の11%。我が家はこれを20%まで引き上げることができました。
4人家族で年100万円の貯金は、決して難しい目標ではありません。正しい知識を得て、仕組みを作り、継続する。この3ステップを実践すれば、1年後には確実に結果が出ています。
まずは『お金の大学』から始めてみてください。
家計改善の第一歩として最適な一冊。新NISA対応の改訂版で、「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」の5つの力を体系的に学べます。
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