『ドリルを売るには穴を売れ』要約【マーケティング入門の名著を元コンサルが解説】
「マーケティングって何から学べばいいの?」
新社会人から副業を始めた人まで、この問いに悩む人は多いはずです。
そんな人に真っ先におすすめしたいのが『ドリルを売るには穴を売れ』。累計12万部を突破したマーケティング入門の名著です。
私自身、外資系コンサルで働いていた頃に後輩によく薦めていた一冊。今読み返しても、マーケティングの本質がこれほど分かりやすく書かれた本は他にないと思います。
この本の概要
著者について
著者の佐藤義典氏は、早稲田大学政治経済学部卒業後、NTTでマーケティングを経験。その後、ペンシルバニア大学ウォートン校でMBAを取得しました。
帰国後はワーナー・ランバートで「クロレッツ」ブランドのマーケティング戦略を統括。現在はマーケティングコンサルタントとして活躍されています。
タイトルの意味
「ドリルを売るには穴を売れ」——この不思議なタイトルには、マーケティングの本質が凝縮されています。
ホームセンターにドリルを買いに来たお客様。彼らが本当に求めているのは何でしょうか?
答えは「ドリル」ではなく「穴」です。
お客様は「ドリルを買いたい」のではなく「穴を開けたい」のです。つまり、商品そのものではなく、その商品がもたらす価値(ベネフィット)を売らなくてはならないということ。
これがマーケティングの本質です。
本書の3つのポイント
1. マーケティングの4つの理論
本書では、マーケティングの基本を4つの理論で説明しています。
ベネフィット(顧客にとっての価値)
顧客が商品から得られる機能的・情緒的な価値のこと。ドリルの例でいえば、「穴が開く」という機能的価値だけでなく、「DIYで家族を喜ばせられる」という情緒的価値もあります。
セグメンテーションとターゲティング(誰に売るか)
市場を細分化し、自社が価値を提供できる対象を絞り込むこと。「全員に売ろう」とすると、結局誰にも刺さらない。
差別化(選ばれる理由を作る)
競合と比べて高い価値や独自の価値を提供し、「この商品でなければならない理由」を作ること。
4P(価値の届け方)
製品(Product)・価格(Price)・販路(Place)・プロモーション(Promotion)の4要素でマーケティング施策を具体化すること。
2. 物語形式で学べる実践的な内容
本書のユニークな点は、理論解説と物語が交互に展開される構成です。
主人公は、新人社員の売多真子(うれた・まこ)。彼女は閉店寸前のイタリアンレストランを任されることになります。
果たして、マーケティングの4つの理論を使って、レストランを復活させることができるのか——。
この物語を読み進めるうちに、理論がどのように実践で活きるのかが自然と理解できる構成になっています。
3. 「売れない」の原因がわかる
「いい商品なのに売れない」「価格を下げても売れない」——そんな悩みを抱える人は多いでしょう。
本書を読めば、その原因がはっきりします。
多くの場合、売れない原因は**「顧客視点」の欠如**です。自分たちが売りたいものを売ろうとするのではなく、顧客が欲しいもの(価値)を提供する。この発想の転換が、マーケティングの第一歩なのです。
元コンサルとして感じたこと
「顧客視点」は言うほど簡単ではない
外資系コンサルで働いていた頃、クライアント企業の経営者と話す機会が多くありました。
「お客様第一」「顧客視点」——こうした言葉は誰もが口にします。しかし、実際にそれを実践できている企業は驚くほど少ない。
なぜか? それは、自分の視点から離れることが本能的に難しいからです。
本書は、その難しさを前提としながら、どうすれば顧客視点を身につけられるかを具体的に教えてくれます。
副業・フリーランス時代の必読書
私がこの本を特におすすめしたいのは、副業を始めた人やフリーランスの人です。
「なぜ自分のサービスが売れないのか」「どうやって差別化すればいいのか」——こうした悩みに対する答えが、すべてこの本に書いてあります。
実際、私自身も独立してから改めて読み返し、多くの気づきを得ました。
子どもにも教えたい考え方
6歳の娘が「パパ、これ買って」とねだるとき、私はよくこう聞き返します。
「それを買ったら、何ができるの?」
これは本書の「ベネフィット」の考え方そのもの。モノではなく、その先にある価値を考える習慣は、子どもの頃から身につけておいて損はありません。
こんな人におすすめ
- マーケティングを初めて学ぶ人
- 副業やフリーランスで「売る」ことに悩んでいる人
- 営業職で成績を上げたい人
- 新商品の企画に携わるビジネスパーソン
- 物語形式で楽しく学びたい人
まとめ:マーケティングの本質はシンプル
『ドリルを売るには穴を売れ』は、マーケティングの本質を最もシンプルに伝えてくれる一冊です。
「顧客が本当に求めているのは何か」——この問いに真摯に向き合うことが、すべてのビジネスの出発点。
本書を読めば、その問いに対する答え方が分かるようになります。
マーケティングの教科書は数多くありますが、これほど読みやすく、実践的で、本質を突いた本は他にありません。ビジネスに関わるすべての人に、一度は読んでほしい一冊です。
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