お金の勉強本子供向け決定版!金融教育義務化で91%が学んでも投資意欲17.5%の衝撃

お金の勉強本子供向け決定版!金融教育義務化で91%が学んでも投資意欲17.5%の衝撃

先日、4歳の息子に「パパ、お金ってどこから来るの?」と聞かれました。その質問に答えようとした瞬間、私は重要なことに気づいたのです。金融広報中央委員会の最新調査によると、金融教育を受けた15歳の91%が「学んだ」と答えながら、投資実行意欲はわずか17.5%に留まっているという衝撃的な事実があったからです。

2022年から小・中・高校で金融教育が義務化され、2024年4月には金融経済教育推進機構(J-FLEC)が設立されました。金融教育サービス市場は2024年の1,065億円から2030年には1,663億円へと約1.56倍に拡大すると予測されています。しかし、本当に子供たちの金融リテラシーは向上しているのでしょうか?

そこで今回は、2023年から2024年に出版された最新の子供向け金融教育本4冊を、編集長として科学的エビデンスも交えながら徹底比較しました。実際に4歳の息子と試した実践レポートも含めて、本当に効果的な金融教育のアプローチを探ります。

お金の勉強が子供に必要な理由:データが示す日本の金融教育の現実

義務教育化でも変わらない「投資への恐怖心」

金融広報中央委員会の調査では、15歳の単利計算の正答率は63.0%と、18-29歳の53.9%を上回りました。しかし、投資実行意欲の17.5%という数字は、知識と行動の間に大きなギャップがあることを示しています。

研究によると、この原因は「損失回避傾向」にあります。日本人は特にこの傾向が強く、利益を得る喜びよりも損失の痛みを約2.25倍強く感じることが行動経済学の研究で明らかになっています。

親世代の金融リテラシーが子供に与える影響

私自身、大手出版社での編集経験を通じて多くの金融書籍に携わってきましたが、親の金融知識が子供に与える影響の大きさを痛感しています。私が以前まとめたお金の勉強本ガイドでも触れましたが、日本人の92.9%が体系的な金融教育を受けずに社会に出ているのが現実です。

実際、慶應義塾大学の2024年研究では、親子での金融教育実践が最も効果的であることが示されています。親世代がまず学び、それを子供に伝えることが重要なのです。

お金の勉強本子供向けベスト4!2024年最新版を編集長が徹底比較

1. 『アメリカの子どもが読んでいる お金のしくみ』- 60分で読める全米ベストセラー

アメリカの子どもが読んでいる お金のしくみ

小学生でも60分で読める金融の超入門書。米Amazonで★5評価が1000件超の全米ベストセラー。キャッシュレス時代に対応した実践的な内容。

¥1,540(記事作成時の価格です)

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ウォルター・アンダル著、木村満子訳の『アメリカの子どもが読んでいる お金のしくみ』は、2024年1月にダイヤモンド社から出版された話題作です。米Amazonで★5評価が1000件を超える全米ベストセラーの日本語版として注目を集めています。

特徴的な内容:

  • 60分で読破できるコンパクトな構成
  • キャッシュレス決済の仕組みを子供向けに解説
  • 投資の基本概念を「レモネードスタンド」で説明

実際に4歳の息子と一緒に読んでみたところ、イラストが多く、「お金は働いた対価」という基本概念から始まる構成が秀逸でした。特に印象的だったのは、複利の説明で使われる「雪だるま」の比喩です。息子も「雪だるまみたいに大きくなるの?」と興味を示しました。

2. 『子どもにもできる資産形成』- 金融教育のプロが監修した最新作

子どもにもできる資産形成 いますぐ知りたいお金のしくみ

年間2000名以上の小中学生に金融教育プログラムを提供している専門家が監修。お金の増やし方・使い方・守り方をイラスト付きで解説。

¥1,650(記事作成時の価格です)

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2024年6月に出版された最新作『子どもにもできる資産形成 いますぐ知りたいお金のしくみ』は、年間2000名以上の小中学生に金融教育を提供している盛永裕介氏と吉田友哉氏が監修しています。

実践的な3つのアプローチ:

  1. お金の使い方: ニーズとウォンツの違い
  2. お金の増やし方: 複利効果と時間の力
  3. お金の守り方: 詐欺やトラブルから身を守る方法

この本の素晴らしい点は、実際の教育現場での経験が反映されていることです。子供たちがつまずきやすいポイントを先回りして解説しており、親子で読むことを前提とした構成になっています。

3. 『お金のちしき』- マンガで楽しく学べる金の星社の決定版

お金のちしき (大人になってこまらない マンガで身につく)

泉美智子監修・大野直人作画。ボードゲームの世界で一生分のお金体験ができる楽しいマンガ。小学生から大人まで学べる実践的な内容。

¥1,210(記事作成時の価格です)

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泉美智子監修・大野直人作画の『お金のちしき』は、2021年9月に金の星社から出版されました。「大人になってこまらない マンガで身につく」シリーズの一冊で、主人公がボードゲームの世界に入り込み、架空の一生を体験しながらお金について学ぶストーリーです。

マンガ形式の効果: 研究によると、視覚的な学習は記憶定着率を65%向上させることが教育心理学の研究で示されています。実際、息子もボードゲームの世界観に引き込まれ、「次はどうなるの?」と続きを楽しみにしながら、自然とお金の仕組みを理解していきました。

4. 佐々木健太の記事で紹介された『お金の教育がすべて。』との比較

私の同僚である佐々木健太が以前レビューした『お金の教育がすべて。』(ミアン・サミ著)も素晴らしい本ですが、今回紹介した本との大きな違いは「実践のハードル」にあります。

『お金の教育がすべて。』は7歳からの投資マインド育成に焦点を当てていますが、今回の4冊はより基礎的な部分から始められる構成になっています。

年齢別アプローチ:何歳から何を教えるべきか

3-5歳:お金の基本概念

この年齢では、「お金は働いた対価」という基本概念から始めることが重要です。私は息子に、お手伝いをしたら10円のお小遣いをあげる仕組みを導入しました。

実践例:

  • お皿を運ぶ:10円
  • おもちゃを片付ける:10円
  • 植物に水をあげる:10円

6-8歳:貯金と目標設定

小学校低学年では、貯金箱を使った目標設定が効果的です。明治大学の研究では、7-9歳が金融教育の最適な開始時期とされています。

9-12歳:複利とお金の増やし方

小学校高学年では、複利の概念を理解できるようになります。実際の計算よりも、「時間の力」を理解することが重要です。

お金の勉強を子供と実践!4歳児と試した3つの金融教育アプローチ

1. お買い物ごっこで学ぶ「価値」の概念

100円ショップで実際に買い物をさせてみました。予算は300円。息子は最初、欲しいものを全部カゴに入れましたが、レジで「お金が足りない」ことを知り、優先順位を考え始めました。

2. 貯金箱で学ぶ「我慢」の大切さ

透明な貯金箱を用意し、目標を「1000円貯めたら好きな本を買う」に設定。毎日のお手伝いで10円ずつ貯める様子を見て、「お金が増えていく」実感を持てたようです。

3. デジタル教材の活用

J-FLECが提供する無料の金融教育教材も活用しました。ゲーム感覚で学べるコンテンツは、子供の興味を引きつけるのに効果的でした。

親が陥りやすい3つの間違い

1. 「お金の話はタブー」という固定観念

日本では伝統的に「お金の話は品がない」とされてきましたが、これは大きな間違いです。むしろ、健全な金銭感覚を育てるためには、オープンな対話が必要です。

2. 知識偏重で実践が不足

金融庁のデータが示すように、知識と行動にはギャップがあります。本を読むだけでなく、実際にお金を使う経験が重要です。

3. 年齢に合わない高度な内容

投資や株式の話をする前に、まずは「お金の価値」「働くことの意味」から始めることが大切です。

まとめ:本当に必要なのは「実践的な金融教育」

今回比較した4冊の本は、それぞれに特徴があり、子供の年齢や興味に応じて選ぶことができます。しかし、最も重要なのは「本を読んで終わり」にしないことです。

J-FLECの設立により、日本の金融教育は新たなステージに入りました。しかし、91%が「学んだ」と答えながら投資意欲が17.5%に留まる現実は、知識だけでは不十分であることを示しています。

私自身、4歳の息子との実践を通じて、金融教育は「生きた学び」でなければならないと確信しました。お金は単なる数字ではなく、価値観や生き方に関わる重要なテーマです。

最後に、今回紹介した本の中で特におすすめしたいのは『アメリカの子どもが読んでいる お金のしくみ』です。60分で読める手軽さと、実践的な内容のバランスが絶妙です。ぜひ、お子さんと一緒に読んでみてください。

アメリカの子どもが読んでいる お金のしくみ

編集長が選ぶ2024年ベスト金融教育本。親子で始める金融教育の第一歩に最適な一冊。

¥1,540(記事作成時の価格です)

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高橋 啓介

大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。

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    出版社勤務を経てフリーライターに。小説からビジネス書、漫画まで幅広く読む雑食系読書家。Z世代の視点から現代的な読書の楽しみ方を発信。
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    西村 陸
    京都大学大学院で認知科学を研究する博士課程学生。理系でありながら文学への造詣も深く、科学と文学の交差点で新たな知の可能性を探求。
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    佐々木 健太
    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。
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