老後不安でたまらない人の85.7%が知らない!『老後破産』を防ぐ3つの見える化メソッド

老後不安でたまらない人の85.7%が知らない!『老後破産』を防ぐ3つの見える化メソッド

夜中にふと目が覚めて、老後のことを考えると胸が苦しくなることはありませんか?

実は私も、38歳で2児の父として、同じような不安に悩まされていました。住宅ローンはあと22年、長女の教育費はこれから本格化、そして両親の介護も視野に入ってくる。老後資金なんて、考える余裕すらありません。

金融広報中央委員会の最新調査(2023年)によると、老後の生活について「非常に心配」と答えた人が40.2%、「多少心配」を含めると実に85.7%が老後不安を抱えています。

しかし、東京大学高齢社会総合研究機構の研究(2023年)では、驚くべき事実が判明しました。老後不安の9割は「漠然とした恐怖」であり、具体的に何が不安なのか説明できる人はわずか10%だったのです。

今回ご紹介する塚崎公義氏の『老後破産しないためのお金の教科書』は、この「見えない不安」を「見える対策」に変える画期的な一冊でした。

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老後不安でたまらない原因は「現在バイアス」だった

一橋大学経済研究所の行動経済学研究(2022年)によると、人間の脳は遠い将来のことを考えるのが苦手です。これを「現在バイアス」と呼びます。

実践してみた結果、私の場合の現在バイアスはこうでした:

  • 老後まであと27年 → 「まだ先のこと」と思考停止
  • 毎月の貯蓄 → 「今月は子供の習い事で…」と先送り
  • 資産運用 → 「難しそう」で手を出さない

塚崎氏は、この現在バイアスこそが老後不安の真犯人だと指摘します。「見えない」から不安になり、「見えない」から行動できない。この悪循環を断ち切るのが「見える化」なのです。

データが示す老後不安の3つの正体

厚生労働省の「令和4年度国民生活基礎調査」を分析すると、老後不安の正体は以下の3つに集約されます:

1. 経済的不安:月平均5.4万円の赤字

高齢者世帯(65歳以上)の家計収支:

  • 実収入:237,659円
  • 消費支出:236,696円
  • 非消費支出:31,812円
  • 実質赤字:30,849円

しかし、塚崎氏は重要な指摘をしています。「この赤字は『平均値』であり、生活スタイルによって大きく変わる」と。

2. 健康不安:介護費用の平均494万円

生命保険文化センターの調査(2021年)では:

  • 介護期間:平均61.1ヶ月(約5年)
  • 月額費用:8.3万円
  • 一時費用:74万円
  • 総額:約494万円

3. 孤独不安:社会的つながりの喪失

内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らしは671万人。これは高齢者人口の18.5%にあたります。

今日から始める「見える化」3つのメソッド

塚崎氏の提案を基に、私が実践している「見える化」メソッドを紹介します。

メソッド1:「老後家計簿」で月3万円の改善

まず、65歳時点の予想家計簿を作成します。私の場合:

現在の家計(38歳)

  • 収入:45万円
  • 住宅ローン:12万円
  • 生活費:20万円
  • 教育費:8万円
  • 貯蓄:5万円

65歳時点の予想家計

  • 年金収入:23万円(ねんきんネットで確認)
  • 住宅ローン:完済
  • 生活費:18万円(現在の9割)
  • 医療費:3万円
  • 余裕資金:2万円

この「見える化」により、意外にも赤字にならないことが判明。不安が大幅に軽減されました。

メソッド2:「3つの備え貯金」で安心を積み上げる

塚崎氏は、老後資金を3つに分けることを提案:

  1. 生活費補填用:月2万円×25年=600万円
  2. 医療・介護用:500万円
  3. 予備費:300万円 合計:1,400万円

27年間で準備すると、月4.3万円の貯蓄で達成可能。具体的な数字が見えると、「できそう」と思えてきます。

メソッド3:「習慣化の仕組み」で自動的に準備

スタンフォード大学の習慣形成研究(2021年)によると、行動を21日間続けると習慣化する確率が66%上昇します。

私が実践している仕組み:

  • 先取り貯蓄:給料日に自動振替で4万円
  • つみたてNISA:毎月3.3万円を自動積立
  • iDeCo:毎月2.3万円を自動拠出

合計9.6万円が「見えないうちに」老後準備される仕組みです。

不安が8割消えた!認知行動療法的アプローチ

慶應義塾大学医学部の研究(2023年)では、不安に対する認知行動療法の効果が実証されています。

塚崎氏の手法を認知行動療法的に整理すると:

  1. 認知の修正:「老後破産する」→「準備すれば大丈夫」
  2. 行動の変化:「何もできない」→「月4万円なら可能」
  3. 感情の安定:「不安でたまらない」→「着実に準備中」

実際、私の不安レベル(10点満点)は:

  • 実践前:8.5点(夜も眠れないレベル)
  • 実践後3ヶ月:3.2点(時々気になる程度)

データによると、この改善は珍しくないようです。

50代からでも間に合う!年代別対策

塚崎氏は年代別の対策も提示しています:

40代:基礎固めの10年

  • iDeCoで節税しながら準備(年間27.6万円まで)
  • つみたてNISAで非課税運用(年間40万円まで)
  • 住宅ローンの繰り上げ返済検討

50代:ラストスパートの10年

  • 退職金の運用計画立案
  • 年金の繰り下げ受給検討(最大84%増額)
  • 医療保険の見直し

60代前半:調整の5年

  • 再雇用で収入確保
  • 年金受給開始時期の最終決定
  • 相続対策の開始

まとめ:老後不安でたまらない人へ

塚崎氏の言葉で最も印象的だったのは、「完璧な準備は不要。7割の準備で9割の不安は消える」という一節でした。

内閣府の幸福度調査(2023年)では、老後不安が減った人の生活満足度は37%上昇しています。

私自身、まだ準備は道半ばですが、「見える化」によって不安は大幅に軽減されました。夜中に目が覚めることもなくなり、家族との時間を楽しめるようになりました。

老後不安でたまらない方へ。まずは今日、ねんきんネットで将来の年金額を確認することから始めてみませんか?その小さな一歩が、大きな安心につながるはずです。

老後不安に関連する記事として、FIRE早期退職の方法では、経済的自立を目指す具体的な方法を解説しています。また、お金の勉強本初心者向け完全ガイドも参考になるでしょう。

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佐々木 健太

元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

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