子供の社会学習本おすすめ7選!民主主義と権利を楽しく学ぶ名作

子供の社会学習本おすすめ7選!民主主義と権利を楽しく学ぶ名作

「パパ、選挙って何?」

5歳の娘から聞かれたとき、私は一瞬言葉に詰まりました。外資系コンサルタント時代には数字やロジックで説明することが得意だったはずなのに、民主主義の本質を5歳児にどう伝えればいいのか、すぐには答えが出なかったのです。

こども六法 第2版

著者: 山崎 聡一郎

累計73万部突破、2024年3月に第2版刊行

¥1,650(記事作成時の価格です)

amazon.co.jp

総務省の選挙関連データによると、2021年の衆院選における20歳代の投票率は36.50%。60歳代の71.38%と比較すると、約35ポイントもの差があります。若者の政治離れが叫ばれる中、子供のうちから社会参加の意識を育てることの重要性を痛感しています。

2児の父である私が、実際に娘と一緒に読んでいる社会学習の本を7冊ご紹介します。民主主義や権利といった抽象的な概念も、本を通じて楽しく学べる時代になりました。

なぜ子供のうちから社会を学ぶのが効果的なのか

シティズンシップ教育が注目される理由

「政治なんて大人になってから」と思っていませんか。実は、子供のうちから社会参加の意識を育てることが、世界的な潮流になっています。

第一生命経済研究所の報告によると、日本では2006年に経済産業省が「シティズンシップ教育推進宣言」を公表し、同年には東京都品川区が区立小中学校で日本初の「市民科」を創設しました。2022年からは高等学校に新科目「公共」が導入され、主権者教育の重要性が高まっています。

シティズンシップ教育の目的は、社会の中で円滑な人間関係を維持するのに必要な能力を身につけることです。単に選挙に行くことだけでなく、他人を尊重しながら社会に参加し、その役割を果たせる人材を育てることを目指しています。

学習指導要領が求める「民主的な国家・社会の形成者」

文部科学省の小学校学習指導要領では、社会科の目標として「平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う」ことが掲げられています。

2023年12月に策定された「こども大綱」でも、「主体的に社会の形成に参画する態度を育み、ひいては民主主義の担い手の育成に資する」ことが方針として示されました。国を挙げて、子供の社会参加を促進する方向へ舵を切っているのです。

漫画が社会学習に与える効果

別府大学の研究(2017年)によると、学習マンガで提示を行った方が、学習内容の理解は3週間後まで保持されやすいことがわかっています。ストーリーとイラストの組み合わせが、理解や記憶といった認知的処理を深く行わせるのです。

政治や法律という抽象的なテーマも、漫画なら視覚的に理解でき、キャラクターに感情移入しながら「考える」体験ができます。

子供の社会学習本おすすめ7選

1. 累計73万部突破のベストセラー:『こども六法 第2版』

こども六法 第2版

著者: 山崎 聡一郎

山崎聡一郎著、伊藤ハムスターイラスト、弘文堂

¥1,650(記事作成時の価格です)

amazon.co.jp

2019年の発売以来、累計73万部を突破したベストセラーです。2024年3月に刊行された第2版では、「こども基本法」の章が追加され、2023年の法改正「性的同意年齢の引き上げ」なども反映されています。

著者の山崎聡一郎氏は、9月1日に子どもの自殺が多く発生することから、8月中に刊行することにこだわったといいます。六法全書の内容を子どもでも容易に理解できるように翻訳し、いじめ防止対策推進法なども加えた画期的な一冊です。

5歳の娘にはまだ難しい内容ですが、私自身がまず読んで「権利」について考えるきっかけになりました。小学校高学年になったら、一緒に読みたいと思っています。

2. ドラえもんで政治を学ぶ:『ドラえもん社会ワールド ー政治のしくみー』

小中学校の社会科教科書の内容に準拠しながら、政治のしくみをドラえもんの漫画とともに学べる一冊です。地域の暮らしや身近な所にもある政治のしくみ、選挙制度のこと、世界のいろいろな政治の形や歴史など、幅広いテーマを扱っています。

ドラえもんが好きな子供なら、抵抗なく政治に興味を持てるはずです。親子で一緒に読んで「国会って何をする場所?」「選挙はなんであるの?」と会話するきっかけになります。

3. 憲法学者が監修:『オールカラー マンガでわかる! 政治と選挙のしくみ』

東京都立大学法学部教授の木村草太氏が監修した、政治と選挙の入門書です。「政治と憲法」「政治のしくみ」「政治と権利」「選挙のしくみ」の4章構成で、子どもの素朴な疑問に答えながら、社会を生きていくうえで大切な知識を学べます。

オールカラーのマンガと図解で、難しい政治用語もわかりやすく解説されています。親子で一緒に読める内容で、「なぜ選挙があるの?」「憲法って何?」といった根本的な疑問に答えてくれます。

4. 世界の課題を学ぶ:『こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本』

持続可能な開発目標(SDGs)を子供向けに解説した一冊です。漢字にはふりがながふってあり、カラー写真を見ながら世界の課題を学べます。

SDGsは「誰一人取り残さない」を理念としており、社会参加の意識を育てるのに最適なテーマです。「なぜ貧困をなくす必要があるの?」「気候変動って何?」といった疑問を通じて、子供が世界に目を向けるきっかけになります。

5歳の娘と一緒に写真を見ながら「この子たちは学校に行けないんだって」と話すと、娘は真剣な顔で聞いていました。社会問題への関心の芽を育てる一冊です。

5. 累計400万部シリーズ:『学校では教えてくれない大切なこと 9 ルールとマナー』

シリーズ累計400万部を突破し、2025年にはTVアニメ化もされた人気シリーズです。「ルールとマナー」は、なぜ社会にルールがあるのか、その本質を考えさせてくれます。

「ルールやマナーがあるのは、みんなが安全に、気持ちよく暮らすため」という核心を、マンガで楽しく学べます。家庭のルールから社会のルール、そして法律へとつながる視点を養える一冊です。

6. 中学受験にも対応:『角川まんが学習シリーズ のびーる社会 政治のしくみ』

「爆笑まんがでちょっぴり難しい政治のしくみがスラスラわかる!」をコンセプトにした学習まんがです。日本国憲法・選挙・国会・内閣・裁判所・地方自治・経済・国際社会などのテーマを扱っています。

大人気シリーズ『どっちが強い!?』のジェイクとシェリーが登場し、楽しみながら政治を学べます。テストや中学受験に役立つ解説ページや政治クイズも充実しており、受験を見据える家庭にもおすすめです。

7. 世界14ヵ国で人気:『図解 はじめて学ぶ みんなの政治』

イギリス発、世界14ヵ国で人気の政治入門書です。厳選されたテーマごとに、古今東西のさまざまな政治や社会のしくみを豊富なイラストで解説しています。

監修は防衛大学校長も務めた国分良成氏(慶應義塾大学教授)。日本だけでなく世界の政治について広い視野で学べるため、グローバルな視点を養いたい家庭におすすめです。

社会学習本比較表:年齢別おすすめ

書籍対象年齢特徴こんな親子におすすめ
こども六法 第2版小学高学年〜73万部、法律入門いじめ・権利を学びたい
ドラえもん社会ワールド小学生ドラえもんで政治ドラえもん好きな子
マンガでわかる! 政治と選挙小学生〜木村草太監修選挙・憲法を学びたい
こどもSDGs小学生世界の課題を学ぶ社会問題に興味がある
学校では教えてくれない小学生400万部シリーズルールとマナーを学ぶ
のびーる社会 政治のしくみ小学生〜中学受験対応受験を見据える
図解 みんなの政治小学高学年〜世界14ヵ国で人気本格的に学びたい

子供の社会学習を効果的にする3つのコツ

コツ1:ニュースと結びつける

選挙のニュースを見たら「投票って何?」、国会中継を見たら「あの人たちは何を話し合っているの?」と聞いてみましょう。本で学んだ知識と実際のニュースが結びつくと、理解が深まります。

5歳の娘と選挙ポスターを見ながら「この人たちは何をする人?」と話したことがあります。すると娘は「みんなのために何かする人?」と答えました。子供なりに社会参加の意味を考え始めているのだと感じました。

コツ2:身近なルールから始める

家庭のルール→学校のルール→社会のルール→法律という流れで理解を広げていくと、抽象的な概念も身近に感じられます。「なんでおもちゃを片付けるの?」「なんで信号を守るの?」という日常の疑問が、社会を学ぶ入り口になります。

法律は「みんなが安全に、気持ちよく暮らすためのルール」という本質を伝えることで、子供は自然と社会参加の意識を持つようになります。

コツ3:「答え」ではなく「考える」を大切に

政治や社会の問題には、正解がないことも多いです。「どうすれば貧困をなくせると思う?」「投票に行く意味って何だろう?」と一緒に考える時間を持ちましょう。

子供の「なぜ?」を否定せず、一緒に考える姿勢が大切です。答えを教えるのではなく、考えるプロセスを共有することで、主体的に社会に参加する意識が育ちます。

まとめ:民主主義の担い手を育てる

20歳代の投票率が36%という現実は、私たち親世代にも責任があるのかもしれません。子供に「社会は自分とは関係ない」と思わせてしまったのではないか。そんな反省から、私は社会学習の本を積極的に取り入れるようになりました。

今回紹介した7冊の中で、最初の1冊を選ぶなら『学校では教えてくれない大切なこと 9 ルールとマナー』をおすすめします。シリーズ累計400万部の実績と、「なぜルールがあるのか」という本質的な問いへのアプローチが秀逸だからです。

もう少し深く学びたい方は『こども六法 第2版』を。73万部突破の実績が示す通り、子供に権利と法律を教えるための画期的な一冊です。

5歳の娘、2歳の息子と一緒に、社会の仕組みについて考える時間を大切にしています。民主主義の担い手を育てることは、未来の社会をより良くする第一歩だと信じています。

子育てに関する他の書評記事もあわせてご覧ください。

この記事のライター

佐々木 健太の写真

佐々木 健太

元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

佐々木 健太の他の記事を見る

本の虫達

要約・書評・レビューから学術的考察まで、今話題の本から知識を深めるための情報メディア

検索

ライター一覧

  • 高橋 啓介

    高橋 啓介

    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
  • 森田 美優

    森田 美優

    出版社勤務を経てフリーライターに。小説からビジネス書、漫画まで幅広く読む雑食系読書家。Z世代の視点から現代的な読書の楽しみ方を発信。
  • 西村 陸

    西村 陸

    京都大学大学院で認知科学を研究する博士課程学生。理系でありながら文学への造詣も深く、科学と文学の交差点で新たな知の可能性を探求。
  • 佐々木 健太

    佐々木 健太

    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

Social Links

このサイトについて

※ 当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています。