投資初心者本おすすめ5選!38歳が200万円損して学んだ失敗回避の教訓
個人投資家の6〜7割が通算マイナスという現実
「投資で儲けたい」。そう思って株式投資を始めた私は、38歳で200万円の損失を出した。短期売買を繰り返し、含み損を抱えては「いつか戻る」と信じて損切りできず、結局傷口を広げた。
しかし、データを見ると私の失敗は珍しいことではなかった。野村証券の個人投資家サーベイによると、通算で損失もしくは含み損となっている個人投資家は全体の61.6%にのぼる。利益が出ているのはわずか9.3%、±0が29.1%だ。つまり、個人投資家の約6〜7割が「負けている」のだ。
一方で、日本証券業協会の2024年調査では、2024年単年の売買で「利益が出た」と回答した人は43.0%、「損失が出た」は9.0%だった。2024年は日経平均が上昇した年だったため、単年では利益を出した人が多い。しかし通算で見ると、多くの個人投資家が損失を抱えているのが現実だ。
この記事では、投資で200万円損した私が、なぜ失敗したのかを分析し、再起するために読んだ5冊を紹介する。
なぜ投資で失敗するのか
損切りできない「損失回避バイアス」
投資で失敗する最大の原因は、人間の脳に組み込まれた「行動バイアス」だ。
野村證券の金融経済教育サイトによると、1979年にダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが発表した「プロスペクト理論」では、人間は損失の苦痛を利益の喜びの2〜2.5倍強く感じることが実証されている。
これが「損失回避バイアス」だ。含み益を抱えているときは「損失が出ることを避けたい」ため早めに利確してしまう。一方、含み損を抱えているときは「損失を確定させたくない」ため損切りできない。私がまさにこのパターンだった。
高値覚えの「アンカリング効果」
もう一つ、私を苦しめたのが「アンカリング効果」だ。過去の高値が頭から離れず、「いずれは戻る」と信じて損切りの機会を逃してしまう。
私が保有していた株は、一時期30%以上の含み益があった。しかし相場の流れが変わっても「あの高値に戻るはずだ」と信じ続け、結局大きな損失を出した。
都合の良い情報だけ集める「確証バイアス」
さらに厄介なのが「確証バイアス」だ。自分に都合の良い情報だけを集め、判断に自信を深めてしまう傾向のことだ。
私は保有銘柄のポジティブなニュースばかり探し、ネガティブな情報は無視していた。SNSで同じ銘柄を持つ人たちと情報交換し、お互いに「大丈夫だ」と励まし合っていた。これは典型的な確証バイアスの罠だった。
投資初心者本おすすめ5選
1. 基礎を固める『いちばんカンタン!株の超入門書』
著者の安恒理氏は、株式投資の入門書を多数執筆してきた投資ライターだ。累計90万部を突破したこのシリーズは、株式投資の基礎を完全図解で学べる点が特徴だ。
私が評価するのは「基礎に忠実」という点だ。200万円損した後、私は改めて投資の基礎を学び直した。そこで気づいたのは、基礎的な知識なしに投資していたことだ。PER、PBR、配当利回りといった基本指標すら正確に理解していなかった。
『いちばんカンタン!株の超入門書』は、こうした基礎知識をイラストと図解でわかりやすく説明している。投資で失敗した人こそ、基礎に立ち返るべきだ。
2. 敗者にならない『敗者のゲーム』
著者のチャールズ・エリス氏は、イェール大学財団の運用委員長を務めた投資の専門家だ。世界100万部を突破した本書は、「なぜ個人投資家は負けるのか」を明快に解説している。
本書の核心は「投資は敗者のゲームになった」という主張だ。テニスに例えるなら、プロはウィナー(得点)で勝負を決めるが、アマチュアはミス(失点)の少なさで勝負が決まる。投資も同じで、個人投資家は「勝とうとする」のではなく「負けないようにする」ことが重要だという。
私の失敗は、まさに「勝とうとして」の結果だった。短期売買で利益を狙い、結局大きな損失を出した。『敗者のゲーム』を読んで、インデックス投資の重要性を理解した。
3. 本質を学ぶ『投資で一番大切な20の教え』
著者のハワード・マークス氏は、オークツリー・キャピタル・マネジメントの会長兼共同創業者だ。本書は、ウォーレン・バフェットがバークシャー・ハザウェイの株主総会で配布したほどの名著だ。
本書で最も印象に残ったのは「二次的思考」の重要性だ。一次的思考は「この会社は良い会社だから買おう」。二次的思考は「みんながこの会社が良いと思っているなら、すでに株価は高くなっているのでは?」。投資で成功するには、この二次的思考が不可欠だと説く。
私の失敗は、一次的思考しかしていなかったことだ。「この会社は成長している」と信じて買ったが、それはすでに株価に織り込まれていた。『投資で一番大切な20の教え』は、投資の本質を教えてくれた。
4. 理論を学ぶ『ウォール街のランダム・ウォーカー』
著者のバートン・マルキール氏は、プリンストン大学の経済学教授だ。1973年の初版から50年以上、全米累計200万部を超える「投資のバイブル」として読み継がれている。
本書の核心は「市場効率性仮説」だ。株価はすべての情報を織り込んでいるため、誰も市場平均を継続的に上回ることはできないという理論だ。だからこそ、低コストのインデックスファンドへの長期投資が最も合理的だと説く。
経済学を学んだ私にとって、『ウォール街のランダム・ウォーカー』の論理は説得力があった。データと理論に基づいて長期投資の有効性を解説しており、感情に流されない投資判断の基盤となる。
5. 長期視点を学ぶ『株式投資の未来』
著者のジェレミー・シーゲル氏は、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールの金融学教授だ。本書は、200年以上の市場データを分析し、長期投資の有効性を実証した画期的な一冊だ。
本書で最も衝撃を受けたのは「成長の罠」の解説だ。成長率の高い企業の株を買えば儲かると思いがちだが、実際は違う。成長への期待がすでに株価に織り込まれているため、期待どおりに成長しても株価は上がらない。むしろ、地味だが着実に配当を出し続ける企業の方が長期的なリターンは高いというデータが示されている。
私の失敗は、成長株ばかり追いかけたことだ。「この会社は急成長している」と信じて高値で買い、結局損失を出した。『株式投資の未来』は、長期的な視点で投資を考える重要性を教えてくれた。
投資失敗を回避する3つの鉄則
鉄則1:自分の「行動バイアス」を自覚する
投資で失敗する原因の多くは、人間の脳に組み込まれた行動バイアスだ。損失回避バイアス、アンカリング効果、確証バイアス。これらを知っているだけで、感情的な判断を避けられる。
私の場合、含み損を抱えたときに「これは損失回避バイアスだ」と自覚するだけで、冷静な判断ができるようになった。事前に「○%下落したら損切りする」というルールを決めておくことも有効だ。
鉄則2:「敗者のゲーム」を理解する
個人投資家の6〜7割が通算マイナスという現実を受け入れよう。短期売買で市場に勝とうとするのは、プロですら難しい。『敗者のゲーム』が説くように、「負けないこと」に集中すべきだ。
具体的には、低コストのインデックスファンドへの投資が有効だ。市場平均のリターンを得ることで、「敗者」にならずに済む。私は新NISAのつみたて投資枠で、全世界株式インデックスファンドに毎月積み立てている。
鉄則3:「時間を味方に」する
金融庁のNISAガイドブックによると、1989年以降のデータでは、保有期間5年程度だと始めたタイミングによって収益が大きく変動し、元本割れすることもある。しかし保有期間20年になると、どの時点から始めても安定した収益となり、元本割れがなかった。
短期売買で200万円損した私が学んだ最大の教訓は、「時間を味方にする」ことの重要性だ。焦らず、長期・分散・積立投資を続ければ、複利の力で資産は着実に増えていく。
まとめ:失敗は最高の教師
個人投資家の6〜7割が通算マイナスという現実。私もその一人だった。しかし200万円の損失は、投資の本質を学ぶ授業料だったと今は思える。
今回紹介した5冊は、なぜ投資で失敗するのか、どうすれば失敗を避けられるのかを教えてくれる。まずは『いちばんカンタン!株の超入門書』で基礎を固め、『敗者のゲーム』で投資の本質を理解しよう。そして『ウォール街のランダム・ウォーカー』と『株式投資の未来』で長期投資の有効性を学び、『投資で一番大切な20の教え』で投資家としての思考法を身につける。
投資で失敗した経験がある人、これから投資を始める人に、これらの本を強くおすすめする。失敗を恐れず、しかし同じ失敗を繰り返さないために。
子育て世代のお金の勉強に興味がある方は、子育て世代のお金勉強本おすすめ5選も参考にしてほしい。
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