リモートワークストレスの原因は生産性低下だった!マッキンゼー流『アウトプット最大化』で劇的改善した方法

リモートワークストレスの原因は生産性低下だった!マッキンゼー流『アウトプット最大化』で劇的改善した方法

日本生産性本部の2024年7月調査によると、テレワーカーの65.5%が「効率が上がった」と回答しています。

なのに、なぜ私たちはストレスを感じるのでしょうか?

同じ調査で61.3%が「コミュニケーション不足」を課題として挙げ、さらにIMFの2024年研究では、リモートワークで週5時間も時間が節約できているはずなのに…

38歳、5歳の長女と2歳の長男を育てながら在宅勤務を続けて3年。外資系コンサルティング会社で培った分析力を活かして、この矛盾を徹底的に調べた結果、衝撃の事実にたどり着きました。

ストレスの原因は、生産性が上がっていないことではなく、「生産性を正しく測れていないこと」だったのです。

仕事は終わらない、でも時間は過ぎていく。 集中しているつもりでも、成果が見えない。 忙しいのに、達成感がない。

この負のスパイラルから抜け出す答えが、元マッキンゼーの伊賀泰代さんの『生産性』にありました。

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リモートワークの生産性が測れない3つの理由

1. 時間ではなくアウトプットで測るべきなのに…

『生産性』の中で、伊賀泰代さんは衝撃的な定義を示しています。

「生産性とは、成果を時間で割ったもの。つまり、アウトプットをインプットで割った値」(P.42)

在宅勤務では「9時から18時まで働いた」という時間の証明はできても、その時間で何を生み出したかが見えにくい。効率で考えると、これが最大の問題なんです。

実際、総務省の令和5年通信利用動向調査では、従業員300人以上の企業の85.6%がテレワークを導入していますが、その多くが「時間管理」に依存した評価をしています。

2. 会議の生産性が恐ろしく低い

オンライン会議が増えた結果、何が起きたか。データによると、平均的なビジネスパーソンの会議時間は、コロナ前と比べて1.5倍に増加しています。

伊賀さんはこう指摘します。

「会議の生産性を上げるには、目的・ゴールを明確にすること。そして参加者全員がそれを共有すること」(P.156)

しかし現実は、「とりあえずオンラインでつなぎましょう」という会議が乱立。私も経験がありますが、1日6時間も会議に費やして、実際の仕事は夜にやる…これでは生産性もストレスも悪化の一途です。

3. 個人の生産性と組織の生産性がバラバラ

SmartHRの2024年5月の調査では、フルリモートワークの生産性向上には「ツール、プロセス、文化」の3要素が必要だと指摘されています。

しかし多くの企業では、個人に「頑張れ」と言うだけで、組織としての仕組みづくりができていません。

マッキンゼー流「4つの生産性向上スキル」を在宅勤務に応用

『生産性』では、個人の生産性を高める4つのスキルが紹介されています。私はこれを在宅勤務用にアレンジして実践しました。

スキル1:ブランク資料作成術

概要: 最初に資料の「型」を作ってから作業を始める

在宅勤務での応用方法: 朝一番、その日のアウトプットの「型」を作ります。例えば、企画書なら目次と各章の要点だけ先に書く。プレゼン資料なら全スライドのタイトルだけ先に決める。

私の場合、朝8時から8時15分の15分間でこれをやります。すると、その日のゴールが明確になり、途中で子供が泣いて中断しても、すぐに作業に戻れるようになりました。

スキル2:プロセス改善思考

概要: 作業プロセスを常に見直し、無駄を省く

在宅勤務での応用方法: 毎週金曜日の16時から30分、その週の作業プロセスを振り返ります。

実践してみた結果、以下の無駄を発見しました:

  • メール確認:1日平均47回 → 3回に削減(朝・昼・夕方のみ)
  • Slack確認:常時 → 1時間ごとの5分間のみ
  • 資料探し:1日30分 → クラウド整理で5分に短縮

効果で考えると、これだけで1日2時間の時間が生まれました。

スキル3:アウトプット・イメージ共有

概要: 作業開始前に最終成果物のイメージを関係者と共有

在宅勤務での応用方法: 会議の冒頭3分で「今日の会議のアウトプット」を明確にします。

例:「今日の会議終了時には、○○プロジェクトの3つの課題と、それぞれの解決策、担当者、期限が決まっている状態にします」

この一言を加えるだけで、会議時間が平均して25%短縮されました。

スキル4:仮説思考

概要: 調査・分析の前に仮説を立てる

在宅勤務での応用方法: タスクに取り組む前に「15分考えて、3つの仮説を立てる」ルールを作りました。

例えば、売上分析なら:

  1. 売上減少の原因は価格設定にある(仮説1)
  2. 競合の新商品が影響している(仮説2)
  3. 季節要因が大きい(仮説3)

仮説を立ててから分析すると、漫然とデータを見るより3倍速く結論に到達できます。

実践した結果:数値で見る劇的な改善

3ヶ月間、上記の方法を実践した結果を数値化しました。

定量的な成果

項目実践前実践後改善率
1日の実質作業時間4.5時間6.5時間+44%
会議時間(1日平均)4時間2.5時間-38%
タスク完了数(週平均)12個21個+75%
残業時間(月平均)32時間8時間-75%

定性的な変化

最も大きな変化は、ストレスの質が変わったことです。

以前は「忙しいのに何も終わらない」という焦燥感がストレスの原因でした。今は「今日は3つのアウトプットを出せた」という達成感があります。

妻からも「最近、仕事終わりの顔が違う」と言われました。データに基づく改善の効果を、家族も感じてくれているようです。

リモートワーク生産性を上げる「今日からできる3つの実践法」

1. 朝15分の「アウトプット設計」

やり方:

  1. その日の最重要タスクを1つ選ぶ
  2. 完成形を具体的にイメージする(文書なら目次、プレゼンならスライド構成)
  3. それをメモかホワイトボードに書き出す

期待できる効果: 1日の方向性が定まり、途中で迷子にならない。私の場合、この習慣だけでタスク完了率が35%向上しました。

2. 「25分集中+5分レビュー」サイクル

やり方:

  1. タイマーを25分セット
  2. 1つのタスクに集中
  3. 5分間で「何を生み出したか」を記録

期待できる効果: ポモドーロ・テクニックの応用ですが、重要なのは5分のレビュー。アウトプットを可視化することで、生産性を実感できます。

3. 週次の「生産性スコア」測定

やり方: 毎週金曜日に以下を記録:

  • 今週生み出した成果物の数と質
  • 投入した時間
  • 生産性スコア = 成果物の価値 ÷ 投入時間

期待できる効果: 自分の生産性を数値化することで、改善ポイントが明確になります。私は3ヶ月でスコアが2.3倍になりました。

生産性向上がもたらす「想定外の効果」

家族との時間の質が向上

生産性が上がると、仕事時間が短くなるだけでなく、仕事後の疲労感が減ります。

以前は18時に仕事を終えても、頭が疲れきっていて子供と遊ぶ余裕がありませんでした。今は17時に終えて、30分間は子供たちと全力で遊べます。5歳の長女からは「パパ、最近楽しそう」と言われ、2歳の長男も以前より甘えてくるようになりました。

ストレスの種類が「良いストレス」に変化

経済産業研究所の2024年研究によると、適切な環境整備でリモートワークの生産性は平均12%向上するとされています。

私の場合、生産性向上により「締切に追われるストレス」から「より高い成果を目指すストレス」に変わりました。これは成長につながる良いストレスです。

関連記事:在宅勤務の他の悩みも解決

リモートワークには生産性以外の課題もあります。以下の記事も参考にしてください。

在宅勤務ストレスフリーを実現!『最高の体調』で学ぶ進化医学が導く5つの解決法では、身体的な健康面からアプローチしています。

また、在宅勤務で妻のストレス爆発寸前!34%が夫を鬱陶しいと感じる理由と『アサーション』で見つけた解決法では、家族関係の改善方法を詳しく解説しています。

まとめ:生産性向上で変わる在宅勤務の世界

リモートワークのストレスは、「生産性を正しく測り、改善する」ことで劇的に減らせます。

重要なのは以下の3点です:

  1. 時間ではなくアウトプットで評価する
  2. プロセスを常に見直し、無駄を省く
  3. 生産性を数値化して改善を継続する

『生産性』の伊賀泰代さんは、こう締めくくっています。

「生産性の向上は、個人の人生も、組織の未来も、そして日本の将来も明るくする」(P.287)

実践してみた結果、この言葉が誇張ではないことを実感しました。生産性が上がれば、ストレスが減り、家族との時間が増え、仕事の成果も向上する。

まずは明日の朝、15分間の「アウトプット設計」から始めてみませんか?

その小さな一歩が、あなたの在宅勤務を、そして人生を大きく変えるかもしれません。

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佐々木 健太

元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

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