キャンプ本おすすめ2025!初心者から上級者まで楽しめる厳選10冊
「キャンプを始めてみたいけど、何から手をつければいいかわからない」
こう思っている人は少なくないはずです。道具を揃えるだけで数万円、テントの張り方も火の起こし方もわからない。そんな不安を抱えて、結局一歩を踏み出せないまま時間だけが過ぎていく。
私も最初はそうでした。37歳、妻と4歳の息子がいる編集者として、休日はどうしても家でダラダラ過ごしがちだった。でも「このままでいいのか」という漠然とした焦りがあったんです。
転機は、一冊のキャンプ本との出会いでした。
YouTubeで見る派手なキャンプ動画とは違い、本には「なぜそうするのか」という理由が書いてある。道具選びの基準、火の扱い方の原理、自然の中での身の守り方。体系的に学べたことで、最初のソロキャンプは拍子抜けするほどスムーズにいきました。
今回は、編集者として年間200冊以上の本を読んできた経験と、実際にキャンプを始めてみた体験をもとに、本当に役立つキャンプ本を10冊厳選してご紹介します。
キャンプ本を選ぶ3つのポイント
本屋のアウトドアコーナーに行くと、キャンプ関連の本がずらりと並んでいます。どれも魅力的に見えて、どれを選べばいいか迷ってしまう。私が実際に数十冊読んできた経験から、選び方のポイントをお伝えします。
1. 自分のキャンプスタイルに合っているか
キャンプには様々なスタイルがあります。一人で静かに過ごすソロキャンプ、家族で楽しむファミリーキャンプ、本格的な野外技術を追求するブッシュクラフト。それぞれに適した本が異なります。
まず「自分がどんなキャンプをしたいのか」を明確にすることが大切です。ソロキャンプに興味があるのに、ファミリー向けの本を買っても、必要な情報が足りなくて困ることになります。
2. 著者の実体験に基づいているか
キャンプ本で信頼できるのは、著者自身が何百泊もキャンプを重ねてきた経験者が書いたものです。理論だけでなく「実際にやってみたらこうだった」というリアルな情報が含まれているかどうかで、本の価値は大きく変わります。
特に初心者向けの本では、著者が初心者時代に経験した失敗談があると参考になります。何がうまくいかないのか、どう対処すればいいのかが具体的にわかるからです。
3. 写真やイラストが豊富か
キャンプは実技です。テントの張り方、ロープの結び方、火の起こし方。文章だけでは伝わりにくいことが多い。写真やイラストで手順が丁寧に解説されている本を選ぶと、現場で実践しやすくなります。
ソロキャンプを始めたい人におすすめの3冊
ソロキャンプブームの火付け役となったのは、間違いなく芸人のヒロシさんでしょう。テレビで見せる孤独を楽しむ姿に、多くの人が共感したはずです。ソロキャンプは、誰にも気を使わず、自分のペースで過ごせる贅沢な時間。その入り口となる本を3冊ご紹介します。
大人のソロキャンプ入門(ヒロシ)
ヒロシさん自身の10年以上にわたるソロキャンプ経験がぎっしり詰まった一冊です。道具の選び方、キャンプ場の選び方、一人で過ごす時間の楽しみ方が、ヒロシさんらしい飾らない言葉で綴られています。
特に印象的だったのは「高い道具は必要ない」というメッセージ。むしろ安い道具から始めて、自分に何が必要かを見極めていくことを勧めています。ブランド志向になりがちなキャンプ道具選びに、冷静な視点を与えてくれます。
ソロキャンプ入門(JTBパブリッシング)
旅行ガイドブックで知られるJTBパブリッシングが手がけたムック本。写真が豊富で、ビジュアル的に理解しやすいのが特徴です。道具の選び方、キャンプ場での過ごし方、簡単なキャンプ飯のレシピまで、ソロキャンプに必要な情報が網羅されています。
初めてキャンプ道具を買う際のカタログ的な使い方もできます。各カテゴリーの道具が価格帯別に紹介されているので、予算に合わせた選択がしやすいです。
準備はリュック1つ!キャブヘイのソロキャンプ
「道具が多すぎて持っていけない」という悩みを解決してくれる本です。YouTubeで人気のキャブヘイさんが、リュック1つに収まる装備でソロキャンプを楽しむ方法を紹介しています。
電車やバスでキャンプ場に行きたい人、車を持っていない人にとっては特に参考になります。最小限の道具で最大限の快適さを追求する考え方は、ミニマリズムにも通じるものがあります。
キャンプ飯を極めたい人におすすめの4冊
キャンプの楽しみといえば、やはり料理。外で食べるご飯は、なぜかいつもより美味しく感じる。でも「料理が苦手」「何を作ればいいかわからない」という人も多いはず。そんな悩みを解決してくれる本を4冊ご紹介します。
決定版 キャンプレシピ大全(ソトレシピ)
キャンプ料理専門メディア「ソトレシピ」が編集した、まさに決定版と呼べるレシピ集。250以上のレシピが掲載されており、スキレット、ダッチオーブン、BBQコンロ、焚き火、ホットサンドメーカーなど、様々な調理器具に対応しています。
この本の良いところは、難易度別に分類されていること。キャンプ初心者は簡単なレシピから、慣れてきたら凝った料理に挑戦できます。私も最初はこの本の「焼くだけレシピ」から始めて、徐々にステップアップしていきました。
さーやんのゼロスキル!キャンプ飯
「料理が苦手」という人に最もおすすめしたい一冊。YouTubeで人気のさーやんさんが、本当に料理スキルゼロでも作れるレシピを紹介しています。「キャンプ飯のバイブル」と呼ばれるほど、多くのキャンパーに支持されています。
レシピの手順が徹底的にシンプル化されているのが特徴。「切る」「焼く」「混ぜる」といった基本動作だけで完成するものばかり。料理に自信がなくても、キャンプで美味しいご飯を作れるという自信をくれる本です。
メスティン自動レシピ
メスティン(アルミ製の飯盒)と固形燃料を使った「ほったらかしレシピ」を集めた一冊。材料を入れてフタをし、固形燃料に火をつけたら、あとは待つだけ。調理している間に他のことができるので、ソロキャンプとの相性が抜群です。
私がこの本で最初に作ったのは、定番の「炊き込みご飯」。材料を全部入れて固形燃料に火をつけ、燃え尽きるまで放置。それだけで炊き立てのご飯が完成した時の感動は今でも覚えています。
焚き火料理の本(小雀陣二)
焚き火で料理をするというのは、キャンプの醍醐味の一つ。でも火加減が難しく、初心者には敷居が高いと感じるかもしれません。この本では、アウトドアコーディネーターの小雀陣二さんが、焚き火料理のコツを丁寧に解説しています。
56品のレシピが掲載されていますが、単なるレシピ集ではありません。焚き火の起こし方、火力のコントロール方法、調理器具の選び方まで、焚き火料理に必要な知識が体系的にまとまっています。
家族でキャンプを楽しみたい人におすすめの2冊
子供ができてから、キャンプへの興味が変わりました。自分だけが楽しむのではなく、子供に自然体験をさせたい。でも子連れキャンプは準備も大変だし、安全面も心配。そんな親御さんの不安を解消してくれる本を2冊ご紹介します。
キャンプで子育て
「キャンプは子育てに良い」と漠然と思っていても、具体的に何がどう良いのかはわかりにくい。この本では、キャンプが子供の成長にどんな影響を与えるかを、具体的な事例とともに解説しています。
実用的な情報も充実しています。子連れキャンプに必要な道具リスト、年齢別のおすすめアクティビティ、子供が喜ぶキャンプ飯のレシピなど。我が家も4歳の息子を連れてキャンプデビューした際、この本が大いに参考になりました。
親子キャンプ読本
子連れキャンプで最も重要なのは、やはり安全管理。この本では、火の取り扱い、刃物の使い方、虫刺されや怪我への対処法など、子供の安全を守るための知識が詳しく解説されています。
また、キャンプを通じて子供に何を教えられるかという視点も新鮮です。テントの設営を手伝わせることで協調性を育む、火起こしを体験させることで達成感を味わわせる。単なるレジャーではなく、教育的な価値を意識したキャンプの在り方を考えさせられます。
本格的な野外技術を学びたい人におすすめの2冊
キャンプに慣れてくると、もっと深く自然と向き合いたくなります。便利な道具に頼らず、自分の技術で快適さを作り出す。そんな「ブッシュクラフト」と呼ばれる野外技術に興味がある人におすすめの本を2冊ご紹介します。
ブッシュクラフト 大人の野遊びマニュアル(川口拓)
ブッシュクラフトとは、最小限の道具で自然の中に寝床を作り、火を起こし、食料を調達する技術のこと。著者の川口拓さんは、ネイティブアメリカンの知恵を学び、日本で普及活動を続けている第一人者です。
この本では、ファイヤースターターを使った火起こし、タープとロープだけで作るシェルター、自然素材を活用した道具作りなど、本格的な野外技術が写真付きで解説されています。一般的なキャンプとは違う、より原始的な自然との向き合い方を学べます。
焚き火の本(猪野正哉)
焚き火はキャンプの象徴的な存在。でも意外と奥が深く、上手に火を扱うには知識と経験が必要です。この本では、薪の選び方から組み方、火の育て方まで、焚き火に関するあらゆる知識が網羅されています。
「料理のコツは焼くだけ」「焚き火で炊いた米はなぜかうまい」など、著者の猪野正哉さんの経験に基づいた実践的なアドバイスが満載。焚き火を眺めながらゆっくり過ごす時間の豊かさを、改めて教えてくれる一冊です。
キャンプの世界への入り口として
最後に、番外編として漫画を一冊ご紹介します。
ゆるキャン△
キャンプブームの火付け役となった漫画。女子高生たちがゆるくキャンプを楽しむ姿を描いた作品で、アニメ化もされて大人気になりました。
「キャンプって楽しそう」という気持ちを最もカジュアルに味わえる入り口として最適です。作中に登場するキャンプ道具やキャンプ場は実在するものが多く、聖地巡礼として訪れるファンも多い。私もこの漫画がきっかけでキャンプに興味を持った一人です。
まとめ:本から始めるキャンプライフ
キャンプを始めるのに、いきなり高い道具を揃える必要はありません。まずは本を読んで知識を得ること。何が必要で、何をどうすればいいのかを理解してから動き出しても遅くはないのです。
むしろ、本で学んでから始めた方が、無駄な出費を避けられ、最初のキャンプで失敗するリスクも減らせます。
今回紹介した10冊は、それぞれ異なる目的に応えてくれる本ばかり。自分のやりたいキャンプスタイルに合った一冊を選んで、まずは読んでみてください。
そして、本を片手にキャンプ場へ。自然の中で過ごす時間が、きっとあなたの人生を豊かにしてくれるはずです。











