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レビュー

概要

『メスティン自動レシピ』は、メスティン(飯ごう型の調理器具)で「着火する→火が消えたらできあがり」という、自動調理の発想を徹底したレシピ集です。キャンプ料理というと、手際や火加減の難しさでハードルが上がりがちですが、本書はそのハードルを“工程の固定”で下げてきます。

構成は、序章で自動調理の基本(メスティンの基本、使用前の準備など)を押さえたあと、1章「炊く」2章「煮る」3章「蒸す」4章「焼く」と、調理法ごとにレシピが並びます。めんたい高菜ご飯、炊き込みチャーハン、ポルセストロガノフ、白菜のスープグラタン、タイカレーうどん、生ハムとスチームキャロットのサラダ、アボカドミートローフ、チョコチップバナナケーキなど、想像以上に幅が広いです。

読みどころ

1) 序章が「メスティン初心者の地雷」を先に潰してくれる

メスティンは手軽に見える反面、最初につまずきやすいポイントがあります。使用前の準備、炊飯の前処理、焦げやすさ、加熱のクセ。序章はそのあたりを「自動調理」という目的に合わせて整理します。

ここを押さえると、レシピを“真似するだけ”で済みやすいです。キャンプ飯は、レシピ以前に道具の扱いで失敗することが多いので、入口の説明が丁寧なのは助かります。

2) 「炊く」章で、メスティンの強みが一番わかる

炊飯系のレシピは、メスティンが得意な領域です。めんたい高菜ご飯や炊き込みチャーハンのように、具材の旨みを米に移すタイプは、放っておくだけで完成度が上がります。

この章を読むと、メスティンは“料理の工夫”より“段取りの良さ”で勝つ道具だとわかります。具材を切って入れる。加熱する。待つ。その間にテントを張れる。こういう時間設計が、アウトドアの現場で強いです。

3) 「煮る」「蒸す」で、料理の幅が一気に広がる

煮込み系では、ポルセストロガノフやスープグラタンのように、キャンプで作ると嬉しくなるメニューが出てきます。蒸す章では、タイカレーうどんのように「それもメスティンでいけるの?」という意外性のあるレシピもあります。

蒸し調理は、焦げつきにくく失敗しにくい。しかも野菜の甘みが出やすい。キャンプの調理で一番困る“火の管理”を、蒸すことで回避できるのは、実用的だと思いました。

4) 「焼く」章があることで、メスティンが“主食専用”で終わらない

メスティンというと米のイメージが強いですが、本書は焼く章まで用意します。アボカドミートローフやバナナケーキのようなレシピが入っていて、キャンプ飯を「ご飯とおかず」から「食事の体験」へ広げてくれます。

デザートが作れると、キャンプの満足度は上がります。しかも工程が自動化されているので、凝ったことをしている感が出るのに負担は少ない。ここが、この本のうまさです。

5) 自動調理は「失敗しない」だけでなく「疲れない」

キャンプでは、料理は楽しい反面、体力を削ります。火を見張る。手を動かす。洗い物を増やす。本書の自動調理は、その疲れを減らす方向にあります。

着火して待つ間に、他の作業を進められる。だから、初心者だけでなく、ソロキャンプや子連れでも使いやすい。料理が目的になりすぎず、キャンプ全体の時間を守ってくれるのが「自動」の価値だと思いました。

6) 「型」があると、買い物と段取りが迷わない

レシピ本を買っても、現場では「何から準備すればいい?」で止まりがちです。本書は自動調理の思想が前にあるので、段取りが似た形で揃っています。材料を入れる。加熱する。待つ。ここが共通だと、買い物も「一品完結の具材を用意する」「火を止めたあとにできる作業を残す」といった形で組み立てやすいです。

たとえば「炊く」はご飯もの中心で、失敗が少ないわりに満足度が高い。慣れてきたら「煮る」「蒸す」で温かい汁物や麺に広げる。最後に「焼く」でミートローフやケーキに挑戦する。章立て自体が、レベルアップの順番として使えます。

類書との比較

メスティンのレシピ本は多く、定番の炊飯や簡単おかずをまとめた本もあります。そうした本は、まず一度作るには十分です。

本書の違いは、「火が消えたら完成」という自動調理の思想で、工程を統一している点です。レシピの種類が多いだけではなく、やり方の型が揃っているので、現場で迷いにくい。さらに「炊く」だけでなく「煮る」「蒸す」「焼く」まで押さえているので、メスティンを主役にした食事の幅が作れます。ほったらかし料理系の本が家庭の時短に強いのと同じで、本書はアウトドアの時短に強い1冊です。

こんな人におすすめ

  • キャンプ料理を、まず失敗しにくい形で始めたい人
  • 火加減に自信がなく、工程がシンプルなレシピを探している人
  • メスティンを「炊飯だけ」で終わらせたくない人

感想

キャンプ飯は、頑張るほど続かないことがあります。凝った料理に挑戦して疲れると、次が億劫になります。本書はそこをわかっていて、工程を自動化することで、料理の満足と体力の消耗のバランスを取ってきます。

作る楽しさは残しつつ、現場で迷う部分を減らす。だから「また作ろう」と思える。メスティンを買ったものの、結局白ご飯しか炊いていない人にこそ、刺さるレシピ集だと思いました。

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    佐々木 健太

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