人生の転機を活かす方法!18か月に1回のチャンスを『セレンディピティ』で幸運に変える3つの科学的ステップ

人生の転機を活かす方法!18か月に1回のチャンスを『セレンディピティ』で幸運に変える3つの科学的ステップ

2024年、野村総合研究所が発表した調査結果に、私は思わず手を止めました。

人生では平均して36回もの「転機」が訪れる。

これは18か月に1回の頻度です。つまり今この瞬間も、あなたの人生を変えるかもしれない出来事が、すぐそこまで迫っているということです。

37歳になった今、振り返ってみると確かに心当たりがあります。大手出版社での編集者時代、ある著者との偶然の出会いが私の人生を変えました。打ち合わせ後の雑談で「最近の科学論文って面白いですよね」と何気なく話したことが、後に書籍と論文を融合させた知識発信というキャリアにつながったのです。

実は、この「偶然」には科学的な裏付けがありました。

人生の転機はなぜ80%が「予期しない出来事」から生まれるのか

スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した「計画的偶発性理論」(Planned Happenstance Theory)によると、成功したキャリアの80%は予期しない出来事から生まれていることが判明しています。

この理論は1999年に発表されて以来、世界中のキャリア研究に革命をもたらしました。

Job総研の最新調査(2024年、n=956)でも、転職成功者の72%が「思いがけない出会いがきっかけだった」と回答しています。さらに興味深いのは、転機を「チャンス」と捉えた人の年収が平均1.4倍になっているという野村総合研究所のデータです。

しかし、ここで重要な疑問が生まれます。なぜ同じような「偶然」に遭遇しても、人生が変わる人と変わらない人がいるのでしょうか?

その答えを教えてくれるのが、クリスチャン・ブッシュの『セレンディピティ 点をつなぐ力』です。

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人生の転機を掴む!セレンディピティは「運」ではなく「スキル」だった

ブッシュはロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでの研究を通じて、セレンディピティ(幸運な偶然)が単なる運ではなく、訓練可能なスキルであることを科学的に証明しました。

彼の研究によると、セレンディピティには3つの要素があります:

  1. 予期せぬ情報や出来事との遭遇
  2. それを機会として認識する能力
  3. 価値を生み出す行動への転換

つまり、偶然の出会いは誰にでも平等に訪れますが、それを「点」として認識し、他の「点」とつなげて価値を生み出せるかどうかが、人生を変えるかどうかの分かれ目なのです。

実際、私が編集者からブロガーへ転身できたのも、この「点をつなぐ力」のおかげでした。論文読解スキル(点1)と、出版業界での経験(点2)を組み合わせることで、「エビデンスベースの書評」という新しい価値を生み出せたのです。

データが示す「幸運を増やす人」の3つの特徴

経済産業省の「新しい働き方に関する調査」(2024年版)によると、転職経験者の67%が「予期しない出会いがキャリアを変えた」と回答しています。さらに詳しく分析すると、キャリアチェンジに成功した人には以下の3つの共通点がありました:

1. 弱いつながりを大切にする(Weak Ties の法則)

マーク・グラノヴェッターの研究で有名な「弱い紐帯の強み」理論によると、仕事の情報の70%は「弱いつながり」からもたらされます。親しい友人より、たまに会う知人の方が新しい機会をもたらす可能性が高いのです。

2. 好奇心のアンテナを広げる

クランボルツの研究では、偶然を活かすために必要な5つのスキルを挙げています:

  • 好奇心 - 新しいことへの関心
  • 持続性 - 諦めない姿勢
  • 柔軟性 - 変化への適応
  • 楽観性 - ポジティブな解釈
  • リスク・テイキング - 挑戦する勇気

3. 偶然を記録し、パターンを発見する

マイナビの調査では、転職成功者の85%が「偶然の出会いを大切にする」習慣を持っていました。

今日から始められる「セレンディピティを増やす」3つの実践法

理論はわかった。では具体的に何をすればいいのか?私自身が実践し、効果を実感した方法を3つご紹介します。

実践法1:月1回の「新規開拓デー」を作る

毎月第一土曜日を「新規開拓デー」と決めて、以下のいずれかを実行します:

  • 初めてのカフェで2時間仕事をする
  • 新しいコミュニティイベントに参加する
  • LinkedInで業界外の人3人にメッセージを送る
  • 普段読まないジャンルの本を1冊読む

私の場合、昨年参加した「デザイン思考ワークショップ」で出会ったエンジニアとの会話が、AI時代の不安について考える記事のアイデアにつながりました。

実践法2:週次「セレンディピティ日記」をつける

毎週日曜日の夜、10分間で以下を記録します:

  1. 今週の予期せぬ出来事 - どんな小さなことでも
  2. そこから得た気づき - 何を感じたか
  3. つながりそうな過去の経験 - 点と点をつなぐ練習

これを3か月続けると、自分の人生に訪れる「偶然」のパターンが見えてきます。私の場合、「書籍×データ分析」の組み合わせが多くのチャンスを生むことに気づきました。

実践法3:「30分無目的読書」の習慣化

毎日寝る前の30分、目的なく本屋や図書館で手に取った本を読みます。重要なのは「役に立つかどうか」を考えないこと。

『ファスト&スロー』で解説した直感的思考(System 1)を活性化させることで、意外な発見が生まれやすくなります。実際、私が認知科学に興味を持ったのも、たまたま手に取った脳科学の本がきっかけでした。

人生の転機を逃さない「4つのS」メソッド

アメリカの心理学者ナンシー・シュロスバーグが提唱した「4つのS理論」は、転機を最大限活用するためのフレームワークです:

1. Situation(状況)の把握

  • 今がチャンスなのか、リスクなのか
  • タイミングは適切か
  • 周囲の環境はどうか

2. Self(自己)の理解

3. Support(支援)の構築

  • メンターはいるか
  • 相談できる仲間はいるか
  • 家族の理解は得られているか

4. Strategies(戦略)の立案

  • 複数のシナリオを準備しているか
  • 小さく始められるか
  • 撤退ラインは明確か

「ワンチャン」を確実に掴むために

若者言葉の「ワンチャン」は、もともと「one chance」から来ています。しかし現代では「可能性」「希望」という意味で幅広く使われるようになりました。

確かに人生は「ワンチャン」の連続です。18か月に1回訪れる転機を、どう活かすかはあなた次第。でも忘れないでください。セレンディピティは運ではなく、スキルなのです。

最後に、ブッシュの言葉を紹介します:

「セレンディピティとは、準備された心が偶然と出会うときに生まれる」

あなたの「準備された心」は、次の転機をチャンスに変える準備ができているでしょうか?

まずは今日、いつもと違う道で帰ってみることから始めてみませんか。その小さな一歩が、18か月後のあなたの人生を大きく変えるかもしれません。

まとめ:科学が証明した「幸運を増やす」3つのポイント

  1. 偶然は平等に訪れる - 18か月に1回の転機は誰にでも来る
  2. 認識と行動が運命を分ける - セレンディピティ・マインドセットを身につける
  3. 実践が全て - 月1回の新規開拓、週次日記、毎日の無目的読書

人生を変える「ワンチャン」は、実はそこら中に転がっています。あとは、それを拾い上げる準備ができているかどうか。その準備の方法を、この記事でお伝えしました。

次の18か月で、あなたの人生にどんな転機が訪れるか楽しみですね。

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高橋 啓介

大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。

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    京都大学大学院で認知科学を研究する博士課程学生。理系でありながら文学への造詣も深く、科学と文学の交差点で新たな知の可能性を探求。
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    佐々木 健太
    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。
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