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レビュー

概要

『ソロキャンプ入門(JTBのムック)』は、はじめてソロキャンプに挑戦したい人向けの、準備から実践、料理、事前リサーチまでを一冊にまとめたガイドです。特徴は、テント設営やレシピの一部が動画と連携していること。写真だけでは不安になりやすい工程を、動きで確認できる設計になっています。

コロナ禍以降のブームで「ソロキャン」という言葉は浸透しましたが、実際にやろうとすると、買う道具の量に圧倒されがちです。本書は、その最初の壁を“手順”にしてくれるタイプの入門書でした。

読みどころ

1) 巻頭特集で「達人のスタイル」を先に見せてくれる

巻頭の「達人ソロキャンスタイル」では、達人ソロキャンパーの愛用ギアや楽しみ方が紹介されます。最初に完成形のイメージが入るので、「自分はどの方向のソロキャンが好きそうか」を想像しやすい。道具を買う前に“目指す体験”を決めるのって、実は大事なんですよね。

2) 準備編:ギアの選び方が具体的

準備編では、テント、寝袋、タープ、バーナー、焚き火台、キッチングッズ、ランタン、ウエアなど、初心者がまず揃えるべきギアを順に紹介します。道具の名前が並ぶだけではなく、「まず買うべきもの」を絞ってくれるので、買い物の迷子になりにくいです。

ソロだと荷物を運ぶ人も片付ける人も自分なので、「必要最小限」と「安全・快適」をどう両立させるかが悩みどころです。本書は、いきなり軽量化や最適解に飛びつくより、まず週末の1泊を無理なく回す道具立てを提案してくれます。

3) 実践編:設営・火起こし・ランタンまで“こわくない”手順

実践編は「ひとりでもこわくない!」という言葉どおりで、キャンプ適地の探し方、ペグの種類、テントの立て方、タープの張り方、火の起こし方、ランタンの使い方まで、写真で追えるようになっています。ここは、動画連携が特に効くところ。初回は頭が真っ白になりやすいので、「この手順でやれば形になる」という見本があるだけで安心感が違います。

個人的に助かると思ったのは、ペグの種類や張り方の話が“言葉”だけでなく、写真と手順で積まれていることです。ソロキャンプは人に聞けない場面が出やすいので、現地で「ここから先がわからない」を減らしてくれる作りは、入門として強いです。

4) 料理編:ソロキャン飯を“手軽に美味しく”寄せる

料理編は、アウトドアコーディネーターのレシピを、スキレット、メスティン、ホットサンドメーカー、直火というカテゴリーに分けて紹介します。さらにコンビニ食材など、ハードルを下げる工夫も入っていて嬉しいポイントです。

凝った料理を目標にすると準備で疲れてしまうので、まずは「失敗しにくい勝ちパターン」を覚える、という位置づけが現実的でした。

5) 事前リサーチ編:マナーとキャンプ場リストで不安を減らす

初心者が気を付けるべき基本のマナーがまとまっていて、さらに首都圏・東海・関西発のキャンプ場リストも収録されています。「どこへ行けばいいのか」で止まってしまう人にとって、候補があるだけで一歩進めます。

また、「たびのび」という動画投稿サービスと連携している点も、本書ならではです。設営や料理のように“動き”が必要な工程は、紙で読んで理解したつもりでも、現地では手が止まりがち。動画で確認できる導線があることで、初心者の成功確率が上がると思います。

類書との比較

キャンプ本には、ギアのカタログに寄ったもの、レシピ集として楽しむもの、ファミリーキャンプ前提のものなど、方向性が分かれます。本書は「ソロで初めて行く」前提で、設営や火起こしの不安に真正面から応える構成です。さらに動画連携があるぶん、紙の手順書よりも“実地で使える”感じが強いと思います。

逆に、道具の最新モデル比較や、UL(軽量化)沼へ深く入りたい人には、入門として物足りない可能性はあります。ただ、最初の1回を成功させる目的なら、ちょうどいい情報量です。

こんな人におすすめ

  • ソロキャンプを始めたいが、準備と設営が不安な人
  • ギア選びで迷いやすく、「まず何を買うべきか」を知りたい人
  • 写真だけでは手順が掴みにくく、動画で確認しながら進めたい人

感想

ソロキャンプは自由で楽しい一方、最初の1回目は「段取り」の比重が大きい遊びです。本書は、その段取りを“怖くない手順”に変えてくれるのが良かったです。

マナーの項目も実用的で、夜間の音や光、火の扱いなど、初心者がつまずきやすい点を整理しています。キャンプ場リストも参照すれば、初回の場所選びと当日の行動がつながりやすくなります。

個人的に、料理編の「道具別」整理と、コンビニ食材で成立するレシピの提案が現実的で好きでした。初回から完璧を目指さず、まずは外で火を使って食べる体験を成功させる。そこから、ギアもスタイルも育っていく。そんな始め方を後押ししてくれる一冊です。

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    佐々木 健太

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