自己肯定感を高める漫画おすすめ10選!心理学的視点から厳選した傑作ガイド

自己肯定感を高める漫画おすすめ10選!心理学的視点から厳選した傑作ガイド

「自分に自信がない」「他人と比べてしまう」

こうした悩みを抱える人は少なくない。内閣府の調査によると、日本の若者の自己肯定感は諸外国と比べて低い傾向にあるというデータもある。

実は、漫画を読むことで自己肯定感を高められる可能性がある。心理学者Albert Banduraの自己効力感理論によれば、他者の成功体験を見ることで「自分にもできる」という感覚が生まれる。これを「代理体験」と呼ぶ。漫画の主人公が困難を乗り越える姿に感情移入することで、読者自身の自己効力感も高まるというわけだ。

今回は、編集長として年間200冊以上の本を読む私が、心理学的な観点から自己肯定感を高める漫画を10作品厳選した。マンガ大賞受賞作や累計発行部数1億部超の名作まで、5つのタイプに分類して紹介する。

スキップとローファー(1)

著者: 高松美咲

マンガ大賞2020第3位、「このキャラに救われた名作漫画ランキング」1位の自己受容型漫画

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自己肯定感漫画を選ぶ3つの基準

今回の10作品は、以下の3つの基準で選定した。

1. 主人公の成長過程が明確なこと

最初から完璧なヒーローではなく、失敗や挫折を経験しながら前に進む主人公を描いた作品を選んだ。研究によると、完璧な成功者よりも、困難を乗り越える過程を見せる方が、読者の自己効力感向上に効果的だとされている。

2. 読者が自己投影しやすい設定

主人公が等身大の悩みを抱えていること。「自分に自信がない」「周りと比べてしまう」といった、多くの人が共感できる悩みを持つキャラクターを重視した。

3. 客観的な評価を受けていること

マンガ大賞、このマンガがすごい!、手塚治虫文化賞といった権威ある賞の受賞歴や、累計発行部数など客観的なデータも考慮した。個人的な好みだけでなく、多くの読者に支持されている作品を選んでいる。

5つの自己肯定感タイプ別おすすめ漫画

自己肯定感の高め方には、いくつかのアプローチがある。今回は5つのタイプに分類して紹介する。

タイプ1:自己受容型(ありのままの自分を受け入れる)

最も基本的な自己肯定感は「ありのままの自分を受け入れる」ことから始まる。完璧を目指すのではなく、今の自分を肯定する。このタイプの漫画は、自分らしさを大切にすることの価値を教えてくれる。

1. スキップとローファー(高松美咲)

スキップとローファー(1)

著者: 高松美咲

石川県の過疎地から東京の進学校に入学した岩倉美津未の、等身大の成長物語

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マンガ大賞2020第3位、第47回講談社漫画賞総合部門受賞。「このキャラに救われた名作漫画ランキング」では1位に選ばれている。

主人公の岩倉美津未は、石川県の過疎地から東京の進学校に入学した女の子。天然で空気が読めないところもあるが、それを欠点として隠すのではなく、自分らしさとして貫いていく。

美津未の強さは、他人と比較しないところにある。周囲の目を気にせず、自分のペースで歩んでいく姿は、「他人と比べてしまう」という悩みを抱える人に響くだろう。完璧に見える志摩くんも、美津未の真っ直ぐさに救われていく。人は誰かの力になれるというメッセージが心に残る作品だ。

2. 路傍のフジイ(鍋倉夫)

路傍のフジイ(1)

著者: 鍋 倉夫

マンガ大賞2025第2位、自分らしさを貫く中年サラリーマンの日常

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マンガ大賞2025第2位、このマンガがすごい!2025オトコ編第5位と、今最も注目されている作品の一つ。

主人公のフジイは、どこにでもいそうな平凡な中年サラリーマン。出世欲もなく、特別な才能もない。しかし、自分のペースを大切にし、他人と比較することなく日々を過ごしている。

この漫画が教えてくれるのは、「普通」であることの尊さだ。SNS時代、私たちは常に他人の成功や華やかな生活を目にする。そんな中で、自分らしく生きることの価値を再確認させてくれる。派手な展開はないが、読後にじんわりと心が温まる作品だ。

3. 君と宇宙を歩くために(泥ノ田犬彦)

君と宇宙を歩くために(1)

マンガ大賞2024大賞、このマンガがすごい!2025オトコ編1位

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マンガ大賞2024大賞、このマンガがすごい!2025オトコ編1位という、漫画賞を総なめにした話題作。

発達障害を持つ青年たちの友情と成長を描いた作品だ。「普通」という枠に収まらない自分を、どう受け入れていくか。社会が求める「正解」に適応できない苦しさと、それでも自分らしく生きようとする姿が描かれている。

「普通じゃない」ことに悩む人は多い。この漫画は、違いを欠点として見るのではなく、個性として受け入れることの大切さを教えてくれる。お互いの違いを認め合う関係性は、真の自己肯定感につながる。

タイプ2:挑戦・成長型(新しいことに挑戦して成長する)

自己肯定感は、挑戦と成長を通じても高まる。心理学では「自己効力感」と呼ばれ、「やればできる」という感覚が自信につながる。このタイプの漫画は、挑戦する勇気を与えてくれる。

4. 宇宙兄弟(小山宙哉)

宇宙兄弟(1)

著者: 小山宙哉

累計3000万部突破、夢を追いかける勇気をくれる名作

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累計3000万部を突破した、国民的漫画。

主人公の南波六太は、弟・日々人と子どもの頃に「一緒に宇宙飛行士になろう」と約束する。しかし大人になった六太は、その夢を諦めて会社員に。31歳で無職になった彼が、再び宇宙飛行士を目指す物語だ。

「俺の敵はだいたい俺です」という名言が象徴するように、この漫画は自分との戦いを描いている。六太は天才でもカリスマでもない。失敗もするし、弱気になることもある。それでも地道に努力を重ね、一歩ずつ前に進んでいく姿に、読者は自分を重ねることができる。年齢を重ねても夢を追いかけていいのだと、背中を押してくれる作品だ。

5. ブルーピリオド(山口つばさ)

ブルーピリオド(1)

著者: 山口つばさ

マンガ大賞2020大賞、累計700万部突破の美術漫画

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マンガ大賞2020大賞、第44回講談社漫画賞一般部門受賞、累計700万部突破。

主人公の矢口八虎は、成績優秀でリア充グループに属する「完璧な高校生」。しかし、どこか空虚で満たされない日々を送っていた。一枚の絵との出会いをきっかけに、八虎は美術の世界に飛び込んでいく。

「好き」を見つけた瞬間の描写が鮮烈だ。自分が本当にやりたいことを見つけ、それを追いかける勇気。周囲の期待や常識から外れることへの不安。両方がリアルに描かれていて、「やりたいことをやっていいんだ」と背中を押される。新しい挑戦を躊躇している人に読んでほしい作品だ。

6. SLAM DUNK(井上雄彦)

SLAM DUNK(1)

著者: 井上雄彦

累計1億2000万部、2025年6月ついに電子書籍化された不朽の名作

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累計1億2000万部を突破し、2022年の映画『THE FIRST SLAM DUNK』は興行収入150億円超を記録。2025年6月には待望の電子書籍化が実現した、バスケットボール漫画の金字塔。

不良少年・桜木花道がバスケットボールを通じて成長する物語。「天才ですから」という自己暗示、失敗を恐れず挑戦し続ける姿勢、仲間と共に成長する喜び。これらすべてが自己肯定感の要素だ。

桜木は最初、バスケのルールすら知らない素人。しかし、持ち前の身体能力と誰にも負けない負けん気で、少しずつ上達していく。「下手だからできない」ではなく「下手だけどやる」という姿勢は、新しいことに挑戦する勇気を与えてくれる。

タイプ3:情熱追求型(好きなことを追いかける)

好きなことに没頭することも、自己肯定感を高める方法の一つ。心理学でいう「フロー状態」に入ることで、自己実現の感覚が得られる。

7. ちはやふる(末次由紀)

ちはやふる(1)

著者: 末次由紀

累計2800万部突破、競技かるたに青春を懸ける少女たちの熱い物語

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累計2800万部を突破し、アニメ・実写映画化もされた競技かるた漫画。全50巻で完結している。

主人公の綾瀬千早は、「競技かるたでクイーンになる」という夢に向かって全力で突き進む。彼女の「やりたい」という純粋な気持ちが、周りを巻き込んでいく。

千早がかるたに向ける情熱は、本当にまぶしい。好きなことに本気で取り組むことの素晴らしさを思い出させてくれる。仲間との絆、努力の先にある成長。一人じゃないから頑張れる、仲間がいるから強くなれるというメッセージが胸に響く作品だ。

8. 3月のライオン(羽海野チカ)

3月のライオン(1)

著者: 羽海野チカ

手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞、孤独な天才少年棋士の成長物語

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第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。アニメ化、実写映画化もされた将棋漫画。

主人公の桐山零は、17歳でプロ棋士になった天才少年。しかし、幼い頃にすべてを失い、孤独を抱えて生きている。将棋は強いのに、どこか空虚な彼の姿に、最初は胸が締め付けられる。

しかし、川本家の3姉妹との出会いが零を変えていく。温かいご飯を一緒に食べる。何気ない会話をする。そんな小さな積み重ねが、彼の凍った心を溶かしていく。「傷つきながらも前に進んでいい」「一人じゃなくていい」というメッセージに何度も救われる。

タイプ4:自己価値発見型(自分の価値に気づく)

自己肯定感が低い人の多くは、自分の価値に気づいていない。他者との関わりの中で、自分が愛される存在だと気づくプロセスを描いた作品もある。

9. わたしの幸せな結婚(原作:顎木あくみ、漫画:高坂りと)

わたしの幸せな結婚(1)

シリーズ累計1000万部突破、アニメ・実写映画化された話題作

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シリーズ累計1000万部を突破し、アニメ化(2023年)、実写映画化(2023年)もされた話題作。

虐げられてきた令嬢・美世が、冷酷と噂される久堂清霞との婚約を機に、少しずつ自分の価値を見出していく物語。美世は最初、自分には何の価値もないと思い込んでいる。しかし、清霞との関わりの中で、愛される価値があることに気づいていく。

「自分は愛される価値がない」と思っている人に、静かに寄り添う作品だ。美しい絵と丁寧な心理描写で、自己価値の発見というテーマを描いている。

タイプ5:思考転換型(考え方を変える)

認知行動療法の考え方に近いアプローチ。ネガティブな状況をポジティブに捉え直すことで、自己肯定感を高める。

10. メンタル強め美女白川さん(獅子)

メンタル強め美女白川さん(1)

累計100万部突破、ドラマ化もされたポジティブ思考の教科書

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累計100万部を突破し、2024年にはドラマ化もされた話題作。

主人公の白川さんは、ポジティブ思考の美女。周囲の嫉妬や悪意に対しても、独自の解釈でポジティブに変換していく。コメディタッチだが、その思考法には学ぶところが多い。

認知行動療法では、物事の捉え方を変えることで感情や行動が変わるとされている。白川さんの思考法は、まさにその実践例だ。深刻になりすぎず、軽やかに自己肯定感を高めるヒントが詰まっている。

自己肯定感を高める漫画の読み方

せっかく良い漫画を読むなら、より効果的に自己肯定感を高めたい。研究に基づいたいくつかのコツを紹介する。

1. 主人公に感情移入する

ただ読むだけでなく、主人公の気持ちになって読むことで、代理体験の効果が高まる。「自分だったらどうするか」を考えながら読むと、より深く入り込める。

2. 共感できるシーンをメモする

心に響いた言葉やシーンをメモしておく。落ち込んだ時に読み返すことで、その時の感動を思い出せる。スマートフォンのメモアプリや読書ノートを活用するといい。

3. 繰り返し読む

一度読んだ漫画でも、時間を置いて読み返すと新たな発見がある。特に自分の状況が変わった時に読み返すと、以前は気づかなかったメッセージに出会えることがある。

自分に合った一冊から始めよう

今回紹介した10作品は、それぞれ異なるアプローチで自己肯定感を高めてくれる。

  • ありのままの自分を受け入れたい→スキップとローファー、路傍のフジイ、君と宇宙を歩くために
  • 新しい挑戦の勇気が欲しい→宇宙兄弟、ブルーピリオド、SLAM DUNK
  • 好きなことに没頭したい→ちはやふる、3月のライオン
  • 自分の価値に気づきたい→わたしの幸せな結婚
  • 考え方を変えたい→メンタル強め美女白川さん

まずは自分の悩みに近いタイプから一冊選んで、読んでみてほしい。漫画という形式は、難しい心理学の本よりも気軽に読める。主人公の成長を見守るうちに、きっとあなた自身も「自分でも大丈夫かも」と思えるようになるはずだ。

スキップとローファー(1)

著者: 高松美咲

「このキャラに救われた名作漫画ランキング」1位、まずはここから始めたい一冊

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高橋 啓介

大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。

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    出版社勤務を経てフリーライターに。小説からビジネス書、漫画まで幅広く読む雑食系読書家。Z世代の視点から現代的な読書の楽しみ方を発信。
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    西村 陸

    京都大学大学院で認知科学を研究する博士課程学生。理系でありながら文学への造詣も深く、科学と文学の交差点で新たな知の可能性を探求。
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    佐々木 健太

    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

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