交渉術本おすすめ20選!ビジネスで勝つ心理テクニック【2026年版】
「年収交渉で100万円アップを勝ち取った」
これは私が出版社から独立する際、実際に経験したことです。当時37歳、編集長という立場にいながら、交渉には正直自信がありませんでした。しかし、交渉術の本を徹底的に読み込み、実践したことで、想定以上の条件を引き出すことができたのです。
リクルートの調査によれば、転職時に年収交渉を行った人は全体の約40%。しかし、実際に年収アップに成功した人の多くが「交渉術を学んでいた」と回答しています。
交渉は才能ではなく、学べるスキルです。今回は、年間200冊以上読む私が、ビジネスパーソンのための交渉術本を20冊厳選しました。
なぜ交渉術を学ぶべきなのか
交渉力がキャリアを左右する
交渉の場面は、ビジネスパーソンの日常に溢れています。
- 年収・待遇の交渉
- 取引先との価格交渉
- 社内での予算獲得
- チームメンバーとの調整
- 顧客との契約条件
これらすべての場面で、交渉力の有無が結果を大きく左右します。
私自身、編集者時代に著者との条件交渉や、印刷会社との価格交渉を数多く経験しました。最初は「相手の言いなりになるしかない」と思っていましたが、交渉術を学んでからは、Win-Winの落とし所を見つけられるようになりました。
交渉術の本を選ぶポイント
交渉術の本は大きく4つのカテゴリに分けられます。
- 心理学ベース: 人間の認知バイアスを理解する
- 戦略・フレームワーク: 交渉の構造を学ぶ
- コミュニケーション: 伝え方・聞き方を磨く
- 実践・事例: 具体的なシーンで学ぶ
自分の課題に合わせて選ぶことで、効率的にスキルアップできます。
交渉心理学の基礎【4冊】
1. 影響力の武器
ロバート・チャルディーニの『影響力の武器』は、交渉術を学ぶなら最初に読むべき一冊です。
『影響力の武器』が提唱する6つの原則は、人間が無意識に従ってしまう心理的トリガーです。
- 返報性: 何かをもらうとお返ししたくなる
- 一貫性: 一度言ったことを守ろうとする
- 社会的証明: 他の人がやっていることを正しいと思う
- 好意: 好きな人の頼みは断りにくい
- 権威: 専門家の意見に従いやすい
- 希少性: 手に入りにくいものを欲しがる
これらの原則を理解することで、相手がなぜ「イエス」と言うのか、逆になぜ「ノー」と言うのかがわかるようになります。
私が年収交渉で使ったのは「社会的証明」と「希少性」。同業界の相場データを示し(社会的証明)、自分のスキルセットの希少性をアピールすることで、相手の納得を得ることができました。
2. 人を動かす
デール・カーネギーの『人を動かす』は、1936年の出版以来、世界で1500万部以上売れている古典的名著です。
『人を動かす』の核心は「相手の立場で考える」という原則。交渉において、これほど重要な視点はありません。
カーネギーの三原則は以下の通りです。
- 批判しない: 相手を責めても何も生まれない
- 重要感を与える: 誰もが認められたいと思っている
- 相手の立場で考える: 自分の都合ではなく相手の利益を考える
私が編集者時代、著者との条件交渉で最も役立ったのが「相手の立場で考える」という原則でした。著者が本当に求めているものは何か—お金なのか、名誉なのか、それとも自己実現なのか。それを理解することで、双方が満足できる落とし所が見えてきます。
3. 伝え方が9割
佐々木圭一氏の『伝え方が9割』は、135万部突破のベストセラーです。
『伝え方が9割』で紹介される「イエス」に変える3つのステップは、即実践できる実用的なテクニックです。
- 自分の頭の中をそのまま言葉にしない
- 相手の頭の中を想像する
- 相手のメリットと一致するお願いをつくる
例えば「残業してください」ではなく「このプロジェクトを成功させたら、来月の評価に反映できますよ」と伝える。同じお願いでも、相手の受け取り方はまったく違います。
交渉の場面でも、自分の要求をそのまま伝えるのではなく、相手にとってのメリットとして再構成することが重要です。
4. ファスト&スロー
ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』は、人間の意思決定の仕組みを科学的に解明した名著です。
人間には2つの思考システムがあるとカーネマンは説きます。
- システム1: 速い、直感的、自動的
- システム2: 遅い、論理的、意識的
交渉においては、相手のシステム1に訴えかけるのか、システム2を働かせるのかを意識することが重要です。例えば、感情的な決断を促したいならシステム1に、論理的な説得をしたいならシステム2に働きかける—この使い分けができるようになると、交渉の成功率は格段に上がります。
交渉戦略・フレームワーク【4冊】
5. ハーバード流交渉術
ハーバード大学交渉学研究所が開発した、Win-Win交渉の教科書。
¥1,980(記事作成時の価格です)
amazon.co.jp
フィッシャーとユーリーによる『ハーバード流交渉術』は、世界中のビジネススクールで教科書として使われている交渉術の決定版です。
『ハーバード流交渉術』の核心は「原則立脚型交渉」。ポジション(立場)ではなく、インタレスト(利害)に焦点を当てる方法です。
4つの基本原則は以下の通りです。
- 人と問題を分離する: 感情的にならない
- 立場ではなく利害に焦点を当てる: なぜそう主張するのか?
- 複数の選択肢を生み出す: 二者択一にしない
- 客観的基準を主張する: 市場価格、前例など
私が年収交渉で成功したのも、この「利害に焦点を当てる」原則のおかげでした。「年収を上げてほしい」(立場)ではなく、「市場価値に見合った待遇を受けたい」(利害)として交渉することで、建設的な議論ができました。
6. NEVER SPLIT THE DIFFERENCE
元FBI人質交渉人が教える、極限状態での交渉テクニック。
¥1,980(記事作成時の価格です)
amazon.co.jp
クリス・ヴォスの『逆転交渉術』は、元FBI人質交渉人の経験から生まれた実践的な交渉術です。
『逆転交渉術』の最大の特徴は「まずノーを引き出せ」という逆説的なアプローチ。相手が「ノー」と言える質問をすることで、相手に主導権があると感じさせ、逆にこちらの要求を通しやすくするのです。
例えば「この条件で進めてもいいですか?」ではなく「この条件に問題はありますか?」と聞く。相手は「ノー、問題ない」と答えることで、自分で条件を承認したことになります。
FBI仕込みの交渉術は、ビジネスの場面でも驚くほど効果的です。
7. エッセンシャル思考
グレッグ・マキューンの『エッセンシャル思考』は、一見すると交渉術の本には見えません。しかし、交渉において「何を優先するか」を明確にすることは極めて重要です。
『エッセンシャル思考』が教えるのは「より少なく、しかしより良く」という原則。交渉においても、すべての条件を同じ重みで主張するのではなく、絶対に譲れない点と譲歩できる点を明確にすることが成功の鍵です。
私が年収交渉で使った戦略もまさにこれでした。「年収」「勤務形態」「福利厚生」の3点を優先順位で並べ、最も重要な「年収」は譲らず、他の点では柔軟に対応する。この明確な優先順位があったから、交渉を有利に進められました。
8. ゼロ秒思考
赤羽雄二氏の『ゼロ秒思考』は、交渉の場面で瞬時に判断できる思考力を養うための一冊です。
交渉の場では、相手の発言に対して即座に反応することが求められます。「ちょっと考えさせてください」と言える場面もありますが、多くの場合、その場での判断が勝敗を分けます。
『ゼロ秒思考』で紹介される「A4メモ書き」のトレーニングを続けることで、思考の瞬発力が鍛えられます。1テーマ1分でA4用紙に書き出す。これを毎日10枚続けることで、複雑な状況でも素早く論点を整理できるようになります。
コミュニケーション・話し方【4冊】
9. 1分で話せ
伊藤羊一氏の『1分で話せ』は、プレゼンテーションと交渉の両方に役立つ一冊です。
『1分で話せ』の核心は「聞き手を巻き込む」こと。交渉においても、一方的に主張するのではなく、相手を話の中に引き込むことが重要です。
そのためのフレームワークが「ピラミッドストラクチャー」。結論→根拠3つ→具体例という構造で話すことで、相手が理解しやすく、納得しやすい伝え方ができます。
10. 頭のいい人が話す前に考えていること
安達裕哉氏の『頭のいい人が話す前に考えていること』は、交渉前の準備に役立つ一冊です。
交渉で成功する人は、話し始める前に「何を」「どう」伝えるかを考えています。『頭のいい人が話す前に考えていること』は、そのプロセスを体系化した本です。
特に印象的だったのは「相手が聞きたいことを話す」という原則。自分が言いたいことではなく、相手が知りたいことに焦点を当てる。この視点の転換だけで、コミュニケーションの質は劇的に変わります。
11. 雑談の一流二流三流
桐生稀氏の『雑談の一流、二流、三流』は、交渉の「前段階」で差をつけるための一冊です。
交渉は、本題に入る前から始まっています。アイスブレイクの雑談で信頼関係を築けるかどうかが、その後の交渉に大きく影響します。
『雑談の一流、二流、三流』では、三流の雑談(天気の話で終わる)、二流の雑談(相手に質問できる)、一流の雑談(相手が話したくなる)の違いを明確にしています。交渉の前に、まず相手との関係性を構築する—この順序を守ることが重要です。
12. 話し方入門
デール・カーネギーの『話し方入門』は、『人を動かす』と並ぶ古典的名著です。
『話し方入門』で強調されるのは「準備」の重要性。交渉の場で自信を持って話すためには、徹底的な準備が不可欠です。
カーネギーは「話す内容の100倍を知っておけ」と言います。相手からどんな質問が来ても答えられる準備があれば、交渉の場でも動じることがなくなります。
ビジネス・営業特化【4冊】
13. 営業の魔法
中村信仁氏の『営業の魔法』は、営業初心者から経験者まで、幅広い層に支持されている一冊です。
『営業の魔法』の特徴は、ストーリー形式で営業の本質を学べること。新人営業マンの成長物語を通じて、営業(そして交渉)の本質的な考え方が身につきます。
「売らなくていい、相手の問題を解決すればいい」—この考え方は、あらゆる交渉に通じます。
14. 無敗営業
高橋浩一氏の『無敗営業』は、感覚に頼らない論理的な営業・交渉メソッドを解説しています。
『無敗営業』で紹介される「3つの質問」は、相手のニーズを正確に把握するための強力なツールです。
- 現状の質問: 今どうなっているか?
- 理想の質問: どうなりたいか?
- 課題の質問: 何が障壁になっているか?
この3つの質問で相手の状況を把握すれば、最適な提案ができます。交渉も同様に、まず相手を理解することから始まります。
15. SPIN営業術
ニール・ラッカムの『SPIN営業術』は、35,000件以上の商談を分析して生まれた科学的な営業メソッドです。
SPINとは、4種類の質問の頭文字です。
- Situation: 状況質問
- Problem: 問題質問
- Implication: 示唆質問
- Need-payoff: 解決質問
この順序で質問を重ねることで、相手は自ら課題を認識し、解決策を求めるようになります。「売り込まない」のに「売れる」—この逆説が、高額商談や複雑な交渉で威力を発揮します。
16. セールスドッグ
ブレア・シンガーの『セールスドッグ』は、営業スタイルを5種類の犬に例えたユニークな本です。
『セールスドッグ』のメッセージは「自分に合ったスタイルを見つける」こと。ピットブル型(押しの強い)、ゴールデンレトリバー型(関係構築重視)、プードル型(知識で勝負)など、それぞれの特性を活かした営業・交渉スタイルがあります。
すべての人が同じ交渉スタイルで成功するわけではありません。自分の強みを理解し、それを活かした交渉術を身につけることが重要です。
思考法・意思決定【4冊】
17. イシューからはじめよ
安宅和人氏の『イシューからはじめよ』は、交渉の前に「何が本当の問題か」を特定するための一冊です。
交渉が行き詰まる原因の多くは、「本当の問題」が明確になっていないことにあります。表面的な条件(価格、納期など)ではなく、根本的なイシュー(なぜこの取引が必要なのか)を把握することで、創造的な解決策が見えてきます。
『イシューからはじめよ』の「良いイシュー」の条件—本質的、深い仮説がある、答えが出る—を意識することで、交渉の質が格段に向上します。
18. HIGH OUTPUT MANAGEMENT
アンドリュー・グローブの『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』は、組織内の交渉(調整)に役立つ一冊です。
社内での予算獲得、人員配置、プロジェクト推進—これらはすべて「交渉」です。『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』で紹介される「1on1」や「意思決定のフレームワーク」は、社内交渉を円滑に進めるための強力なツールです。
特に「レバレッジ」の概念—小さな努力で大きな成果を出す—は、交渉においても重要な視点です。
19. コンサル一年目が学ぶこと
大石哲之氏の『コンサル一年目が学ぶこと』は、交渉の土台となるビジネススキルを学ぶのに最適です。
「結論から話す」「数字で語る」「相手の期待値を把握する」—これらのスキルは、コンサルティングだけでなく、あらゆる交渉の場面で役立ちます。
特に「期待値のコントロール」は重要です。交渉においても、相手の期待値を正確に把握し、それを上回る提案をすることで、Win-Winの関係を築けます。
20. AI分析でわかったトップ5%社員の習慣
越川慎司氏の『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』は、データに基づく行動指針を提供してくれます。
『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』によれば、トップ5%の社員は「準備」に多くの時間をかけています。会議や交渉の前に、想定される質問と回答を準備する。この習慣が、交渉の成功率を大きく高めます。
交渉術を実践するための3つのステップ
ステップ1: 準備を徹底する
交渉の成否は、準備で80%決まると言われています。
- 相手のニーズを事前にリサーチ
- 譲れない点と譲歩できる点を明確に
- 想定される反論とその対応を準備
- BATNAを設定する(交渉が決裂した場合の代替案)
ステップ2: 傾聴から始める
交渉では「話す」より「聴く」ことが重要です。
- 相手が何を求めているかを理解する
- 表面的な主張ではなく、本質的な利害を探る
- 共感を示し、信頼関係を構築する
ステップ3: Win-Winを追求する
最も良い交渉は、双方が満足できる結果を生み出します。
- ポジションではなく利害に焦点を当てる
- 創造的な選択肢を生み出す
- 客観的な基準で合意形成を図る
まとめ:交渉力は人生を変える
冒頭でお話しした年収交渉の成功は、決して特別な才能があったからではありません。交渉術の本を読み、原則を理解し、準備を徹底した結果です。
交渉は日常に溢れています。年収交渉、取引先との価格交渉、社内での調整—これらすべての場面で、交渉力の有無が結果を大きく左右します。
「知識は実践してこそ価値がある」—これが私のモットーです。今回紹介した20冊から、まずは1冊を選んで読み、実際の交渉で試してみてください。
最初の一冊としては『影響力の武器』をお勧めします。人間心理の原則を理解することで、あらゆる交渉の土台が築けます。
リーダーシップと合わせて学びたい方は、こちらの記事も参考になります。
![影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4414304229.09._SCLZZZZZZZ_SX150_.jpg)


















