起業漫画おすすめ!大学生のキャリア教育に最適なアントレプレナーシップが学べる5選

起業漫画おすすめ!大学生のキャリア教育に最適なアントレプレナーシップが学べる5選

「起業に興味はあるけど、何から始めればいいかわからない」

大学生からこうした相談を受けることが増えました。興味深いことに、THE SEEDの調査によると、大学生の42%が起業に興味を持っているというデータがあります。しかし、実際に行動に移せる学生はごくわずかです。

認知科学の研究では、この「興味はあるが行動できない」状態を打破するのに、漫画が効果的であることが示唆されています。起業漫画を読むことで、「自分にもできるかもしれない」という自己効力感が高まるのです。

なぜ起業漫画がアントレプレナーシップ教育に効果的なのか

起業漫画がキャリア教育に役立つ理由は、心理学者アルバート・バンデューラが提唱した「自己効力感理論」で説明できます。

代理的自己効力感の獲得

バンデューラの研究によると、自己効力感を高める方法は4つあります。そのうちの一つが「代理的経験」、つまり他者の成功を観察することです。

起業漫画の主人公が困難を乗り越えて成功していく姿を追体験することで、読者は「自分にも同じことができるかもしれない」という感覚を得られます。これが代理的自己効力感です。

大学生向けビジネス漫画でも解説した通り、漫画には「状況モデル」を構築しやすいという特性があります。起業という抽象的な概念が、具体的な場面として頭の中に描かれるのです。

日本のアントレプレナーシップ教育の現状

文部科学省の調査によると、大学生のアントレプレナーシップ教育受講率はわずか約1%に過ぎません。約70%の大学が必要性を認識しているにもかかわらず、リソース不足で十分に進んでいないのが現状です。

この教育ギャップを埋める手段として、起業漫画は非常に有効です。ビジネス書のような抽象的な知識ではなく、物語を通じて起業の「感覚」を掴むことができるからです。

トリリオンゲーム(1)

著者: 稲垣理一郎池上遼一

稲垣理一郎×池上遼一が描く、ゼロから1兆ドルを目指す二人の大学生の物語

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起業漫画おすすめ5選:大学生のキャリア教育に最適な作品

アントレプレナーシップ教育の観点から、大学生に特におすすめの起業漫画を5作品厳選しました。

選定基準:起業家マインドを育てる3つの要素

起業漫画を選ぶ際、以下の3つの観点を重視しました。

要素1:ゼロイチの突破力が描かれている

何もない状態から事業を立ち上げる過程が具体的に描かれている作品を選びました。資金調達、チームビルディング、顧客獲得など、起業の実務が学べることが重要です。

要素2:失敗と成功の両方が描かれている

起業のリアルを知るためには、失敗のエピソードも欠かせません。リスクを理解した上で挑戦することが、持続可能な起業につながります。

要素3:主人公の成長プロセスが追える

感情移入しやすい主人公が成長していく物語は、代理的自己効力感を高めます。「自分も成長できる」という感覚が、起業への第一歩を後押しします。

1. トリリオンゲーム:ビジョンを語る力を学ぶ

稲垣理一郎原作、池上遼一作画の『トリリオンゲーム』は、二人の大学生がゼロから1兆ドル(トリリオン)を目指す物語です。

世界一のわがまま男・天王寺陽と、小心者だが天才的プログラマーの平学。この対照的な二人がタッグを組み、大企業や百戦錬磨の投資家を巻き込んでいきます。

「ゼロイチの突破力」と「ビジョンを語る力」を学ぶには最適の教科書です。リソースも信用もゼロの状態から、いかにして人を巻き込み、事業をドライブさせるか。大学生が起業を考える際に直面する課題が、リアルに描かれています。

トリリオンゲーム(1)

著者: 稲垣理一郎池上遼一

稲垣理一郎×池上遼一が描く、ゼロから1兆ドルを目指す二人の大学生の物語

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2. 王様達のヴァイキング:IT起業とエンジェル投資を学ぶ

さだやす作、深見真ストーリー協力の『王様達のヴァイキング』は、IT起業の世界を描いたサスペンス漫画です。

高校中退で職も人脈もない18歳の天才ハッカー是枝一希と、IT業界を牛耳る若きエンジェル投資家・坂井大輔。この二人が「サイバー空間」という現代の戦場で戦いを挑みます。

興味深いのは、エンジェル投資家の視点が丁寧に描かれている点です。投資家が何を見て投資判断をするのか、起業家にとって投資家とはどういう存在なのか。資金調達を考える大学生には必読の作品です。全19巻で完結しており、一気読みも可能です。

王様達のヴァイキング(1)

天才ハッカーとエンジェル投資家が組むIT起業サスペンス。全19巻完結

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3. スタンドUPスタート:人の可能性を見出す力を学ぶ

福田秀による『スタンドUPスタート』は、「人間投資家」を名乗る三星大陽が、埋もれた人材の可能性を見出して起業を促す物語です。

会社の「負債」と嗤われていた林田という男の可能性を見出し、「スタートアップしよう!」と誘う三星。起業後進国・日本を起業先進国へ変えるというビジョンのもと、様々な人々の起業を支援していきます。

この漫画の特徴は、「誰もが起業できる」というメッセージです。特別な才能がなくても、自分の強みを活かせば起業できる。TVドラマ化もされた人気作で、全13巻完結。起業に対するハードルを下げてくれる作品です。

スタンドUPスタート 1

「人間投資家」が人の可能性を見出す。TVドラマ化の人気作。全13巻完結

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4. 左ききのエレン:クリエイティブ起業を学ぶ

かっぴー原作、nifuni作画の『左ききのエレン』は、広告業界を舞台にしたクリエイター群像劇です。

「天才になれなかった全ての人へ」というキャッチコピーが示す通り、この作品は凡人の視点から天才を描きます。主人公の朝倉光一は、天才ではないデザイナー。彼が天才・山岸エレンと出会い、広告業界で奮闘していきます。

リーダーシップ漫画と組織行動論で解説したように、漫画には多様なロールモデルを提示する効果があります。『左ききのエレン』は、クリエイティブ分野での独立・起業を考える学生に、リアルな業界像を見せてくれます。

左ききのエレン 1

著者: かっぴーnifuni

天才になれなかった全ての人へ捧げる、広告業界クリエイター群像劇

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5. インベスターZ:投資と起業の基礎を学ぶ

三田紀房による『インベスターZ』は、投資部に所属する中学生・財前孝史が投資を学んでいく物語です。

一見すると「投資漫画」ですが、後半では起業がテーマになります。ホリエモンこと堀江貴文氏や、ZOZO創業者の前澤友作氏も実名で登場し、起業家の生の声が語られます。

投資と起業は表裏一体です。投資家の視点を理解することで、起業家として何を準備すべきかが見えてきます。全21巻と長めですが、金融リテラシーと起業家マインドを同時に学べる貴重な作品です。

インベスターZ(1)

著者: 三田紀房

三田紀房が描く投資×起業漫画。ホリエモンや前澤氏も登場。全21巻完結

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起業漫画の効果的な読み方:起業家マインドを育てる3つのポイント

起業漫画を「娯楽」ではなく「学び」として読むために、3つの読み方を提案します。

読み方1:主人公の意思決定プロセスに注目する

起業家に必要な能力の一つが「機会認識」、つまりビジネスチャンスを見つける力です。漫画の主人公がどのような場面で機会を見出し、どう判断したかに注目してみてください。

「自分ならどうするか」と考えながら読むことで、起業家的な思考パターンが身についていきます。

読み方2:失敗シーンを重点的に分析する

心理学漫画の認知科学的分析でも触れましたが、失敗から学ぶことは成功から学ぶ以上に重要です。起業漫画の失敗シーンには、避けるべきリスクのパターンが詰まっています。

なぜ失敗したのか、どうすれば防げたのかを考えることで、リスク管理能力が養われます。

読み方3:登場人物の関係性を図式化する

起業はチームで行うものです。主人公と周囲の人物がどのような関係性を築いているか、図に描いてみると新たな発見があります。

創業メンバーの選び方、投資家との付き合い方、顧客との関係構築。これらは起業の成否を分ける重要な要素です。

まとめ:漫画から始めるアントレプレナーシップ

起業漫画がキャリア教育に効果的な理由を、認知科学の視点から解説しました。

自己効力感の向上により、「自分にもできる」という感覚が得られる。機会認識のパターン学習により、ビジネスチャンスを見つける目が養われる。リスク認知の適正化により、過度な恐怖を持たずに挑戦できるようになる。

中小機構の調査によると、大学の起業部員の62%が「今後起業したい」と回答しています。起業への興味を行動に変えるきっかけは、意外と身近なところにあるのかもしれません。

起業という大きな決断をする前に、まずは漫画で「起業の感覚」を掴んでみてはいかがでしょうか。

起業やキャリアについてより深く学びたい方には、起業学の名著『起業の科学』もおすすめです。スタートアップの各ステージで何をすべきかが体系的にまとめられています。

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この記事のライター

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西村 陸

京都大学大学院で認知科学を研究する博士課程学生。理系でありながら文学への造詣も深く、科学と文学の交差点で新たな知の可能性を探求。

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    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

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