レビュー
「天才になれなかった全ての人へ」。広告業界を舞台にした、才能と凡人の物語。
主人公は二人。広告代理店で働く朝倉光一と、天才的な才能を持つ画家・山岸エレン。「天才になれなかった」光一と、「天才であるがゆえの孤独」を抱えるエレン。二人の人生が交差しながら物語は進む。
広告業界のリアルな描写が秀逸だ。プレゼンの緊張感、クライアントとの軋轢、クリエイターの葛藤。華やかに見える業界の裏側が生々しく描かれている。
しかし本作の真のテーマは「凡人の生き方」だ。天才にはなれない。でも、だからといって諦めるのか。自分の持ち場で全力を尽くすことの意味を問いかける。
「仕事とは何か」「才能とは何か」を考えさせられる作品。社会人になってから読むと、また違った響き方をする。