笑いと免疫力の健康科学!ユーモア効果エビデンスで読むギャグ漫画5選

笑いと免疫力の健康科学!ユーモア効果エビデンスで読むギャグ漫画5選

「笑いは健康にいい」は科学的に正しいか

博士課程で認知科学を研究している僕は、学会発表の前夜に緊張で眠れなかったとき、『日常』を読んで笑ったら眠れたという経験がある。

「笑いは健康にいい」という言葉はよく聞くが、科学的にはどの程度証明されているのだろうか。

興味深いことに、2023年にPLOS ONEで発表されたメタ分析では、8つの研究・315名を対象に、笑いとストレスホルモン(コルチゾール)の関係を調査した結果、自発的な笑いがコルチゾールを31.9%低下させることが示された(DOI: 10.1371/journal.pone.0286260)。

今回は、笑いと免疫力の科学エビデンスに基づいて、心身の健康に効くギャグ漫画5作品を選定した。

笑いと健康の心理学的基盤

笑いがコルチゾールを下げる

コルチゾールは「ストレスホルモン」と呼ばれ、慢性的に高いと免疫機能の低下につながる。

2023年のメタ分析によると、笑いを誘発する介入(コメディ動画、笑いヨガなど)は、通常の活動と比較してコルチゾールを31.9%低下(95%信頼区間:-47.7%〜-16.3%)させることが示された。

特に注目すべきは、1回の笑いセッションで約36.7%のコルチゾール低下が見られたという点だ。

笑いとNK細胞活性

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、ウイルス感染細胞やがん細胞を攻撃する免疫細胞だ。

2009年にEvidence-Based Complementary and Alternative Medicineで発表されたレビューでは、笑いがNK細胞活性を一時的に増加させることが示された(DOI: 10.1093/ecam/nem149)。

この研究で興味深いのは、「笑う」という行為自体が重要であり、ユーモアを理解して微笑むだけでは免疫機能の向上は見られなかったという点だ。実際に声を出して笑うことが、生理的効果をもたらす。

笑いと免疫グロブリン

同じレビューでは、ユーモア刺激への曝露後に以下の免疫グロブリンの増加が確認された:

  • IgG(免疫グロブリンG): P < 0.02
  • IgA(免疫グロブリンA): P < 0.01
  • IgM(免疫グロブリンM): P < 0.09

これらの効果は、笑った後12時間以上持続するケースもあった。

漫画で笑う意義

研究が示すように、健康効果を得るには実際に声を出して笑うことが重要だ。

ギャグ漫画は、一人でも声を出して笑える数少ないメディアの一つだ。電車の中では難しいかもしれないが、自宅でギャグ漫画を読みながら大笑いすることは、科学的に裏付けられた健康法なのだ。

心身の健康に効くギャグ漫画5選

1. 『日常』あらゐけいいち ー 不条理ギャグの最高峰

日常 1巻

著者: あらゐけいいち

女子高生と博士とロボットの不条理な日常。予測不能なギャグが笑いを誘う

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『日常』は、女子高生のゆっこたちと、8歳の博士とロボットのなのが繰り広げる不条理なギャグ漫画だ。

笑いの健康効果の観点から注目すべきは、この漫画の**「予測不能性」**だ。

普通の日常が描かれていると思ったら、突然シュールな展開になる。鹿と格闘する、巨大なこけしが登場する、校長がヤギと相撲を取る。この「予想を裏切られる」感覚が、思わず声を出して笑ってしまう瞬間を生む。

研究が示すように、実際に笑い声を上げることが免疫機能の向上につながる。『日常』は、一人で読んでいても思わず「なんだこれ」と声が出てしまう、そんな漫画だ。

僕自身、学会発表前の緊張した夜に『日常』を読んで笑ったら、リラックスして眠れた経験がある。

健康科学的ポイント: 予測不能なギャグによる自発的な笑い。

2. 『銀魂』空知英秋 ー パロディとシリアスの融合

銀魂 モノクロ版 1巻

著者: 空知英秋

宇宙人に支配された江戸を舞台にしたSFギャグ漫画。パロディとシリアスが融合

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『銀魂』は、宇宙人に支配された江戸時代を舞台に、万事屋を営む銀時たちの活躍を描くギャグ漫画だ。

この漫画が健康に効く理由は、**「笑いの多様性」**にある。

下ネタ、パロディ、ツッコミ、シュールギャグ。様々なタイプの笑いが詰め込まれており、どこかで必ず「刺さる」ポイントがある。また、シリアスな展開との緩急も、笑いのインパクトを強めている。

笑いの研究では、ユーモアのスタイルは人によって異なることが指摘されている。『銀魂』の幅広いギャグスタイルは、多くの読者に「自分に合った笑い」を提供してくれる。

長期連載ならではの膨大な巻数は、継続的な笑いの供給源としても優秀だ。

健康科学的ポイント: 多様なギャグスタイルによる継続的な笑い。

3. 『聖☆おにいさん』中村光 ー 知的ユーモアの傑作

聖☆おにいさん 1巻

著者: 中村光

ブッダとイエスが東京でルームシェア。宗教ネタを優しく笑いに変える名作

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『聖☆おにいさん』は、休暇で東京の立川にやってきたブッダとイエスが、庶民的なアパートでルームシェアする日常を描いた漫画だ。

この漫画が特徴的なのは、**「知的なユーモア」**だ。

仏教やキリスト教の教えや歴史をベースにしたギャグが多く、「あ、これあの話か」と気づいたときに笑いが生まれる。攻撃的な笑いではなく、優しい笑いなのも特徴だ。

研究では、笑いの社会的文脈が効果に影響することが示されている。『聖☆おにいさん』の穏やかな笑いは、ストレスを感じている人にも受け入れやすい。

また、宗教という深いテーマを扱いながらも、どの宗教も尊重する姿勢は、読んでいて心が温かくなる。笑いと同時に「癒し」も得られる作品だ。

健康科学的ポイント: 穏やかで知的なユーモアによるストレス軽減。

4. 『ワンパンマン』ONE・村田雄介 ー ギャップが生む笑い

ワンパンマン 1巻

著者: ONE村田雄介

どんな敵も一撃で倒す最強ヒーローのギャグアクション。強さと日常のギャップが笑える

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『ワンパンマン』は、どんな強敵も一撃(ワンパン)で倒してしまう最強のヒーロー・サイタマの物語だ。

この漫画が笑えるのは、「最強」と「日常」のギャップだ。

世界を滅ぼそうとする怪人が現れても、サイタマは「今日の特売に間に合わない」と焦っている。壮大なバトルシーンの後に、「あ、蚊が逃げた」とボヤく。この落差が、思わず笑ってしまうポイントだ。

笑いの心理学では、**「期待と現実のズレ」**が笑いを生むメカニズムとして知られている。『ワンパンマン』はこのズレを最大限に活用している。

また、村田雄介の超絶画力で描かれるバトルシーンと、サイタマの気の抜けた顔の対比も、視覚的なギャップとして機能している。

健康科学的ポイント: 期待と現実のギャップによる笑い。

5. 『モブサイコ100』ONE ー 脱力系ギャグと成長

モブサイコ100 1巻

著者: ONE

超能力を持つ冴えない中学生の成長物語。脱力系ギャグと感動が同居

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『モブサイコ100』は、強力な超能力を持ちながらも「普通になりたい」と願う中学生・モブの物語だ。

この漫画が健康に効くのは、**「脱力系ギャグ」**の効果だ。

モブは最強クラスの超能力者だが、本人は「超能力なんて何の役にも立たない」と思っている。彼が憧れるのは、筋肉をつけてモテること。このズレた価値観が、脱力系の笑いを生む。

研究では、笑いの後に「リラックス感」を感じることが重要とされている。『モブサイコ100』の穏やかな笑いは、読後に心地よいリラックス感を残してくれる。

また、ギャグだけでなく成長物語としても優れており、「笑えて、泣ける」バランスの良い作品だ。

健康科学的ポイント: 脱力系ギャグによるリラックス効果。

ユーモアタイプ別・漫画の読み方

ユーモアのタイプ該当漫画特徴
不条理・シュール日常予測不能な展開
パロディ・ツッコミ銀魂多様なギャグスタイル
知的・穏やか聖☆おにいさん宗教ネタの優しい笑い
ギャップワンパンマン最強と日常の落差
脱力系モブサイコ100穏やかなリラックス効果

漫画で笑いの健康効果を最大化する3つの方法

1. 一人で読む時間を確保する

研究が示すように、実際に声を出して笑うことが重要だ。人前では笑いを抑えてしまうことがあるので、一人でリラックスできる環境で読もう。

2. 「合わない」と思っても少し続けてみる

ユーモアの好みは人それぞれだ。最初の数話で「合わない」と感じても、キャラクターや世界観に慣れると笑えるようになることがある。少なくとも1巻は読んでみよう。

3. 寝る前の習慣にする

2023年のメタ分析では、笑いによるコルチゾール低下は即効性があることが示されている。寝る前にギャグ漫画を読むことで、リラックスした状態で眠りにつける可能性がある。

まとめ:笑いは科学的に裏付けられた健康法

「笑いは百薬の長」という言葉は、科学的にも裏付けられつつある。

2023年のメタ分析が示すように、笑いはコルチゾールを約32%低下させ、NK細胞活性や免疫グロブリンを増加させる効果がある。重要なのは、実際に声を出して笑うことだ。

今回紹介した5作品は、それぞれ異なるタイプのユーモアを提供してくれる。シュールな笑いが好きな人は『日常』から、穏やかな笑いが好きな人は『聖☆おにいさん』から読み始めてみてほしい。

漫画を読んで大笑いした後、きっと心も体も少し軽くなっているはずだ。

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西村 陸

京都大学大学院で認知科学を研究する博士課程学生。理系でありながら文学への造詣も深く、科学と文学の交差点で新たな知の可能性を探求。

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    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

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