『不登校から人生を拓く』要約【4000組の親子に寄り添った相談員の教え】
「子どもが学校に行けない」
この言葉を聞いて、あなたはどう感じるでしょうか。
現在、日本の不登校児童生徒は34万人を超えています。これは10年前の約2倍。もはや「特別な問題」ではなく、どの家庭にも起こりうることなのです。
6歳と3歳の子を持つ父親として、私もいつか直面するかもしれない問題——そう思いながら手に取ったのが『不登校から人生を拓く』でした。
40年以上、4000組の親子に寄り添った相談員の実践をまとめたルポルタージュ。
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この本の概要
著者と主人公について
著者の島沢優子氏は、教育分野を専門とするジャーナリスト。20年以上にわたり、本書の主人公である池添素(いけぞえ もと)さんを取材してきました。
池添素さんは、京都市職員として児童福祉センター療育課などで勤務した後、子ども支援の福祉施設を仲間とともに立ち上げた人物。40年以上にわたり、4000組以上の親子に寄り添ってきた相談のプロフェッショナルです。
本書のテーマ
本書は、発達障害や不登校で悩む親子の事例を通じて、**「子どもを信じ抜く力」**の大切さを伝えています。
ハウツー本ではなく、ルポルタージュとして池添さんの実践と言葉をまとめた一冊。だからこそ、理想論ではなく、現場の生々しい実感が伝わってきます。
本書の3つのポイント
1. 「受け入れる」はゆっくりあきらめる旅
本書の第1章のタイトルは「『受け入れる』はゆっくりあきらめる旅」。この言葉に、私は深く共感しました。
子どもが不登校になったとき、親は「なぜ?」「どうすれば?」と焦ります。でも、池添さんは言います。
「子どもが学校に行けないのは、エネルギーが無くなっているから。満タンになるまで待ってあげれば、自ら動きはじめる」
「受け入れる」とは、すべてを諦めることではない。子どもの今の状態を認め、信じて待つことなのです。
2. 「待つ」ことの難しさと大切さ
「待つ」——言葉にすると簡単ですが、実践は難しい。
私自身、6歳の娘が何かを嫌がるとき、つい「どうして?」「頑張ろうよ」と言ってしまいます。でも、本書を読んで気づきました。それは子どもの気持ちを否定していることになりかねない、と。
池添さんの相談を受けた親たちは、最初は「待てない」と苦しみます。でも、子どもを信じて待ち続けた結果、子どもたちは自分のペースで歩み始める。
**親が変われば、子どもも変わる。**本書にはそうした事例が数多く紹介されています。
3. 不登校は「問題」ではなく「サイン」
池添さんは、不登校を「問題行動」とは捉えません。
不登校は、子どもが「今の環境が自分に合わない」と発しているサイン。それを受け止め、子どもに合った環境を一緒に探すことが、親の役割だと説いています。
欧米には「不登校」という概念がほとんどありません。それは、学び方を子ども自身や保護者が自由に選べるから。「学校に行くこと」が唯一の正解ではないという視点は、日本の親にとって大きな気づきになるはずです。
2児の父として感じたこと
「学校に行かせなきゃ」という焦り
正直に言えば、私も「学校に行くのが当たり前」という価値観で育ちました。
もし娘や息子が「学校に行きたくない」と言ったら、最初は「なぜ?」「頑張ろう」と言ってしまうでしょう。
でも、本書を読んで考えが変わりました。大切なのは「学校に行くこと」ではなく、「子どもが幸せに育つこと」。その手段は、学校だけとは限らない。
親の「信じる力」が試される
本書で最も印象に残ったのは、**「親が子どもを信じ抜けるかどうか」**という問いです。
子どもが学校に行かなくなると、親は不安になります。「このままで大丈夫なのか」「将来はどうなるのか」——そうした不安から、つい子どもを急かしてしまう。
でも、池添さんは言います。**「子どもは、信じてもらえていると感じたとき、自分から動き出す」**と。
備えとしての読書
今、私の子どもたちは元気に幼稚園に通っています。でも、10年後、20年後はわかりません。
この本を読んだことは、万が一の備えになると思っています。もし子どもが「行きたくない」と言ったとき、焦らずに受け止められる。そのための心の準備ができました。
こんな人におすすめ
- 不登校の子どもを持つ親
- 子どもが「学校に行きたくない」と言い出した親
- 将来の子育てに備えたい人
- 教育に携わる教師やカウンセラー
- 「学校に行くのが当たり前」という価値観に疑問を感じている人
まとめ:信じて待つことの力
『不登校から人生を拓く』は、不登校30万人時代に希望を灯す一冊です。
「子どもを信じ抜く力」——それは、口で言うほど簡単ではありません。でも、池添さんの40年以上の実践は、その力が子どもの人生を変えることを教えてくれます。
不登校は終わりではなく、新しい人生の始まり。本書を読めば、そう信じられるようになるはずです。
すべての親に、そして子どもを支えるすべての大人に読んでほしい一冊です。
子どもを信じて待つことの大切さを、4000組の親子の実例から学べる。
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