『僕は白と黒の間で生きている。』レビュー|近本光司の葛藤と継続の思考術
開幕が近づく時期になると、成績表や順位予想以上に、選手本人の言葉を読みたくなります。
どんなフォームで打つか、どんな守備をするかももちろん気になる。でもシーズンを通して見たとき、最後に差になるのは、迷ったときに何を考える人なのかだったりするんですよね。
『僕は白と黒の間で生きている。』は、阪神タイガースの近本光司選手が、その思考の流れをかなり具体的に言葉にした本です。Amazon商品ページで公開されている紹介文と目次を見るだけでも、この本がただの成功談ではなく、「結果を出し続ける人は何を保留し、どう検証しているのか」を考える本だと伝わってきます。
『僕は白と黒の間で生きている。』レビュー|まず惹かれるのは「決めつけんの、はやない?」という姿勢
この本の中心にあるのは、「白か黒かを急いで決めすぎない」という考え方です。
Amazonの商品紹介では、情報過多の時代ほど、一つひとつの情報が “正解” の顔をして迫ってくると近本選手は語っています。その中で必要なのは、誰かが白と言ったものを、そのまま白として受け取ることではなく、自分にとって本当にそうなのかを考え直すことだ、と。
この視点がいいのは、野球の話にとどまらないからです。
- うまくいかなかったらすぐ方法を変える
- 成功例を見て自分にもそのまま当てはめる
- まわりの評価を正解だと思い込む
こういう揺れって、仕事でも勉強でも日常でも起きます。本書はそのたびに、自分の中で一度保留し、すり合わせる態度を勧める本として読めます。
『僕は白と黒の間で生きている。』の要点|近本流思考術は再現性でできている
公開されている内容紹介の中で特に重要なのが、近本選手が自分の思考を インプット(想定)→アプローチ(摺り合わせ)→アウトプット(循環) と整理している点です。
これが示しているのは、活躍を偶然や気合いにしない姿勢です。
まず状況を想定する。次に、自分の感覚や現実とすり合わせる。そこで出た結果をそのまま終わらせず、また次へ循環させる。すごく地味ですが、結果を出し続ける人の頭の使い方って、だいたいこういう地味な循環なんですよね。
紹介文には、毎年少なくとも139本以上のヒット、7年で6度の盗塁王、ゴールデングラブ賞5回、ベストナイン5回という数字も出ています。派手な一発ではなく、継続の実績が前提にあるからこそ、この思考法には説得力があります。
『僕は白と黒の間で生きている。』の目次が面白い|試合に見立てた章構成で思考の流れが見える
この本は章立てもかなり印象的です。
- 1回「揺らぎ」
- 2回「保留」
- 3回「役割」
- 4回「言語化」
- 7回「絶不調」
- 8回「決断」
- 9回「検証」
- ロッカー「粛々」
- 帰路前「回復」
- 試合前夜「アニメ」
- 出勤前コラム「アート思考」
この並びを見ると、本書が単に前向きな話だけを並べていないことがわかります。
いい時の話より、揺らぎや絶不調や回復にちゃんとページを割いている。ここが大事です。結果を出し続ける人の本でいちばん知りたいのは、うまくいった話そのものではなく、崩れたときにどう戻すかだからです。
しかも、門外不出のバッティングメモやマインドマップの一部も公開されるとのこと。考え方だけでなく、考えた跡まで見える本になっているのはかなり強いです。
『僕は白と黒の間で生きている。』が阪神ファン以外にも刺さる理由
この本は、阪神の近本本というだけでは終わらないと思います。
理由は、テーマが「どう勝つか」より「どう考え続けるか」だからです。
スポーツ選手の本には、才能の眩しさや勝負勘の鋭さを前に出すものも多いです。でも本書の公開情報から見えるのは、もっと静かな強さです。すぐに決めつけないこと。役割を理解すること。言語化して検証すること。回復まで含めて仕事と考えること。
この考え方は、働き方の本として読んでもかなり役に立つはずです。白黒を急いで結論づけるより、保留しながら精度を上げる。そのほうが長く勝てるという感覚は、情報が多すぎる今の時代にかなり合っています。
『僕は白と黒の間で生きている。』が向いている人
- 近本光司のプレーや考え方を深く知りたい人
- スポーツ選手の思考を仕事や勉強へ応用したい人
- 結果だけでなく、戻し方や回復の技術を知りたい人
- 白黒を急いで決めて後悔しやすい人
『僕は白と黒の間で生きている。』まとめ
『僕は白と黒の間で生きている。』は、勝者の派手な自己肯定ではなく、揺らぎながら考え続けるための本として読むとかなり面白そうです。
近本光司という選手の凄さは、数字だけでなく、毎年その数字に戻ってこられることにあります。本書は、その “戻ってくるための考え方” を言葉にした一冊として、阪神ファンはもちろん、継続の仕組みを知りたい人にも手に取りやすい本だと思います。
