Web3本おすすめ5選!分散型インターネットの本質を理解する入門書ガイド
「Web3って、結局何が新しいの?」
この問いに対して、明確に答えられる人はそう多くないのではないでしょうか。
Web3の概念からDAOの実践まで網羅的に解説
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興味深いことに、Web3という言葉は2014年頃から存在していました。イーサリアムの共同創設者ギャビン・ウッドが提唱した概念です。しかし、一般に広く知られるようになったのは2021年以降のこと。なぜ今になって注目されているのでしょうか。
私は京都大学で認知科学を研究していますが、Web3に興味を持ったきっかけは「信頼」の問題でした。人間の認知は、信頼できる情報源を求める傾向があります。Web2.0時代、私たちはGoogleやFacebookといった巨大プラットフォームを「信頼」してきました。しかし、その信頼は本当に適切だったのでしょうか。
今回は、Web3の本質を理解するために私が読んで有益だと感じた5冊を紹介します。
Web3の基本概念を整理する
本の紹介に入る前に、Web3について簡単に整理しておきます。
インターネットの進化
Web1.0(1990年代〜2000年代初頭)は「閲覧の時代」でした。静的なウェブページを見るだけの一方向的なコミュニケーション。
Web2.0(2000年代中盤〜現在)は「参加の時代」。SNSやブログで誰もが情報を発信できるようになりました。しかし、データはプラットフォーム企業に集中しています。
そしてWeb3は「所有の時代」と呼ばれています。ブロックチェーン技術により、データの主権をユーザー自身が持つという思想です。
Web3を構成する主要技術
- ブロックチェーン: 分散型台帳技術。改ざんが極めて困難
- スマートコントラクト: 自動実行される契約プログラム
- DAO(分散型自律組織): 中央管理者のいない組織形態
- DeFi(分散型金融): 銀行を介さない金融サービス
- NFT: 非代替性トークン、デジタル資産の所有権証明
これらの技術が組み合わさることで、従来とは異なる「信頼のしくみ」が生まれています。
Web3本おすすめ5選
ここからは、私が実際に読んで理解が深まった本を紹介します。
1. Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」
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最初に紹介するのは、亀井聡彦氏、鳥谷部昭寛氏、増田雅史氏による『Web3とDAO』です。
この本が優れているのは、Web3の概念を「経済システムの変革」として捉えている点です。
単なる技術解説ではなく、なぜWeb3が必要とされているのか、どのような社会変革をもたらす可能性があるのかを丁寧に説明しています。
特に印象的だったのは、DAOの解説部分です。「誰もが主役になれる」というタイトルの通り、従来の株式会社とは異なる組織形態の可能性が具体的に示されています。
こんな人におすすめ
- Web3の全体像を把握したい
- DAOについて詳しく知りたい
- 経済学的な視点で理解したい
2. 決定版Web3
城田真琴氏による『決定版Web3』は、野村総合研究所のITアナリストとしての知見が凝縮された一冊です。
この本の特徴は、技術とビジネスの両面からバランスよく解説している点。
データによると、Web3関連のスタートアップへの投資額は2021年に過去最高を記録しました。しかし2022年以降は調整期に入っています。この本ではそうした市場動向も踏まえた冷静な分析がなされています。
私が特に興味深いと感じたのは、Web3の「課題」についても正直に書かれている点です。スケーラビリティの問題、環境負荷、規制の不確実性など、楽観論だけではない視点が提供されています。
こんな人におすすめ
- ビジネス視点でWeb3を理解したい
- 客観的なデータに基づく分析を求める
- 投資判断の参考にしたい
3. メタバースとWeb3
國光宏尚氏の『メタバースとWeb3』は、VR/Web3領域の第一人者による実践的な一冊です。
この本が独自なのは、メタバースとWeb3を統合的に捉えている点です。
國光氏は元gumiの創業者であり、現在はThirdverseとフィナンシェのCEOを務めています。つまり、実際にWeb3ビジネスを推進している当事者の視点で書かれているのです。
仮説ですが、メタバースとWeb3は今後さらに融合していく可能性が高いと考えています。仮想空間での経済活動にはデジタル資産の所有権証明が必要であり、そこでWeb3技術が活きてくるからです。
こんな人におすすめ
- メタバースとWeb3の関係を理解したい
- 起業家視点の情報が欲しい
- VR業界の動向に興味がある
4. エンジニアのためのWeb3開発入門
愛敬真生氏、齋藤健一郎氏、田原弘貴氏、吉川徹氏による『エンジニアのためのWeb3開発入門』は、技術者向けの実践的な一冊です。
この本は概念的な理解から一歩進んで、実際に手を動かしたい人向けです。
スマートコントラクトの開発、DApps(分散型アプリケーション)の構築、ウォレットの実装など、具体的なコードレベルでの解説がなされています。
私自身はプログラマーではありませんが、技術の仕組みを理解するためにこの本を読みました。原著論文を読むように、技術の原理を理解することで、Web3の本質がより深く見えてきます。
こんな人におすすめ
- プログラミングの経験がある
- 実際にWeb3開発を始めたい
- 技術の仕組みを深く理解したい
5. 図解ポケット Web3がよくわかる本
田中秀弥氏の『図解ポケット Web3がよくわかる本』は、最も入門者向けの一冊です。
「とりあえずWeb3の概要を知りたい」という人には、まずこの本から始めることをおすすめします。
図解が多用されており、視覚的に理解しやすい構成になっています。認知科学の観点からも、文字情報と図像情報を組み合わせることで記憶の定着率が高まることが知られています。
ポケットサイズなので、通勤時間などで手軽に読めるのも魅力です。
こんな人におすすめ
- Web3について初めて学ぶ
- 難しい本は苦手
- 短時間で概要を把握したい
読む順番の提案
5冊紹介しましたが、どの順番で読むべきか迷う方もいるでしょう。私の提案は以下の通りです。
初心者向けルート
- 『図解ポケット Web3がよくわかる本』 → 全体像を視覚的に把握
- 『Web3とDAO』 → 概念と経済的意義を理解
- 『決定版Web3』 → ビジネス視点で理解を深める
技術志向の方向けルート
- 『決定版Web3』 → 体系的な知識の基盤を作る
- 『メタバースとWeb3』 → 応用領域を理解
- 『エンジニアのためのWeb3開発入門』 → 実際に手を動かす
どちらのルートでも、最終的には複数の視点から理解を深めることが重要です。
Web3を体験してみる
本を読んだら、実際に体験してみることをおすすめします。
初心者でもできること
- ウォレットの作成: MetaMaskなどを使って、自分のウォレットを持つ
- NFTの閲覧: OpenSeaなどのマーケットプレイスを覗いてみる
- DAOの観察: SNSでDAO関連のコミュニティを探してみる
注意すべき点
Web3には投機的な側面もあります。以下の点に注意してください。
- 詐欺に注意: 「確実に儲かる」という話は疑う
- 少額から始める: 勉強代と割り切れる範囲で
- 秘密鍵の管理: ウォレットの秘密鍵は絶対に他人に教えない
私自身、まずは本で理論を学び、少額の実験から始めることを推奨しています。
まとめ:Web3は「信頼のアーキテクチャ」を変える
Web3は単なる技術トレンドではありません。「信頼」の在り方を根本から問い直す思想的な運動でもあります。
私たちは長らく、銀行、政府、大企業といった「中央集権的な機関」を信頼することで社会を運営してきました。Web3は、その信頼を「プロトコル」と「暗号技術」に置き換えようという試みです。
もちろん、すべてが分散化される未来が来るとは限りません。中央集権と分散型のハイブリッドな形態が現実的かもしれません。
しかし、この変化の本質を理解しておくことは、今後の社会を生きる上で重要な知的基盤になるはずです。
まずは『図解ポケット Web3がよくわかる本』から始めて、Web3の世界に足を踏み入れてみてください。




