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レビュー

概要

『決定版Web3』は、Web3を「分かりやすく、詳しく、客観的に」整理することを目指した入門書です。 Web3は、賛否が激しいです。 うさんくさいと言われます。 一方で、民主的なネットの可能性として語られることもあります。

本書は、その温度差のまま用語だけが増えていく状況を、いったん落ち着かせてくれます。 ブロックチェーンです。 暗号資産です。 NFTです。 さらに、DeFiやGameFi、トークノミクス、DAO、DEXなどの周辺概念も並びます。 全体像がないと、どこから手をつけていいか分かりません。 本書は、その地図を作るタイプの本です。

読みどころ

1) 第1章で「Web3とは何か」を最初に定義する

Web3は、定義がぶれます。 人によって、語りたいものが違うからです。

本書はまず、第1章でWeb3そのものを扱います。 ここを先に読んでおくと、その後の用語が整理しやすいです。 Web2の延長として見るのか。 価値のやり取りとして見るのか。 組織の形として見るのか。 視点が定まります。

2) DAOを「新しい組織のカタチ」として扱う

第2章はDAOです。 Web3の話は、投機の話に寄りやすいです。 でもDAOは、組織の話です。

DAOを理解すると、Web3が「技術だけ」の話ではないと分かります。 意思決定です。 参加です。 ルールです。 ガバナンスです。 この層が見えると、盛り上がりだけに振り回されにくくなります。

3) DeFiとGameFiで、ユースケースの違いを押さえる

第3章はDeFiです。 第4章はGameFiです。 同じWeb3でも、目的が違います。 経済活動の再設計なのか。 ゲーム体験の拡張なのか。

ユースケースから入ると、Web3の議論が現実になります。 どんな価値を提供するのか。 誰が使うのか。 どこで収益が生まれるのか。 こういう問いが立つからです。

4) トークノミクスを独立章で扱う

第6章はトークノミクスです。 ここを飛ばすと、Web3の設計思想がつかめません。

トークンは、単なるポイントではありません。 インセンティブの設計です。 参加の設計です。 熱量の設計です。 設計が甘いと、短期の盛り上がりで終わります。 トークノミクスを軸に読むと、Web3の現実的な難しさも見えてきます。

5) テクノロジーと未来の問いまでつなげる

第7章はテクノロジーです。 第8章は、真の分散型社会が実現するかという問いです。

技術を押さえた上で、最後に問いへ戻る流れが良いです。 Web3は信仰になりやすいです。 反対も信仰になりやすいです。 問いに戻ると、判断が落ち着きます。

第5章が「リアル世界へ広がるWeb3」を扱う意味

Web3は、ネットの中だけの話に見えます。 でも実際は、リアルと結びついた瞬間に難易度が上がります。 規制です。 税制です。 本人確認です。 既存の商習慣です。

第5章でリアル世界へ広がるWeb3が扱われるのは、そこを避けないためだと思います。 技術が面白くても、現実の制約に負ける例は多いです。 逆に、制約を織り込めると、ユースケースが強くなります。

用語が増えたときの「整理の軸」

Web3で混乱するのは、用語が階層になっているからです。 本書の章立てに沿うと、次のように整理できます。

  • Web3は全体の考え方
  • DAOは組織の話
  • DeFiとGameFiはユースケースの話
  • トークノミクスは設計の話
  • テクノロジーは実現手段の話

この軸があると、新しい単語が出ても置き場所ができます。 置き場所ができると、情報に飲まれにくいです。

Web3の周辺概念を「何の話か」で切り分ける

本書の紹介文には、DEXやDeSci、SBTといった言葉も並びます。 この手の単語は、知らないと不安になります。 ただ、全部を同じ熱量で覚える必要はありません。

切り分けのコツは「何の話か」です。 取引の仕組みの話なのか。 科学研究の仕組みの話なのか。 信用や証明の話なのか。 分類できると、必要なときに調べ直せます。 それで十分です。

読み方のコツ

最初に第1章を読んで、用語の辞書を作るつもりで進めると良いです。 その後は、興味があるユースケースへ寄せます。 DeFiです。 GameFiです。 リアル世界へ広がる話もあります。

最後にトークノミクスとテクノロジーへ戻ります。 この順番だと、用語が暗記になりにくいです。 仕組みとして残ります。

類書との比較

  • 暗号資産の本は、価格や売買の話に寄りがちです。本書は、Web3を「技術と組織とユースケース」で整理します。
  • NFTの入門書は、作品やマーケット中心になりがちです。本書は、DAOやトークノミクスのような構造側を押さえられます。
  • ブロックチェーン技術書は、実装に寄りがちです。本書は、社会実装の文脈で全体像を作れます。
  • Web3礼賛の本は、課題が抜けがちです。本書は、最後に「実現するか」という問いへ戻ります。

こんな人におすすめ

  • Web3の用語が増えすぎて、全体像から整理したい人
  • DAOやトークノミクスまで含めて、構造を理解したい人
  • 流行に飲まれず、客観的に判断できる材料がほしい人

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    佐々木 健太

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