TOEIC本おすすめ6選!認知科学で解明する900点突破の最速スコアアップ法

TOEIC本おすすめ6選!認知科学で解明する900点突破の最速スコアアップ法

TOEIC L&Rテストで700〜800点台まで到達したものの、そこから伸び悩んでいる。900点の壁を超えたいけれど、どの参考書を使えば効率的にスコアアップできるのか分からない。そんな悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。

興味深いことに、TOEIC900点を達成するには各セクションで約90問以上の正解が必要とされており、これは約95%の正答率を意味します。この高いハードルを超えるためには、単なる「勉強量」だけでなく、「学習の質」を科学的に最適化することが不可欠です。

私は認知科学を専門に研究していますが、言語学習における記憶のメカニズムや効率的な学習法については、近年の研究で多くの知見が蓄積されています。今回は、その知見を活かしながら、TOEIC900点突破に効果的な参考書6冊を厳選してご紹介します。

TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ

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TOEIC900点突破に認知科学が重要な理由

なぜ従来の勉強法では伸び悩むのか

多くの学習者が陥りがちな罠があります。それは「大量の問題を解く」という勉強法への過度な依存です。確かに問題演習は重要ですが、認知科学の研究によると、単純な反復よりも「どのように学ぶか」が長期的な記憶定着に大きな影響を与えることが分かっています。

Psychological Science誌に掲載されたRoedigerとKarpickeの研究では、同じ内容を繰り返し読む学習法よりも、テスト形式で思い出す練習(検索練習)を行った方が、1週間後の記憶保持率が約50%高いことが示されています。これは「検索練習効果」と呼ばれる現象で、TOEIC学習においても非常に重要な知見です。

900点突破者に共通する学習パターン

データによると、TOEIC900点を達成した学習者には、いくつかの共通点があります。

まず、分散学習を実践していること。一度に長時間勉強するのではなく、毎日一定時間を継続的に学習に充てています。Psychological Bulletin誌のCepedaらのメタ分析では、学習セッションの間隔を空けることで記憶の定着率が大幅に向上することが確認されています。

次に、能動的な学習姿勢です。単にテキストを読むだけでなく、実際に問題を解き、間違えた箇所を深く分析し、なぜ間違えたのかを理解しようとしています。この「精緻化」と呼ばれるプロセスが、深い理解と長期記憶の形成に寄与します。

英語学習と脳の関係については、脳科学で解明する英語脳の作り方で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にしてください。

TOEIC参考書おすすめ6選と認知科学的な活用法

1. 語彙力の基盤を築く:金のフレーズ

TOEIC900点を目指すなら、まず語彙力の強化が欠かせません。「金フレ」の愛称で親しまれる『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』は、TEX加藤先生がTOEICの過去問を徹底分析し、出題頻度の高い1,000語を厳選した単語帳です。

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認知科学的な活用ポイント

単語学習において最も効果的なのは、二重符号化理論に基づくアプローチです。心理学者アラン・パイヴィオが提唱したこの理論によると、言語情報と視覚情報を組み合わせることで記憶の定着率が向上します。『金のフレーズ』では、単語と例文がセットで掲載されているため、例文を読みながら具体的な使用場面をイメージすることで、単語の意味をより深く記憶に刻み込むことができます。

さらに効果的なのは、1日に100語を一気に覚えようとするのではなく、20語×5日に分散させること。分散学習効果を活用することで、同じ学習時間でも記憶の定着率を大幅に高めることができます。

2. 本番形式に慣れる:公式問題集12

『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 12』は、TOEICを開発しているETSが制作した公式問題集です。本番と同じ形式・難易度の問題を2回分収録しており、900点を目指すなら必携の一冊といえます。

公式TOEIC Listening & Reading 問題集 12

ETS制作の公式問題集。本番と同形式の問題を2回分収録。2024年7月発売の最新版。

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認知科学的な活用ポイント

公式問題集の最大の価値は、「検索練習効果」を最大限に活用できる点にあります。単に問題を解いて答え合わせをするだけでなく、以下のステップで学習することをお勧めします。

  1. 時間を計って本番同様に解く(検索練習)
  2. 間違えた問題の原因を分析する(精緻化)
  3. 1週間後に同じ問題を再度解く(間隔反復)

特に3番目のステップは見落とされがちですが、間隔を空けて同じ問題に取り組むことで、「わかったつもり」の箇所を発見し、真の理解へと導くことができます。

3. 文法力を徹底強化:でる1000問

Part 5の文法問題は、900点達成者と800点台で停滞している学習者の間で最も差がつきやすいパートです。『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』は、TEX加藤先生が1,049問もの文法問題を収録した、まさに「量と質」を兼ね備えた問題集です。

TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問

TEX加藤著。Part5対策の決定版。1,049問収録でAmazon文法書籍ランキング1位。

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認知科学的な活用ポイント

文法学習において重要なのは、手続き記憶への転換です。文法規則を「知っている」状態から「無意識に使える」状態へと昇華させる必要があります。

仮説ですが、この転換には大量の反復練習が効果的です。『でる1000問』を何周も解くことで、文法パターンが「宣言的記憶」(意識的に思い出す記憶)から「手続き記憶」(自動的に処理される記憶)へと変化し、本番でも瞬時に正解を選べるようになります。

ただし、単純な反復ではなく、間違えた問題に印をつけ、重点的に復習する「選択的反復」を心がけてください。既に習得した内容を繰り返すよりも、弱点に集中する方が学習効率は格段に上がります。

4. 900点突破の決め手:900点特急 パート5&6

現状スコアが800点以上あり、900点の壁を超えたい方には『TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6』がおすすめです。ハイスコア保持者でもミスしやすい難問や、ひっかけ問題に特化した問題集です。

TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6

加藤優著。800点以上の学習者向け。難問・ひっかけ問題に特化した上級者向け問題集。

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認知科学的な活用ポイント

900点台を目指す段階では、「エラー分析」が極めて重要になります。単に問題を解くだけでなく、なぜその選択肢を選んでしまったのかを徹底的に分析してください。

興味深いことに、ミスのパターンを自覚することで、同種のミスを事前に予防できるようになります。これは「メタ認知」と呼ばれる能力で、自分の思考プロセスを客観的にモニタリングする力です。『900点特急』の難問を通じて、自分の弱点パターンを把握し、メタ認知能力を鍛えることができます。

5. 総合力を高める:3週間で攻略 TOEIC900点

『3週間で攻略 TOEIC L&Rテスト900点!』は、同じ模試を3回繰り返すという独自のカリキュラムを採用した問題集です。一見非効率に思えるかもしれませんが、認知科学的には非常に理にかなったアプローチです。

3週間で攻略 TOEIC(R) L&Rテスト900点!

大里秀介著。同一模試を3回反復する独自メソッド。効果的な復習方法も解説。

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認知科学的な活用ポイント

同じ問題を繰り返し解くことの効果は、間隔反復学習の原理で説明できます。1回目で「わからない」と感じた問題が、2回目では「なんとなくわかる」に、3回目では「完全に理解した」へと変化していく過程で、知識が深く定着します。

さらに、『3週間で攻略』では各回の間に解説を読み込み、復習することが推奨されています。この「学習→テスト→フィードバック→再学習」のサイクルは、認知科学で最も効果的とされる学習パターンと一致しています。

6. テクニックを習得:直前の技術

『TOEIC L&Rテスト 直前の技術』は、タイトルに「直前の」とありますが、実は最初に読むべき参考書として高く評価されています。スコアが上がりやすいパート順に学ぶ11日間の即効プログラムで、TOEIC入門書として9年連続売上No.1を記録しています。

TOEIC(R) L&Rテスト 直前の技術

ロバート・ヒルキ他著。スコアが上がりやすいパート順に学ぶ11日間即効プログラム。

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認知科学的な活用ポイント

この本の優れている点は、TOEIC特有の「テクニック」を体系的に学べることです。テクニックとは、問題文を全部読まなくても正解を導ける方法や、時間配分の最適化などを指します。

認知科学的に見ると、これらのテクニックは認知負荷の軽減に寄与します。本番では限られた時間内で大量の問題を処理する必要があり、一つ一つの問題に対する認知負荷を減らすことで、より多くの問題に集中力を維持したまま取り組むことができます。

現状スコア別の学習ロードマップ

現状600点台の方(目標:3〜6ヶ月で900点)

600点台から900点を目指す場合、約800時間の学習が必要とされています。まずは基礎固めに集中しましょう。

第1段階(1〜2ヶ月): 『金のフレーズ』と『直前の技術』

  • 毎日30分の単語学習
  • テクニック本で全体像を把握

第2段階(2〜3ヶ月): 『でる1000問』と『公式問題集』

  • 文法の徹底強化
  • 本番形式への慣れ

第3段階(4〜6ヶ月): 『3週間で攻略』と『900点特急』

  • 総合力の向上
  • 難問への対応力強化

現状700点台の方(目標:2〜4ヶ月で900点)

700点台の方は基礎力は十分です。約600時間の学習で900点到達が見込めます。

第1段階(1ヶ月): 『金のフレーズ』上級レベル+『でる1000問』

  • 既知の単語はスキップし、未知の単語に集中
  • 文法の弱点を徹底的に潰す

第2段階(1〜2ヶ月): 『公式問題集』を中心に

  • 時間を計って本番同様に解く
  • 正答率90%以上を目指す

第3段階(1ヶ月): 『900点特急』+『3週間で攻略』

  • 難問対策で最後の仕上げ

現状800点台の方(目標:1〜2ヶ月で900点)

800点台まで到達していれば、あと一歩です。約300時間の学習で900点に手が届きます。

集中対策(1〜2ヶ月): 『900点特急』+『公式問題集』最新版

  • 弱点パートに特化した学習
  • 本番での時間配分を完璧に
  • ミスパターンの徹底分析

TOEIC学習を習慣化するためのコツ

900点達成には、短期間の猛勉強よりも、長期間にわたる継続的な学習が効果的です。認知科学の知見に基づいた習慣化のコツをいくつかご紹介します。

1. 学習のトリガーを設定する

「朝起きたらまず『金のフレーズ』を開く」「通勤電車に乗ったらリスニング教材を聴く」など、特定の行動と学習を紐づけることで、学習を習慣化しやすくなります。これは「習慣の連鎖」と呼ばれるテクニックです。

2. 小さな成功体験を積み重ねる

いきなり2時間の学習を目標にするのではなく、最初は10分から始めましょう。小さな成功体験を積み重ねることで、学習に対するポジティブな感情が生まれ、徐々に学習時間を延ばしていくことができます。

3. 進捗を可視化する

学習した日にカレンダーに印をつける、スコアの推移をグラフ化するなど、進捗を目に見える形にすることで、モチベーションの維持につながります。

まとめ:認知科学で効率的にTOEIC900点を達成する

TOEIC900点突破は、決して不可能な目標ではありません。重要なのは、ただ闇雲に勉強するのではなく、認知科学の知見を活かした効率的な学習法を実践することです。

今回ご紹介した6冊の参考書は、いずれも多くの学習者の成功を支えてきた実績あるものばかりです。自分の現状スコアと目標期間に合わせて、適切な順序で取り組んでください。

最後に、一つだけ強調しておきたいことがあります。TOEICのスコアは、あくまでも英語力を測る一つの指標に過ぎません。スコアアップを目指す過程で身につけた英語力は、キャリアにおいても、人生においても、きっと大きな財産になるはずです。

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西村 陸

京都大学大学院で認知科学を研究する博士課程学生。理系でありながら文学への造詣も深く、科学と文学の交差点で新たな知の可能性を探求。

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