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レビュー

概要

『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』は、TOEICのPart 5対策で定番になっている問題集です。著者はTEX加藤さん。文法事項を一通り学んだあと、「知識はあるのに点数へつながらない」という段階の人を、演習量で一段引き上げてくれる本として非常に強いです。

この本の価値は、文法書と模試の中間にあることです。ルール解説だけでは本番で迷いが残り、模試だけでは弱点が散らばったままになります。本書は、TOEICのPart 5で頻出の論点を大量に回すことで、「知っている」文法を「瞬時に処理できる」文法へ変える役割を果たします。

読みどころ

  • まず強いのは、頻出論点の整理です。品詞、動詞の形、前置詞、接続詞、代名詞、関係詞など、Part 5で落としやすい論点がまとまっていて、自分がどこで失点しているかを把握しやすいです。弱点の棚卸しに向いています。
  • 1049問という問題量はやはり武器です。TOEICの文法問題は、ルールを理解しただけでは足りず、選択肢を見た瞬間に「これは品詞」「これは語法」と判断する速度が必要です。本書はその処理を反復で手続き記憶に落とし込む教材として優秀です。
  • 解説の粒度も絶妙です。長すぎず短すぎず、なぜその選択肢が正解なのか、なぜ他の選択肢ではだめなのかが、TOEIC受験者向けの言葉で説明されています。学校英文法の復習というより、TOEICで点を取るための解説になっています。
  • 本書は、ただ1周して終わる本ではありません。間違えた問題に印をつけて、何周も回すほど価値が出ます。とくに品詞問題や前置詞問題のように「毎回なんとなく間違える」領域を重点復習すると、スコアへ跳ね返りやすいです。
  • また、900点を狙う人だけの本ではありません。700〜800点台で伸び悩んでいる人にもかなり効きます。基礎文法が一通り入っていれば、本書の大量演習によってPart 5の迷いが減り、結果としてリーディング全体の時間配分も改善しやすくなります。
  • 逆に言えば、本書は「理解しながらゆっくり進みたい」本というより、「理解したことを体に覚え込ませる」本です。だから、初学者が最初の英文法書として使うより、ある程度の基礎を入れたあとに投入したほうが力を発揮します。使いどころが明確な分、ハマると強い教材です。

類書との比較

TOEIC本には、公式問題集、単語帳、短時間集中型の特急シリーズ、総合対策本があります。その中で本書は、「Part 5を集中的に仕上げる」役割がはっきりしています。全パートを広く触る本ではなく、文法処理を自動化するための土台として使うのが正解です。

短く感覚をつかむ本と比べると地味です。ただ、量で定着させたい人にはこちらのほうが向いています。もし伸び悩みの原因が知識不足ではなく処理速度や精度にあるなら、本書の効き目はかなり大きいです。

こんな人におすすめ

  • TOEICで700点台後半から900点を目指す人
  • 文法知識はあるのにPart 5で取りこぼす人
  • 演習量を積んで自動化したい学習者
  • 公式問題集の前後に文法の穴を埋めたい人

感想

この本を読んで感じたのは、TOEICの文法対策は「わかる」より「迷わない」が重要だということでした。Part 5で時間を削られると、その後の長文に響きます。本書は、その小さな迷いを1問ずつ削るための本です。

派手さはありませんが、スコアに直結しやすい教材です。何周も解き、間違えた問題だけを拾い直すという地味な使い方に耐える作りなので、独学でも軸にしやすいです。TOEIC文法で伸び悩んでいる人にはかなり信頼できます。

単語帳や公式問題集ほど目立たない本ですが、高得点帯へ行くほどこういう土台の差が効いてきます。TOEIC学習の中で「どこで安定点を作るか」を考えたとき、本書はかなり堅い選択肢です。文法問題を得点源に変えたい人には外しにくい一冊でした。

本番で時間切れになりやすい人ほど、Part 5の自動化は効果が大きいはずです。長文を速く読む前に、文法問題で迷わない状態を作る。その順番を支えてくれる教材として、本書の役割はかなり明確だと感じました。

一方で、ただ解答数をこなすだけでは伸びにくい本でもあります。なぜ間違えたかを必ず言葉にしてから回し直すと、手応えがかなり変わります。演習量と復習の質を両立させたい人に向いた問題集でした。

文法の得点を安定させたい人には、とても堅実な選択です。

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    高橋 啓介

    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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