スポーツ漫画おすすめ!運動習慣エビデンスで読む大学生の健康づくりに効く5選

スポーツ漫画おすすめ!運動習慣エビデンスで読む大学生の健康づくりに効く5選

「運動した方がいいのはわかっているけど、なかなか始められない」

大学生からこうした声を聞くことが増えました。興味深いことに、金沢工業大学の調査によると、大学生の運動不足感は男子で74.0%、女子で87.6%にも達しています。しかし実際に運動習慣がある学生は、男子61.0%、女子はわずか33.1%に過ぎません。

神経科学の研究では、この「わかっているけどできない」状態を打破するのに、スポーツ漫画が効果的であることが示唆されています。運動への「内発的動機づけ」を高めることで、「やらなきゃ」から「やりたい」への転換が起こるのです。

なぜスポーツ漫画が運動習慣形成に効果的なのか

スポーツ漫画が運動モチベーションを高める理由は、脳科学の知見で説明できます。

運動がもたらす脳への即時効果

電気通信大学の安藤創一准教授らの研究(2024年、Journal of Physiology誌掲載)によると、たった1回の有酸素運動が脳内ドーパミンの遊離を促進し、認知パフォーマンスを向上させることが明らかになりました。PET(ポジトロン断層法)を用いて脳内ドーパミン遊離を可視化したこの研究は、運動の即時的な効果を科学的に証明しています。

さらに興味深いのは、新潟大学脳研究所の研究です。運動によってBDNF(脳由来神経栄養因子)という物質が増加し、脳の神経細胞の成長を促進することがわかっています。運動開始から1〜3時間後にBDNF発現が顕著に増加するというデータは、運動が脳を文字通り「成長」させることを示しています。

大学生向けビジネス漫画でも解説した通り、漫画には「状況モデル」を構築しやすいという特性があります。スポーツ漫画を読むことで、運動という行動が具体的なイメージとして頭の中に描かれ、「自分もやってみたい」という内発的動機づけが生まれるのです。

日本の大学生の運動習慣の現状

高校までは体育の授業や部活動で運動機会が確保されていますが、大学入学後は自発的に運動する必要があります。しかしWHOが推奨する「週150分以上の中程度の有酸素運動」を満たしている大学生は、約58%に過ぎません。

この運動習慣形成の「空白期間」を埋める手段として、スポーツ漫画は非常に有効です。楽しみながら運動への興味を喚起し、行動変容のきっかけを作ることができるからです。

SLAM DUNK(1)

著者: 井上雄彦

井上雄彦が描くバスケ漫画の金字塔。2025年6月に電子書籍化。累計1億7000万部超の名作

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スポーツ漫画おすすめ5選:運動習慣エビデンスの視点から選ぶ作品

運動習慣形成の観点から、大学生に特におすすめのスポーツ漫画を5作品厳選しました。

選定基準:運動モチベーションを高める3つの要素

スポーツ漫画を選ぶ際、以下の3つの観点を重視しました。

要素1:初心者の成長プロセスが描かれている

運動を始めるハードルを下げるためには、「自分にもできそう」と思える要素が重要です。初心者が努力で成長していく姿は、観察学習の効果を通じて読者の自己効力感を高めます。

要素2:運動の楽しさが伝わる

内発的動機づけを高めるためには、「楽しそう」という感情が不可欠です。競争や勝利だけでなく、純粋なスポーツの魅力が描かれている作品を選びました。

要素3:始めやすい競技を扱っている

漫画を読んで実際に運動を始めることを考えると、特別な設備や技術がなくても始められる競技を扱った作品は実践につながりやすいです。

1. SLAM DUNK:初心者の成長を追体験する

井上雄彦による『SLAM DUNK』は、累計1億7000万部を超えるバスケ漫画の金字塔です。2025年6月についに電子書籍化されました。

不良少年・桜木花道がバスケットボールの魅力に目覚め、素人から成長していく物語。興味深いのは、主人公が完全な初心者からスタートする点です。バスケの基礎から学んでいく姿は、運動未経験者にとって強い共感を生みます。

「自分にもできるかもしれない」という自己効力感は、行動変容の重要なトリガーです。桜木の成長を追体験することで、運動への心理的ハードルが下がります。

SLAM DUNK(1)

著者: 井上雄彦

井上雄彦が描くバスケ漫画の金字塔。初心者から成長する主人公の姿に勇気をもらえる

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2. ハイキュー!!:小柄でも活躍できる希望

古舘春一による『ハイキュー!!』は、全45巻完結のバレーボール漫画です。

身長162cmという小柄な主人公・日向翔陽が、驚異的なジャンプ力と運動神経でコートを駆け回る姿は、体格に自信がない人にとって大きな希望となります。「体格で勝てなくても、自分の強みを活かせば戦える」というメッセージは、スポーツを始めることへの不安を軽減します。

リーダーシップ漫画と組織行動論で解説したように、漫画には多様なロールモデルを提示する効果があります。ハイキューには様々な体格・性格のキャラクターが登場し、「自分に合ったスタイル」を見つけるヒントを与えてくれます。

ハイキュー!!(1)

著者: 古舘春一

古舘春一が描くバレーボール漫画。小柄でも活躍できる希望を与えてくれる名作。全45巻完結

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3. ブルーロック:競争心に火をつける

金城宗幸原作、ノ村優介作画の『ブルーロック』は、講談社漫画賞を受賞した革新的なサッカー漫画です。

「世界一のストライカーを育成する」というコンセプトのもと、300人のFWが生き残りをかけて競い合う物語。従来のスポーツ漫画とは異なり、「エゴイズム」を前面に出した斬新な切り口が特徴です。

競争心や向上心を刺激される作品であり、「自分も何かに本気で挑戦したい」という感情を喚起します。運動を始めるきっかけとして、この「本気になりたい」という欲求は非常に強力です。

ブルーロック(1)

著者: 金城宗幸ノ村優介

金城宗幸×ノ村優介が描く革新的サッカー漫画。講談社漫画賞受賞作

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4. 弱虫ペダル:オタクでもスポーツで輝ける

渡辺航による『弱虫ペダル』は、オタク少年がロードレースで成長していく物語です。

主人公・小野田坂道は、アニメやゲームが大好きな典型的なオタク少年。秋葉原への往復90kmを毎週ママチャリで通っていたことから、驚異的な脚力が発覚します。「好きなことを続けていたら、いつの間にか特技になっていた」というストーリーは、運動に苦手意識を持つ人に勇気を与えます。

自転車は初心者でも始めやすい運動であり、通勤・通学の移動手段としても活用できます。漫画を読んで「自転車に乗ってみようかな」と思う人は多いでしょう。

弱虫ペダル(1)

著者: 渡辺航

渡辺航が描くロードレース漫画。オタク少年の成長物語。自転車を始めるきっかけに

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5. アオアシ:サッカーの知的側面を学ぶ

小林有吾による『アオアシ』は、小学館漫画賞を受賞したサッカー漫画です。

主人公・青井葦人がJリーグユースに入団し、プロを目指す物語。この作品の特徴は、サッカーの「戦術」や「知性」が丁寧に描かれている点です。フィジカルだけでなく、頭を使ってプレーする楽しさが伝わってきます。

投資漫画と行動経済学で解説したように、漫画は抽象的な概念を具体的な場面として理解させる力があります。アオアシを読むことで、サッカーを「考えるスポーツ」として捉え直すことができます。

アオアシ(1)

著者: 小林有吾

小林有吾が描く本格サッカー漫画。小学館漫画賞受賞。戦術理解の深さが魅力

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スポーツ漫画の効果的な読み方:運動モチベーションを高める3つのポイント

スポーツ漫画を「娯楽」ではなく「運動習慣形成のきっかけ」として読むために、3つの読み方を提案します。

読み方1:キャラクターの練習シーンに注目する

試合シーンだけでなく、練習シーンに注目してみてください。「この練習なら自分でもできそう」「まずはこれから始めてみよう」という具体的なイメージが湧いてきます。

スポーツ心理学の研究では、具体的な行動イメージを持つことが実際の行動につながりやすいことが示されています。漫画の練習シーンは、そのイメージ形成を助けてくれます。

読み方2:運動後の達成感を想像する

キャラクターが目標を達成したときの表情や感情に注目してください。その達成感を自分も味わいたいと思うことで、運動へのモチベーションが高まります。

明治安田厚生事業団の調査によると、週2時間以上の運動で抑うつリスクが約半分になることがわかっています。運動後の「爽快感」は、科学的に証明された報酬なのです。

読み方3:「週1回、30分」から始めることを決める

漫画を読んで「よし、やってみよう」と思ったら、具体的な行動計画を立てましょう。金沢工業大学の研究では、週1-2日程度の運動が最も良好なメンタルヘルス効果を示しています。

完璧を目指す必要はありません。「週1回、30分のウォーキング」から始めれば十分です。小さな成功体験の積み重ねが、習慣形成につながります。

まとめ:漫画で始める科学的に正しい運動習慣

スポーツ漫画が運動習慣形成に効果的な理由を、神経科学の視点から解説しました。

ドーパミンの即時効果により、運動開始直後から脳が活性化する。BDNFの増加により、運動が脳の成長を促進する。内発的動機づけの向上により、「やらなきゃ」から「やりたい」への転換が起こる。

大学生の運動不足は深刻な問題ですが、その解決策は意外と身近なところにあるかもしれません。まずはスポーツ漫画を手に取り、運動の楽しさを再発見してみてはいかがでしょうか。

運動と脳の関係についてより深く学びたい方には、『脳を鍛えるには運動しかない!』もおすすめです。運動が脳に与える影響を科学的に解説した名著です。

脳を鍛えるには運動しかない!

著者: ジョン・J・レイティ

ジョン・レイティ博士が運動と脳の関係を科学的に解説。運動の効果を理解するための必読書

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西村 陸

京都大学大学院で認知科学を研究する博士課程学生。理系でありながら文学への造詣も深く、科学と文学の交差点で新たな知の可能性を探求。

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    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

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