ランニング本おすすめ5選!28歳がフルマラソン完走した練習メソッド
「フルマラソン、本当に完走できるの?」
実は私も1年前、まったく同じ不安を抱えていました。友人に誘われて勢いでエントリーしたものの、5kmすら走れなかった28歳の私。それが今では、フルマラソンを完走し、次は4時間切りを目指しているんです。
この変化をもたらしたのが、科学的根拠に基づいたランニング本との出会いでした。
今回は、私が実際に読んで実践した5冊のランニング本と、フルマラソン完走のための具体的な練習メソッドを紹介します。「毎日走らなきゃ」「長距離を走り込まなきゃ」という常識が、実は間違いだったと知ったときの衝撃は今でも忘れられません。
なぜ「毎日走る」と逆効果なのか
私がまず手に取ったのが、小出義雄さんの『マラソンは毎日走っても完走できない』でした。タイトルを見たとき「え、毎日走らないとダメでしょ?」と思ったんですよね。
でも読み進めると、初心者が毎日走ることのリスクが科学的に説明されていて目から鱗でした。
『マラソンは毎日走っても完走できない』の核心はLSD(Long Slow Distance)トレーニングです。これは心拍数を抑えながらゆっくり長く走る方法で、ケガのリスクを下げながら持久力を効率的に高められます。
具体的には、会話ができるペース(1kmあたり7〜8分) で走ることが推奨されています。私はこれを知らずに最初から速く走ろうとして、2週間で膝を痛めてしまったんです。
小出義雄さんは高橋尚子や有森裕子など五輪メダリストを育てた名将であり、この本のメソッドは理論だけでなく実践で検証されたものです。特に印象的だったのは「週3回の練習で十分」という主張。毎日頑張らなくていいと知って、精神的にもラクになりました。
正しいフォームで走れていますか?
LSDの重要性を学んだ次に直面したのが「フォーム」の問題でした。
ゆっくり走っても膝や腰が痛くなる。これ、多くの初心者が経験することなんですよね。
そこで出会ったのが中野ジェームズ修一さんの『マンガでわかる 新しいランニング入門』です。
『マンガでわかる 新しいランニング入門』は、トップアスリートを指導する中野ジェームズ修一さんが、解剖学の視点からランニングフォームを解説した本です。
特に参考になったのは以下の3つのポイントです:
- 着地は「かかと」ではなく「ミッドフット」
- 腕は前に振るのではなく「後ろに引く」
- 骨盤を前傾させて「重心」で走る
マンガや図解が豊富で、運動科学の知識がなくても直感的に理解できます。私はこの本を読んでから、同じ距離を走っても疲労感がまったく違いました。
個人的に一番衝撃だったのは「腕を後ろに引く」という意識。それまで腕を前に振ることばかり考えていたんですが、後ろに引く意識に変えたら自然と足が前に出るようになったんです。
レース本番で実力を発揮するために
練習は順調。でもレース本番で失敗するランナーは実は多いんです。
私も最初のレースでは30km地点で完全に足が止まってしまいました。いわゆる「30kmの壁」というやつです。
この原因を教えてくれたのが岩本能史さんの『非常識マラソンマネジメント』でした。
この本のタイトルを見たとき「直前24時間で30分?怪しい…」と思いませんでした?私も最初はそう感じたんですよね。
でも読んでみると、すべて生理学的な根拠に基づいた内容で納得させられました。
『非常識マラソンマネジメント』では以下のような「非常識」なメソッドが紹介されています:
- 朝食は食べない(胃腸に血流を取られないため)
- レース前に塩を大量に摂る(脱水症状を防ぐため)
- 最初の10kmはゆっくり入る(後半のペースダウンを防ぐため)
実際に次のレースでこのメソッドを試したところ、30kmの壁を感じることなく完走できました。特に「塩」の効果は絶大で、脚がつることもなくなりました。
初心者のための完走マニュアル
ここまで3冊を紹介しましたが「もっと基本的なことから知りたい」という方には『はじめてのフルマラソン 完走マニュアル』をおすすめします。
『はじめてのフルマラソン 完走マニュアル』は、まさに「はじめて」の人のために作られた親切なマニュアル本です。
この本の最大の特徴は16週間の練習スケジュールがカレンダー形式で書き込めること。何を、いつ、どれだけ走ればいいのか、迷うことがありません。
具体的にカバーしている内容は以下の通りです:
- シューズやウェアの選び方
- 練習場所の見つけ方
- 栄養と食事管理
- ストレッチと筋トレ
- レース当日の持ち物と流れ
私はこの本を「辞書」として使っていました。「ソックスはどう選べばいい?」「レース前日の食事は?」など、疑問が出るたびに該当ページを開く。オールカラーで写真や図解が多いので、モチベーションを維持しながら準備を進められました。
もっとラクに、もっと速く走りたい
最後に紹介するのは、三津家貴也さんの『もっと楽にもっと速く がんばらないランニング』です。
三津家貴也さんはSNSで人気のランニングアドバイザーで、筑波大学大学院でランニングを研究した専門家です。
『もっと楽にもっと速く がんばらないランニング』の核心はランニングエコノミー(燃費の良い走り方)の向上です。
「がんばらない」というタイトルが示す通り、無理に力を入れるのではなく、効率的に走ることで楽に速くなれるという考え方。これ、最初に紹介した小出義雄さんの本とも通じる部分がありますよね。
私がこの本で特に参考になったのは、具体的なドリル(練習メニュー)です。5分程度でできるものが多く、走る前のウォームアップとして取り入れやすい。実際に3週間ほど続けたら、同じペースで走っても心拍数が下がっていることに気づきました。
ランニングが脳に与える驚きの効果
ここまで練習方法を中心に解説してきましたが、ランニングには身体的な効果だけでなく、メンタルヘルスへの素晴らしい効果もあります。
実は私も以前、ランニングの脳への効果について記事を書いています。
うつ病リスク43%減少という研究結果は、私がランニングを続けるモチベーションの一つになっています。
「なぜ走るのか」という動機づけを深めたい方は、ぜひこちらも読んでみてください。
私の16週間練習スケジュール
実際に私がフルマラソン完走に至った練習スケジュールを紹介します。これは5冊の本から学んだエッセンスを組み合わせたものです。
第1〜4週:基礎づくり
- 週3回、各30〜40分のLSD
- ペースは1kmあたり7〜8分(会話できる速さ)
- フォームの基本を意識
第5〜8週:距離を伸ばす
- 週3回のうち1回は60分以上のLSD
- 週末に10〜15km走
- ストレッチを習慣化
第9〜12週:スピード練習の導入
- 週3〜4回に増やす
- 週1回はペース走(レースペースで5km)
- 月間走行距離100kmを目標に
第13〜15週:ピーク
- 30km走を1〜2回実施
- レースのペース配分を確認
- 栄養管理を強化
第16週:調整
- 走行距離を半分に減らす
- 軽いジョグとストレッチ
- レース前日の準備を確認
重要なのは休息日をしっかり取ることです。私は最初、休むことに罪悪感を感じていましたが、5冊の本すべてが「休息の重要性」を説いていました。筋肉は休んでいる間に成長するんですよね。
5冊の本の使い分け方
「5冊も読むの大変…」と思った方のために、使い分け方を整理しました。
| 本のタイトル | こんなときに読む | 特におすすめの人 |
|---|---|---|
| マラソンは毎日走っても完走できない | 練習計画を立てるとき | 効率的に練習したい人 |
| マンガでわかる 新しいランニング入門 | ケガをしたとき、フォームを見直したいとき | 膝や腰が痛くなる人 |
| 非常識マラソンマネジメント | レース2週間前〜当日 | タイム向上を目指す人 |
| はじめてのフルマラソン 完走マニュアル | 準備全般について知りたいとき | 本当の初心者 |
| もっと楽にもっと速く がんばらないランニング | 楽に速く走りたいとき | 2回目以降のランナー |
最初の1冊としては『マラソンは毎日走っても完走できない』か『はじめてのフルマラソン 完走マニュアル』がおすすめです。基本的な考え方と具体的な練習スケジュールが分かれば、あとは必要に応じて他の本を参照する形で大丈夫です。
初心者がフルマラソンを完走するための3つの鉄則
最後に、5冊の本と自分の経験から学んだ「3つの鉄則」をまとめます。
1. ゆっくり走ることを恐れない
初心者が最もやりがちな失敗が「速く走りすぎること」です。
1kmあたり7〜8分のペースは、最初は遅すぎると感じるかもしれません。でもこのペースでしっかり走り込むことが、後半のスタミナにつながります。
2. 週3回の練習で十分
毎日走る必要はありません。むしろ休息日を設けることで、ケガを防ぎ、効率的に成長できます。
私の場合、火・木・土の週3回を基本にしていました。
3. 本番のマネジメントを軽視しない
どれだけ練習しても、本番で失敗するランナーは多いです。
ペース配分、補給、当日の過ごし方。これらを事前に計画しておくことが、42.195kmを乗り切る鍵になります。
まとめ:今日から始める第一歩
フルマラソン完走は、正しい知識と計画があれば、運動経験が少なくても達成できます。
私も1年前は5kmすら走れませんでした。それが今では42.195kmを完走し、次の目標に向かっています。
まずは1冊、手に取ってみてください。「毎日走らなきゃ」「たくさん走らなきゃ」という思い込みが外れたとき、ランニングがもっと楽しくなるはずです。
一緒にフルマラソン完走を目指しましょう!




