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レビュー

概要

『マンガでわかる新しいランニング入門』は、走ることを根性や勢いではなく、体の使い方として理解させてくれる入門書です。マンガ形式で読みやすいのですが、内容はかなり実用的で、フォーム、呼吸、着地、ペースの考え方、故障予防まで一通り押さえています。ランニング本を読むと専門用語で止まりやすい人でも、イメージを持ちながら進めやすい構成です。

特徴は、初心者がつまずくポイントを現実的に拾っていることです。息が続かない、膝が不安、どのくらいの速さで走ればいいかわからない、歩きから走りへ切り替わる感覚が曖昧。そうした悩みに対して、マンガで感覚をつかませながら、必要な理屈を後から補ってくれます。

読みどころ

読みどころは、走り方を感覚だけで済ませない点です。ランニング初心者は「とりあえず走る」から始めがちですが、本書は、姿勢、接地、腕振り、呼吸がどうつながるかを順番に説明します。そのため、自分がなぜ苦しいのか、なぜ膝に来るのかを考えやすくなります。

また、マンガを使っていることで、よくある失敗がかなり具体的に見えます。上半身に力が入りすぎる、前に突っ込みすぎる、速く走りすぎるといった初心者の癖が、文章だけの本よりわかりやすいです。フォーム矯正の本は難しそうに見えがちですが、本書はとっつきやすさを保ちながら、必要な基本を外していません。

さらに、故障予防と回復の話が入っているのも大きいです。走る本の中には距離やタイムだけを追うものもありますが、本書は続けることを優先しています。走る前後のケアや、疲れをためない考え方まで含めているので、運動習慣としてランニングを始めたい人に合います。

本書が初心者向きだと感じるのは、速さよりも再現しやすさを大事にしているからです。いきなり長距離や目標タイムを掲げるのではなく、まずは苦しくなりすぎないペースを覚えること、走った翌日に生活へ響かせないことを優先します。この順番があるので、三日坊主になりやすい人でも入りやすいです。

また、歩きと走りを切り替えながら体を慣らす考え方とも相性がよく、完全な運動初心者にもやさしいです。走ることに苦手意識がある人ほど、最初に必要なのは根性ではなく、失敗しにくい型だと思います。本書はその型を、マンガと解説の往復でかなり自然に身につけさせてくれます。

類書との比較

科学寄りのランニング本は、情報量が多いぶん初心者にはやや重いことがあります。本書はそこをマンガで軽くしつつ、必要な知識は落とさないバランスが良いです。理論を深掘りしたい人には物足りないかもしれませんが、最初の一冊としてはかなり優秀だと思います。

また、単に楽しく読めるだけでなく、実際に走るときの注意点まで持ち帰れるのが強みです。フォームの美しさを競う本ではなく、無理なく続けるための本として位置づけると価値が見えやすいです。

こんな人におすすめ

  • ランニングを始めたいが、何から気をつければいいかわからない人
  • 走るとすぐ息が上がったり膝が不安になったりする人
  • フォームや呼吸をやさしく学びたい人
  • 楽しく読める入門書から入りたい人

感想

この本を読んで感じたのは、ランニングは体力勝負というより、無駄な力を減らす技術なのだということです。走ることに苦手意識がある人ほど、フォームやペースの考え方を知るだけで楽になります。本書はそこをわかりやすく体験させてくれます。

また、運動本にありがちな圧の強さが少なく、続けやすいのも良かったです。走れなかった日の気持ちや、思うように進まないもどかしさも自然に拾ってくれるので、初心者が置いていかれにくいです。これからランニングを生活へ取り入れたい人に勧めやすい一冊でした。

走り出したい気持ちはあるのに、膝や息切れが怖くて踏み出せない人にとって、本書はかなり良い橋渡しになるはずです。楽しく読み終えられるのに、外へ出たとき何を意識すればいいかが残るので、最初の一冊としての完成度が高いと感じました。

ランニングアプリや動画だけでも始められる時代ですが、初心者ほど全体像を一冊でつかめる本があると迷いにくいです。本書は楽しく読めます。それでも、フォームや故障予防の要点は外していません。走り方の最初の教本として向いています。運動経験が少ない人でも、最初の数週間を無理なく乗り切る助けになるはずです。走る習慣を長く続けたい人ほど、出発点でこうした基本書を読む意味は大きいと感じました。

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    佐々木 健太

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