テニス本おすすめ7選!38歳週末プレーヤーが市民大会準優勝を達成した効率的上達法
「週末しかテニスできないのに、上達したい」
35歳を過ぎてテニスを再開した社会人プレーヤーなら、この悩みは痛いほどわかるはずです。私も38歳でテニスを再開したとき、大学時代の感覚で打とうとして肩を痛め、若い相手にパワーで押し切られ、ダブルスではペアに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
しかし3年後の現在、私は市民大会のダブルスで準優勝を達成しています。秘密は「テニスの本」でした。限られた練習時間を最大限に活かすには、コート外での学習が不可欠だと気づいたのです。
今回は、私が実際に読んで効果を実感したテニス本を7冊厳選してご紹介します。どれも「理論的」「効率的」「実践可能」という3つの基準を満たす良書ばかりです。
テニス本を選ぶ3つの基準
テニス本は数多く出版されていますが、社会人プレーヤーにとって本当に役立つ本は限られています。私が本を選ぶときに重視しているのは次の3点です。
まず「理論的であること」。なぜその打ち方が効果的なのか、根拠が明確でなければ応用が利きません。次に「効率的であること」。週末の2〜3時間しか練習できない社会人には、短時間で効果が出る方法が必要です。最後に「実践可能であること」。いくら理論が正しくても、40歳前後の身体で無理なく実行できなければ意味がありません。
これらの基準で選んだ7冊を、カテゴリー別にご紹介していきます。
テニス本おすすめ:戦略・思考系(2冊)
1. テニスは頭脳が9割
テニス本として異例の4万部を突破したベストセラーです。著者の田中信弥氏は元日本プロランキング7位で、伊達公子選手のコーチも務めた実力者。この本の最大の特徴は「どう考えれば上手くなるか」という思考法に焦点を当てている点です。
私がこの本から学んだ最大の教訓は「ミスを恐れるとミスが増える」というメカニズムです。意識的に考えれば考えるほどパフォーマンスが落ちる現象は、心理学でも実証されています。田中氏はこれを具体的な120の哲学として言語化してくれました。
特に「サーブは力を入れると曲がる」「ボレーは打つのではなく止める」といった逆説的な指摘は目から鱗でした。週末の練習前に1〜2個の哲学を読んでからコートに向かうと、意識すべきポイントが明確になり、練習の質が格段に上がります。
2. 新インナーゲーム
テニスのメンタル本として世界的に有名な古典的名著です。驚くべきことに、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が「人生で読んだ最高の5冊」に選んでいます。著者のW.T.ガルウェイは、テニスコーチとして多くの選手を指導する中で「人は考えすぎると下手になる」という法則を発見しました。
この本で提唱される「セルフ1(批判的な自分)」と「セルフ2(自然な自分)」の概念は、私のテニス人生を変えました。試合中に「さっきのミスを繰り返すな」と考えるほどミスが増える現象の正体がわかったのです。
実践としては、ボールの縫い目に集中する方法が効果的でした。余計なことを考えず、ボールだけに意識を向けることで、セルフ2(自然な自分)が最高のパフォーマンスを発揮してくれます。試合で緊張する人、練習では打てるのに試合で打てない人に強くおすすめします。
テニス本おすすめ:ダブルス戦術系(2冊)
3. 試合に勝つテニス 鈴木貴男のダブルス講座
社会人テニスでは圧倒的にダブルスの機会が多いにもかかわらず、ダブルス戦術を体系的に学べる本は意外と少ないです。この本は、元日本トップ選手の鈴木貴男氏が、世界のトップクラスで使われる戦術を惜しみなく公開しています。
特に役立ったのは「ポーチに出るタイミング」の解説です。私は以前、相手のリターンの良し悪しで判断していましたが、本書では「サーバーの配球」で判断すべきと指摘しています。ワイドにサーブを打てば相手のリターンコースが限定されるため、ポーチに出やすくなるという理論です。
また「貴男流の裏セオリー」も面白い。一般的には「ダブルスはクロスに返す」のがセオリーですが、上級者相手ではそれが読まれるため、あえてストレートを狙う場面も必要だと説いています。ペアと一緒に読んで、共通認識を持てたのが大きな収穫でした。
4. テニスダブルス 勝つための戦術
こちらも実業之日本社の「パーフェクトレッスンブック」シリーズで、山本育史氏によるダブルス戦術書です。豊富な図解で状況別のポジショニングや配球パターンを解説しており、視覚的に理解しやすいのが特徴です。
私がこの本で最も参考にしているのは「サービスゲームの配球パターン」です。デュースサイドとアドサイドでそれぞれ3パターンずつ、計6つの基本パターンが紹介されており、これを覚えるだけでサービスキープ率が大幅に向上しました。
感覚でプレーしていた部分を理論的に整理できるので、試合中に迷いがなくなります。「次にどこに打てばいいかわからない」という悩みを持つ中級者に最適の一冊です。
テニス本おすすめ:技術・身体系(3冊)
5. テニス サービス上達 完全バイブル
サーブはテニスで唯一、相手の影響を受けずに打てるショットです。にもかかわらず、多くの社会人プレーヤーがサーブに苦手意識を持っています。私も以前はファーストサーブの確率が40%を切っていました。
この本は神谷勝則氏によるサーブ特化型の技術書で、差がつくトレーニング方法を詳しく解説しています。特に「トスの高さと位置」の章は目から鱗でした。トスが安定しないのは腕の振り方ではなく「体重移動」に原因があると指摘しており、これを意識してからトスの乱れが激減しました。
また、肩を痛めない打ち方として「体幹の回転を使う」方法が紹介されています。若い頃のように腕力に頼る打ち方では故障のリスクが高い。この本のおかげで、現在は怪我なくテニスを続けられています。
6. 世界一伸びるストレッチ
テニスに特化した本ではありませんが、トップアスリートを指導する中野ジェームズ修一氏による科学的ストレッチ本です。35歳を過ぎてテニスを再開する場合、怪我の予防は最重要課題。この本は私の「テニス継続」を支えてくれています。
デスクワークで固まった身体をほぐすストレッチが写真付きで紹介されており、特に「股関節のストレッチ」は効果絶大でした。股関節の可動域が広がることで、フットワークが軽くなり、ボールへの反応も良くなります。
プレー前の動的ストレッチとプレー後の静的ストレッチの使い分けも解説されており、正しいケアの方法を学べます。長くテニスを楽しみたい社会人プレーヤーには必携の一冊です。ストレッチは習慣化が重要ですが、この本は実践しやすい内容が揃っています。
7. テニス・インテリジェンス 勝てる頭脳が身につく魔法の教科書
「テニスは頭脳が9割」の著者、田中信弥氏の最新刊です。前作が「考え方」だったのに対し、本書は「具体的な実践法」に踏み込んでいます。
特に「練習メニューの組み立て方」の章が秀逸です。週末の2〜3時間という限られた時間で最大の効果を出すには、練習の順番と時間配分が重要だと説いています。例えば「サーブ練習は疲れる前に」「ラリー練習は後半に」といった具体的な指針は、すぐに実践できます。
また「試合中の考え方」として、ポイント間に何を考えるべきかが詳しく解説されています。次のポイントの戦術を考えるのは当然ですが、それより「今の自分の状態を確認する」ことが重要だと指摘。肩に力が入っていないか、呼吸は整っているかなど、セルフチェックの習慣がパフォーマンスを安定させます。
本を活かすための3つのコツ
良い本を読んでも、それを実践に活かせなければ意味がありません。私が3年間で学んだ、本を活かすためのコツを3つご紹介します。
1. 一度に1つだけ意識する
複数のポイントを同時に意識すると、どれも中途半端になります。私は練習日ごとに「今日はこれだけ」と決めて、1つのポイントに集中します。例えば「今日はトスの位置だけ」「今日はポーチのタイミングだけ」といった具合です。
2. 数値で記録する
「測定できるものは改善できる」というのが私の座右の銘です。サーブの確率、試合の勝敗、怪我なく練習できた週数など、数値で記録することで成長が可視化されます。スマホのメモアプリで十分なので、ぜひ記録を取ってみてください。
3. ペアと共有する
ダブルスプレーヤーなら、良い本はペアと共有することをおすすめします。同じ知識を持つことで、試合中のコミュニケーションがスムーズになります。「この本のあの作戦で行こう」と言えば、すぐに通じるわけです。
私の3ヶ月間の成果
最後に、これらの本を活用した私の具体的な成果をご報告します。
テニスを再開して1年目は、市民大会の初戦敗退が続きました。しかし本を読み始めてからの3ヶ月で、以下の変化がありました。
サーブの入る確率は40%から65%に向上。これは「サービス上達バイブル」のトスの指導のおかげです。ダブルスの勝率は50%から75%に上昇。「鈴木貴男のダブルス講座」で学んだポーチのタイミングが効いています。そして何より、肩の痛みがなくなりました。「世界一伸びるストレッチ」の股関節ストレッチと、体幹を使ったサーブフォームの変更が要因です。
市民大会の準優勝は、これらの積み重ねの結果でした。週末の2〜3時間しか練習できなくても、正しい知識と効率的な練習で、確実に上達できることを実感しています。
まとめ
今回ご紹介した7冊のテニス本は、どれも「限られた時間で効率的に上達したい」社会人プレーヤーのために書かれた良書です。
特におすすめなのは、まず「テニスは頭脳が9割」を読んでテニスに対する考え方を変え、次に「新インナーゲーム」でメンタル面を整え、その後に技術書や戦術書で具体的なスキルを磨くという順番です。考え方が変わらないまま技術を追いかけても、効果は限定的です。
私は現在も週末にテニスを楽しんでいます。5歳の娘と2歳の息子が大きくなったら、一緒にコートに立つのが夢です。そのためにも、怪我なく長くテニスを続けられる方法を、これからも学び続けていきたいと思います。
皆さんのテニスライフが、本によってさらに充実したものになることを願っています。






