medium 霊媒探偵城塚翡翠に騙された体験談!深夜2時に声を上げた28歳ライターの衝撃読書レポート

深夜2時、私の部屋に響いた間の抜けた声
「えっ、まさか!」
静まり返った東京のワンルームに、私の間の抜けた声が響きました。隣のケージでハムスターのぽんずが、びっくりして回し車を止めて、こちらをじっと見つめています。手に持った文庫本『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を見つめ直し、心臓がバクバクと鳴っていました。
もう、とにかくすごいんです!実は、私は完全に騙されていたんです。この本のトリックに、見事なまでに。
「このミステリーがすごい!2020」で国内編第1位を獲得したこの作品を、私はエンタメ小説として軽く読んでいました。霊媒能力を持つ美しい女性探偵・城塚翡翠の活躍を楽しんでいただけだったんですよね。でも、真相を知った瞬間、すべてがひっくり返りました。
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』との出会い
この本と出会ったのは、書店で平積みされているのを見たのがきっかけでした。「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」の両方で第1位という帯を見て、これは読まなくてはと思ったんです。
書店でぱらぱらとめくってみると、霊媒能力を持つ探偵が主人公ということで、「新しいタイプのミステリなのかな?」という軽い気持ちで購入しました。個人的に、最近のミステリは設定が凝っているものが多くて、とても面白いと感じていたので期待が高まりました。ねじまき鳥クロニクル全3巻を読んだときも感じたのですが、読者を物語に引き込む仕掛けがとても巧妙なんですよね。
この本の詳しい内容について、以下で解説していきます。
霊媒能力に惑わされた初読の体験
最初に読んだとき、私はすっかり霊媒能力という設定に夢中になっていました。城塚翡翠という主人公は、死者の声を聞くことができるという特殊な能力を持っているんです。それがとても魅力的で、彼女がどんな風に事件を解決するのかばかりに注目していたんですよね。
翡翠は美しくて神秘的で、同じ年頃の女性として憧れる要素がたくさんありました。霊媒能力という超自然的な力を持ちながらも、人間味があって親しみやすいキャラクターだったんです。
そして相棒の推理作家・鐘場彰との掛け合いも絶妙で、この二人のコンビがどんな事件に挑むのかという期待で読み進めていました。実は、この時点で私は作者の巧妙な罠にすでにはまっていたんです。
なぜ私は『medium 霊媒探偵城塚翡翠』に完全に騙されたのか?体験談から分析
読み返してみて、なぜ私がこんなにも見事に騙されたのか分析してみました。なんて言えばいいんだろう…今思えば「ここ、絶対おかしいじゃん!」ってツッコめるのに、全然気づけなかったんです。主な要因は3つあると思います。
犯人は作者。霊媒探偵という壮大なミスリード
一番大きな要因は、霊媒能力という設定に完全に気を取られていたことです。「死者の声が聞こえる」という超自然的な要素があまりにも印象的で、そこばかりに注目してしまったんですよね。
実際、翡翠が霊媒能力を使って情報を得るシーンは印象的で、読者の目を引くように書かれています。でも今思えば、それこそが作者の狙いだったんです。読者の注意を霊媒能力に向けることで、本当に重要な部分から目をそらさせる。まさに手品師のミスディレクションと同じテクニックでした。
見た目や第一印象に惑わされて、物事の本質を見誤ることって、現実でもありますよね。まさにそれと同じことが、この作品でも起きていたんです。
読み返してゾッとした。散りばめられた巧妙な伏線たち
二つ目は、論理的な推理の部分を軽く読み流してしまったことです。翡翠の相棒である推理作家の鐘場彰が行う推理について、「まあ、そんなものかな」程度にしか思っていませんでした。
でも実は、この鐘場の推理こそが、この作品の核心だったんです。霊媒能力という華やかな要素の陰に隠れて、しっかりとした論理的推理が展開されていました。私は完全にそれを見逃していたんですよね。
再読したとき、至る所に散りばめられた伏線を発見して、正直ゾッとしました。「あれ、これ最初から書いてあったじゃん…」って気づいた瞬間の、なんともいえない感覚。これは本格ミステリを読む上で、とても重要な部分だったのに。
20代女性としての共感ポイントに集中しすぎた
三つ目は、城塚翡翠というキャラクターの魅力に共感しすぎて、客観的に作品を見られなくなっていたことです。同世代の女性として、翡翠の美しさや強さ、そして繊細さに強く惹かれていました。
彼女がどんな服を着ているか、どんな表情をするか、そういった部分に注目しすぎて、ミステリとしての仕掛けを見落としてしまったんです。これは私の読書の癖でもあるんですが、キャラクターに感情移入しすぎる傾向があるんですよね。
真相を知った後の再読体験
真相を知った後で読み返したとき、まったく違う作品のように感じました。一度目は霊媒探偵の活躍を描いたエンタメ小説として読んでいましたが、二度目は骨太な本格ミステリとして読むことができたんです。
作者の相沢沙呼さんが仕掛けた巧妙なトリックが、すべて見えてきました。霊媒能力という設定を使いながら、実は緻密な論理的推理が展開されている。その絶妙なバランスに改めて感動しました。
特に印象的だったのは、「死者は嘘をつかない。でも、生者は嘘をつく」という言葉の真の意味が分かったときです。最初に読んだときは、単に霊媒能力の特徴を表した言葉だと思っていましたが、実はもっと深い意味があったんですよね。
再読すると、作者がいかに読者の心理を操っているかがよく分かります。注意深く読めば気づけるヒントも、ちゃんと散りばめられていました。でも、それを見つけるのは相当難しいと思います。
SNSで話題!同世代の反応と私の気づき
この体験をTwitterでつぶやいたところ、同じように「騙された」という反応がたくさん返ってきました。特に20代から30代の女性の反応が多くて、みんな私と似たような読み方をしていたんですよね。
「霊媒能力に注目しすぎて、推理部分を軽く見ていた」 「翡翠のキャラクターが魅力的すぎて、トリックまで頭が回らなかった」 「二度目読んで初めて本格ミステリだと気づいた」
こんなコメントがたくさん寄せられました。どうやら私だけじゃなかったみたいです。
一方で、ミステリ愛好家の方からは「最初から論理的推理に注目していた」「霊媒能力は飾りだと思って読んでいた」という意見もありました。やはり、読書経験の差が出るんですね。でも、だからこそこの作品は幅広い読者に愛されているんだと思います。
ミステリ初心者にこそ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を読んでほしい!騙される体験談の価値
この体験を通して、『medium 霊媒探偵城塚翡翠』はミステリ初心者にこそおすすめしたい作品だと確信しました。この記事を読んでくださったあなたがこの本を読んだ時、面白さが2倍になりますから!
理由1:理屈じゃない。「体験」する面白さ
難しいトリックの理屈をこねくり回すというより、物語の前提がひっくり返る「体験」がメインなんです。エンタメ要素と本格ミステリのバランスが絶妙で、霊媒能力という親しみやすい設定で読者を引き込みながら、しっかりとした推理小説としても成立している。これって、とても難しいことだと思うんです。
理由2:キャラクターが魅力的で、スラスラ読める
城塚翡翠は本当に魅力的な主人公で、ミステリに慣れていない人でも感情移入しやすいと思います。そして推理作家の鐘場彰との関係性も面白くて、二人の掛け合いを楽しみながら読めるんですよね。
理由3:「騙される快感」がクセになる
私のように見事にトリックに騙されることで、ミステリの醍醐味を味わえます。そして再読することで、作者の技巧の高さを実感できる。これはミステリ読書の楽しさを知る絶好の機会だと思います。
読む際のコツとしては、あまり考えすぎずに最初は純粋に楽しむことです。そして真相を知った後で、もう一度読み返してみてください。きっと私と同じように、新しい発見がたくさんあると思います。
おわりに
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、私にとって特別な一冊になりました。見事に騙された悔しさと、それと同時に感じた作者への敬意。そして、ミステリの奥深さを改めて教えてくれた作品です。
この記事をX(旧Twitter)でポストしたら、すごい反響があって驚きました。「私も全く同じ体験した!」「騙された瞬間のことを思い出して笑った」など、たくさんのコメントをいただけて本当に嬉しかったです。
この本には続編の『インビジブル』もあるんですが、今度は最初から注意深く読もうと思っています。でも、きっとまた騙されるんでしょうね。それもまた楽しみの一つです。
もしあなたがまだこの作品を読んでいないなら、ぜひ手に取ってみてください。そして、もし私と同じように「騙された」という体験をしたら、ぜひ感想を聞かせてくださいね。ぽんずと一緒に、あなたの感想を楽しみに待っています!
以上の理由から、この本を多くの方に読んでいただきたいと思います。