70代・80代の生き方と終活本おすすめ7選【老いに備える読書案内】
70代、80代の本を読む意味は、暗い準備をすることではありません。
むしろ、残された時間をどう使うか、どこまで自分の足で動きたいか、何を家族に伝えておくかを、元気なうちに考えるためです。終活という言葉は重く聞こえますが、本質は 死ぬ準備 ではなく 生き方の整理 だと思います。
内閣府の令和7年版高齢社会白書では、日本の65歳以上人口は3,624万人、高齢化率は29.3%です。75歳以上人口も2,078万人で、総人口の16.8%に達しています。つまり、70代・80代の生き方は、特別な誰かの話ではなく、家族全体の現実になっています。
この記事では、70代・80代の生き方と終活を考える本を7冊に絞りました。林真理子の『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』は、幻冬舎の版元情報で2026年5月27日発売済みと確認できたため、今回の主軸に置きます。そこに『DIE WITH ZERO』『棺桶まで歩こう』などを合わせ、老いの受け止め方、健康寿命、お金の使い方、相続・介護の準備までつながる順番で紹介します。
70代・80代の生き方と終活本を読む前に
高齢期の本は、読む人によって目的が変わります。
70代の本人が読むなら、これからの10年をどう使うかが中心になります。80代の親を持つ家族が読むなら、介護、医療、相続、実家、認知症への備えが現実的なテーマになります。50代・60代が読むなら、老後を遠い話にせず、健康とお金と人間関係を前倒しで整える入口になります。
だから、最初から終活の手続き本だけを読む必要はありません。むしろ次の4つを分けて考えると、読みやすくなります。
- 老いをどう受け止めるか
- 健康寿命をどう伸ばすか
- お金と時間をどう使うか
- 相続、介護、遺言をどう準備するか
この順番で読むと、終活が単なるチェックリストではなく、自分と家族の生活設計になります。
先に結論:70代・80代の生き方と終活本はこの順で読む
迷ったら、次の順番がおすすめです。
| 順番 | 目的 | 本 |
|---|---|---|
| 1 | 70代をどう使うか考える | 80代になるとたいていボケるか死ぬ |
| 2 | 80歳前後の心構えを知る | 80歳の壁 |
| 3 | 自分の足で最期まで生きる | 棺桶まで歩こう |
| 4 | お金を経験に変える | DIE WITH ZERO |
| 5 | 老いの姿勢を整える | 老いの品格 |
| 6 | 相続・介護・遺言を整理する | 終活大全 |
| 7 | 人生100年時代の引退を考える | RETIRE SHIFT |
本人が読むなら1、3、4から。親の終活を考える家族なら1、3、6から。まだ50代・60代なら4、7から入ると、自分ごととして考えやすいです。
70代・80代の生き方と終活本おすすめ7選
1. 『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』
林真理子による70代の生き方エッセイ。80代を見据え、70代をどう使うか考えたい人向け。
今回の軸にしたいのが、林真理子の『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』です。幻冬舎の版元ページと「5月の幻冬舎新書新刊」では、発売日は2026年5月27日と確認できます。紙版ASINは 434498806X です。
タイトルはかなり強いです。けれど、単なる脅しの本として読むのはもったいないと思います。重要なのは、80代を前にして、70代をどう位置づけるかです。70代はまだ動ける。会いたい人に会える。行きたい場所へ行ける。仕事や役割を少し変えながらも、自分の意思で時間を使える。その期間を「余生」ではなく「特別な時間」と捉えるところに、この本の読みどころがあります。
70代・80代の本は、介護や相続の実務に寄ることが多いです。それも大事ですが、その前に必要なのは、老いをどう受け止めるかという言葉です。体力が落ちる。人間関係が変わる。見た目も、記憶力も、社会での役割も変わる。その変化を恥じるのではなく、どう面白がるか。林真理子の語り口は、そこに入りやすいはずです。
親に読んでほしい本としても、自分が50代・60代で先に読む本としても使えます。70代をただ怖がるのではなく、まだ選べる時間として考え直したい人に向いています。
2. 『80歳の壁』
70代から80代へ進むときの不安を考えるなら、和田秀樹の『80歳の壁』は外しにくい一冊です。
この本が広く読まれた理由は、老いを「管理されるもの」としてではなく、「本人の楽しみと納得をどう残すか」という視点で語ったことにあると思います。高齢期になると、周囲はどうしても安全、検査、制限、管理を重視します。もちろん医療的な判断は大切です。ただ、本人の楽しみや意欲を削りすぎると、長く生きることの意味が薄くなります。
80代の本を読むときに大切なのは、正しさだけでなく、本人の気持ちを見落とさないことです。食べたいもの、会いたい人、続けたい習慣、やめたくない役割。そうした小さな希望が、老いの生活を支えます。
家族が読む場合は、「親をどう説得するか」ではなく、「親が何を守りたいのか」を聞くための補助線になります。本人が読む場合は、過度に縮こまらず、80代を自分の時間として引き受ける入口になります。
3. 『棺桶まで歩こう』
終活を考えるとき、書類や相続より先に押さえたいのが身体です。そこで読みたいのが、萬田緑平の『棺桶まで歩こう』です。
著者は在宅緩和ケアの現場で多くの患者を見てきた医師です。本書の核は、延命だけを目的にするのではなく、最後まで自分らしく過ごすには何が必要かという問いにあります。タイトルの「歩こう」は、単なる運動習慣のすすめではありません。歩けることが、食べる、会う、外へ出る、自分で選ぶという生活の自由につながるからです。
内閣府の高齢社会白書でも、75歳以上の運動習慣のある者の割合は男性48.0%、女性36.8%と示されています。高齢期の健康は、若い頃のように鍛える話だけではありません。転ばない、閉じこもらない、歩く機会を残す。そうした地味な習慣が、生活の尊厳に直結します。
70代・80代の本人にとっては、「何歳まで生きるか」より「どんな状態で過ごすか」を考える本です。家族にとっては、医療や介護の判断を、本人の生活の質から考えるきっかけになります。
4. 『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』
70代・80代の生き方を考えるとき、『DIE WITH ZERO』はかなり重要です。
この本は、老後資金を軽視する本ではありません。むしろ、お金を貯めることが目的化して、使うべきタイミングを逃していないかと問い直す本です。高齢期になるほど、お金の価値は「金額」だけでは決まりません。体力があるうちに旅行へ行く。会いたい人に会う。子どもや孫との時間に使う。健康を守るために使う。経験には、使う時期があります。
終活というと、残すお金、相続するお金、介護に備えるお金に意識が向きます。それは必要です。ただ、全部を「残す」方向に寄せると、自分の人生に使う分が後回しになります。
『80代になるとたいていボケるか死ぬ』が70代を特別な時間として捉えるなら、『DIE WITH ZERO』はその時間にお金をどう配分するかを考える本です。お金を不安のためだけに持つのではなく、後悔を減らすために使う。70代以降の読書に入れておきたい一冊です。
5. 『老いの品格 品よく、賢く、おもしろく』
老いの問題は、健康やお金だけではありません。日々のふるまい、人との距離感、機嫌の取り方にも表れます。そこで読みたいのが『老いの品格』です。
高齢期になると、できないことが増えます。予定通りに動けない。若い頃のように覚えられない。人に頼る場面も増える。そのとき、老いをただ悔しがるだけだと、周囲との関係まで苦しくなります。
この本は、老いを品よく、賢く、おもしろく受け止めるための読み物として使えます。終活の実務とは違いますが、実はかなり大切です。なぜなら、家族との会話、介護する側との関係、友人との距離感は、制度では解決しきれないからです。
70代・80代の本人が読むなら、自分の機嫌を自分で整えるヒントになります。家族が読むなら、老いた親の言動をすぐに「わがまま」と決めつけず、背景にある不安や喪失感を考える助けになります。
6. 『相続・遺言・介護の悩み解決 終活大全』
生き方の本を読んだら、最後は実務にも落とす必要があります。そこで使いやすいのが『相続・遺言・介護の悩み解決 終活大全』です。
終活で後回しにされやすいのは、話しにくいことです。お金のこと、家のこと、介護の希望、延命治療、葬儀、遺言。どれも大切なのに、親子で切り出すのは難しい。だからこそ、1冊の本を間に置く意味があります。
このタイプの実務本は、本人だけで読むより、家族で項目を確認する使い方が向いています。何を決めているか、何が未定か、誰が連絡先を知っているか。終活は、完璧な準備を一気に終える作業ではありません。未整理の場所を見つけ、少しずつ埋める作業です。
70代・80代の本人にとっては、自分の希望を家族に残すための本です。子世代にとっては、いざというときに慌てないための地図になります。
7. 『RETIRE SHIFT 人生100年時代の引退戦略』
50代・60代から先に考えておきたい人には、『RETIRE SHIFT』も候補になります。
70代・80代の終活を考えるとき、いきなり最期の準備に飛ぶと重くなります。その前に、引退後の時間をどう設計するかを考える必要があります。仕事を完全にやめるのか、少し働くのか、地域や趣味に軸を移すのか、学び直すのか。人生100年時代の引退は、単なる退職日ではなく、生活の再設計です。
内閣府の高齢社会白書でも、65歳以上の労働力人口比率は長期的に上昇傾向にあります。65~69歳だけでなく、70~74歳、75歳以上でも働く人はいます。もちろん全員が働くべきという話ではありません。大切なのは、働く、学ぶ、休む、支える、遊ぶという選択肢をどう組み合わせるかです。
終活を「終わりの準備」としてではなく、「引退後の人生設計」として考えたい人に向いています。
目的別:70代・80代の生き方と終活本の選び方
70代をどう使うか考えたいなら『80代になるとたいていボケるか死ぬ』
70代は、まだ動ける時間です。体力も、人間関係も、仕事の役割も変わりますが、選べることは多い。だからこそ、この本を最初に置くと、老いをただ怖がるのではなく、時間の使い方として考え直せます。
80代の親との向き合い方を考えたいなら『80歳の壁』
親が80歳前後になると、子ども世代はつい管理したくなります。ただ、本人の楽しみや意欲を削りすぎると、関係がこじれます。『80歳の壁』は、本人の納得をどう残すかを考える補助線になります。
健康寿命を軸にするなら『棺桶まで歩こう』
終活の土台は身体です。歩けること、食べられること、外へ出られることは、生活の自由に直結します。健康寿命を現実的に考えるなら、この本が入口になります。
お金の使い方を考えるなら『DIE WITH ZERO』
お金は残すだけでなく、使うタイミングが重要です。70代以降は、経験に使える時間と体力が限られてきます。後悔を減らすために、何にお金を使うかを考えたい人に向いています。
相続・介護・遺言を整理するなら『終活大全』
家族で具体的に話すなら、実務本が必要です。相続、介護、遺言、葬儀、連絡先、実家の整理。項目を見ながら確認すると、話しにくいテーマでも進めやすくなります。
70代・80代の終活で最初に話しておきたい3つのこと
1. 医療と介護の希望
どこまで治療を望むのか。自宅で過ごしたいのか、施設も選択肢に入れるのか。誰に判断を任せたいのか。元気なうちに話しておくほど、家族は迷いにくくなります。
2. お金と書類の場所
預金、保険、年金、証券口座、不動産、借入、重要書類。内容を全部共有する必要はなくても、どこに何があるかだけは分かるようにしておきたいです。相続の不安は、情報の所在が分からないことから大きくなります。
3. 最後まで残したい楽しみ
終活は、手続きだけではありません。食べたいもの、会いたい人、行きたい場所、続けたい習慣。ここを聞いておくと、介護や医療の判断にも本人らしさが残ります。
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参考にした公的情報・版元情報
- 内閣府 令和7年版高齢社会白書 高齢化の現状と将来像
- 内閣府 令和7年版高齢社会白書 健康・福祉
- 内閣府 令和7年版高齢社会白書 就業・所得
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- 幻冬舎『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』
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まとめ:終活は、老いを怖がるより「残す時間」を整えること
70代・80代の本を読むと、どうしても死や介護や認知症の話が出てきます。けれど、それは絶望の話ではありません。むしろ、限りある時間をどう使うかをはっきりさせる話です。
最初の1冊なら、70代をどう使うか考えられる『80代になるとたいていボケるか死ぬ』。健康寿命を考えるなら『棺桶まで歩こう』。お金と経験の配分を考えるなら『DIE WITH ZERO』。家族で実務を進めるなら『終活大全』です。
終活は、最後をきれいに片づけるためだけのものではありません。今日から何を大切にして生きるかを、本人と家族で共有するための作業です。






