レビュー
概要
『僕たちは、地味な起業で食っていく。』は、派手な起業ではなく「地味な起業」で経済的自立を目指す本です。 やりたいことがない。 まとまったお金もない。 明確なビジョンもない。 そういう状態でも進める生存戦略として、地味な起業を提案します。
本書の良さは、起業を「夢」ではなく「生活の設計」に戻してくれる点です。 スマホです。 PCです。 あとは少しの素直さ。 紹介文では、その程度から始められるとされています。 この軽さが、逆に現実的です。
読みどころ
1) 序章で「市場価値」の定義を置き直す
序章の中に「市場価値=『手伝ってください』と言われる力」という言葉が出てきます。 ここが刺さります。 派手な実績より、頼られる力が重要だという話です。
さらに「好きなこと」「得意なこと」がない人ほど稼げる時代という視点も出ます。 自己分析で止まる人に効きます。 自分軸の作り方へ進みやすくなります。
2) 第1章が「地味な起業」の考え方を固める
第1章は考え方の章です。 目次には、次のような項目が並びます。
- 自分が主役になる必要はない
- 相手の「できない」が資産になる
- 資格、実績、肩書はいらない
- 資金0円で、今日からできる
- 発信力、影響力はゼロでいい
- 受け身でいるほどうまくいく
ここで起業観が変わります。 自分の才能を売る発想だと苦しくなります。 相手の困りごとを手伝う発想だと続きます。 地味な起業は、後者に寄せます。
3) 第2章が「稼ぎの小ネタ実例集」になっている
第2章は実例集です。 ここが具体的です。 目次に、職種の棚が用意されています。
マネジメント系です。 Excelで数値管理です。 システム設定代行です。 広告代行です。
クリエイティブ系です。 画像作成です。 プレゼン資料作成です。 スマホ動画作成です。 Webページ作成とディレクションです。 ライティング代行です。
コミュニケーション系です。 電話対応です。 LINE返信対応です。 セミナーリサーチです。 セミナーやイベント運営です。 秘書業務です。
この並びを見るだけで「自分にもできるかも」が出ます。 派手な起業アイデアがなくても進めます。 それが、この本の強さです。
4) 第3章で「指名され続ける人」への道筋を作る
第3章は、ビジネスパートナーとの出会い方です。 レベル分けがあるのも良いです。 いきなり人脈を作れと言われても無理です。
目次には、ブログやメルマガへの登録が出ます。 さらに、返信やリアクションで好印象を植え付ける話もあります。 クラウドソーシングです。 在宅業務仲介サービスです。 現実的なルートが並びます。
第2章の「スタートアップ診断」が行動を軽くする
第2章には「見るだけで自分にぴったりの働き方が見つかる」スタートアップ診断が出てきます。 ここが、地味に強いです。
副業や起業は、最初の選択で止まりがちです。 何をやるかが決まらない。 決まらないから始まらない。 診断の形があると、選択が軽くなります。
棚が3つあります。 マネジメント系です。 クリエイティブ系です。 コミュニケーション系です。 この棚があるだけで、自分の得意を探しやすいです。
「リモートワークは三種の神器でマスターできる」が刺さる
第2章には、リモートワークは「三種の神器」でマスターできるという項目もあります。 言い切りが強いです。 だからこそ、行動が具体になります。
在宅で稼ぐには、働く環境が必要です。 環境がないと続きません。 続かないと単価が上がりません。 まず環境を整える。 その順番を思い出させてくれます。
読み方のコツ
まず第2章の実例集から読むのがおすすめです。 気になる小ネタを3つ選びます。 次に、第1章へ戻ります。 選んだ小ネタを、相手の「できない」へ寄せて言語化します。
最後に第3章で、出会い方を決めます。 メルマガ返信をする。 クラウドソーシングで小さく始める。 どれでもいいです。 行動が1つ決まると、読後に止まりません。
「受け身でいるほどうまくいく」の意味を誤解しない
第1章には「受け身でいるほどうまくいく」という項目があります。 この言葉は、何もしないで待つ話ではないです。
相手の困りごとを先に見つける。 小さく手伝う。 手伝いの精度を上げる。 その結果、指名が増える。 こういう受け身だと思います。
派手な自己主張より、役に立つ積み上げ。 この方向へ背中を押してくれるのが、地味な起業の良さです。
類書との比較
- 起業本は、資金調達やスケールの話に寄りがちです。本書は、生活の設計としての起業を押し出します。
- 自己啓発は、自分探しで止まりがちです。本書は、相手の「できない」を起点にして、行動へ落とします。
- 副業本は、アイデア集で終わることがあります。本書は、マネジメント系、クリエイティブ系、コミュニケーション系と棚を作り、選びやすくします。
こんな人におすすめ
- 会社に残るか辞めるかで迷っている人
- 派手な起業は無理だと感じる人
- 小さく始めて、指名される働き方へ寄せたい人