レビュー

概要

シリーズ累計10万部超の『ぶっちゃけ相続』が改訂され、「相続贈与一体化」や相続登記義務化など、2024年以降の制度改正に完全対応。税理士でありYouTuberとしても知られる橘慶太が、生前贈与、相続税、土地放棄、不動産節税の最新トレンドを噛み砕きながら、相続の不安をスピーディに払拭するガイドになる。

読みどころ

  • 「生前贈与に頼りきれない時代の乗りこなし方」を冒頭で提示。2024年に生前贈与の持ち戻し期間が3年から7年になったことを受け、その範囲内で有効な対策を一覧化。孫への贈与を「税制の盲点に着目する逸機」として紹介し、持ち戻し制度や相続時精算課税の設計を具体的に提示している。
  • 「相続登記の義務化」「土地放棄制度」「タワマンにかかる規制」など、相続の実務に直結する最新法改正の1ページまとめが好評。その場で「今の制度をどう使うか」まで落とし込みやすいように、手続きのフローと必要書類・税額の試算例をセットで構成している。
  • 後半ではリスクとトレードオフを明確にするため、「贈与税を払う戦略」のシナリオを3つ提示し、税を払うことで相続時の争いを避けた事例、逆に払わずに争いになった事例を対比。数字だけではなく、感情や家族関係の調整も含めて相続の理解を深める。

類書との比較

『相続税の基本』などの教科書が制度の仕組みを並べるのに対し、本書は YouTuber 税理士の視点で「今の制度を使う/逡巡する」判断を先送りしない姿勢。たとえば他書が1年に一度では済まない更新のタイミングを淡々と列挙するのに対して、橘氏は「今日の意思決定の前にチェックすべき5項目」を再現できる構成にしている。

こんな人におすすめ

・親の相続や自分の将来の資産移転をどう考えればいいか不安な人。
・税理士との相談を控えて一度自分で制度を整理したい人。
・相続に関する話題を家族で共有したい人。

感想

まるで税理士の相談室にいるようなテンポで読み進められ、具体的な事件や制度改正の数字を自分の家庭に置き換えることができる。特に “相続登記の義務化” の章では登記の実務フローが図解されていて、やるべきことが明示される。相続税対策が不安なまま思考停止することが多かったが、改訂版は当面の対策と次のステップを同時に示してくれるので、頭の中が整理される一冊だった。

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    高橋 啓介

    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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