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レビュー

概要

『マンガと図解でよくわかる新NISA&iDeCo&ふるさと納税[増補改訂2版] ゼロからはじめる投資と節税入門』は、資産形成と節税の入口を、3つの制度を並べながら学べる本です。著者は酒井富士子さん。新NISAだけ、iDeCoだけを切り出すのではなく、ふるさと納税まで含めて「家計に効く制度」をまとめて見せてくれるのが特徴です。

タイトルどおり、マンガと図解が中心なので、制度の本にありがちな重さがかなり抑えられています。新NISAの非課税枠、iDeCoの所得控除、ふるさと納税の仕組みを、別々の知識ではなく、生活の中でどう使い分けるかという視点で整理してくれます。

読みどころ

まず良いのは、新NISAとiDeCoを同じ土俵で比べられることです。初心者は制度ごとに本を分けて読むと頭の中でつながりにくいですが、本書は「いつ使うお金か」「引き出し条件はどうか」「どこで得になるのか」を横並びで整理してくれます。そのため、どちらを先に使うべきかを考えやすいです。

次に実用的なのが、ふるさと納税まで含めている点です。投資制度の本を読んでも、節税の実感がすぐ出るわけではありません。一方、ふるさと納税は比較的早く手応えがある制度です。本書はこの3つを一緒に見ることで、資産形成と節税を家計全体の話として捉え直させてくれます。

また、マンガ形式が単なる読みやすさで終わっていません。制度の説明だけでなく、どこで迷いやすいか、どんな誤解が起きやすいかを会話の流れで拾ってくれます。専門用語を見て止まりやすい人でも、読み進めながら「つまりこういうことか」と整理しやすい構成です。

さらに、図解が多いので、制度比較を家族と共有しやすいのも強みでした。家計を夫婦で話し合うとき、文章だけの本より、枠組みが見える本のほうが説明しやすいです。1人で理解するためだけでなく、家庭内の共通認識を作る本としても使いやすいと感じました。

類書との比較

制度解説本は正確でも、読後に何をすればいいか見えにくいことがあります。本書は、その手前の不安をほぐす本です。専門書ほど深くはありませんが、最初の判断をするには十分な材料がそろっています。

また、新NISA本やiDeCo本を別々に読むより、家計の観点ではこちらのほうが入口として使いやすいです。投資と節税をまとめて把握したい人には、情報のまとまり方がちょうどいい一冊です。

こんな人におすすめ

税制優遇を使ってみたいけれど、制度が多すぎて混乱している人におすすめです。特に、新NISAだけでなく、iDeCoやふるさと納税も気になっている人には向いています。家計管理の担当者や、夫婦でお金の方針を話し合いたい家庭にも使いやすいです。

活字の多い制度本が苦手な人にも合います。まとまった勉強時間を取れない人でも、区切りながら読みやすい構成でした。

制度を知ったあと、家計簿や固定費の見直しまでつなげたい人にも向いています。投資だけを切り出すのではなく、家計全体の中で制度をどう使うかを考えやすいからです。

特に、家族の中で「まず何からやるか」を決めたいときに役立ちます。3制度を同じ地図の上で見られるので、優先順位をつける会話がしやすくなります。

制度をそれぞれ別のタイミングで覚えるより、最初にまとめて輪郭をつかみたい人には相性がいいです。入口で迷子になりにくいという意味でも、初学者向けのまとまり方が上手い本でした。

感想

この本を読んで良かったのは、「制度を知る」と「家計に入れる」がつながりやすいことでした。新NISAやiDeCoを単なる話題で終わらせず、生活にどう組み込むかまで考えられます。節税制度をまとめて見渡せるので、家計の優先順位も決めやすくなります。

もう1つ印象に残ったのは、難しさを減らしながらも雑にはなっていないことです。マンガ本でも、制度の骨格はきちんと押さえられています。最初の一冊としてかなり実用的で、読後に「これなら試してみよう」と思いやすい本でした。

一度読んで終わりではなく、申込前や年末の見直し時期に戻ってきやすいのも良かったです。家計に効く制度を、生活者目線で並べて理解したい人にはかなり使いやすい本でした。

制度を難しい知識としてではなく、使い方の選択肢として覚えたい人に向いています。家計改善の導入本として、かなり堅実な一冊だと思います。

投資と節税を切り離して考えていた人ほど、読後の見え方が変わるはずです。家計の中で制度をどう並べるかという視点を作ってくれる、息の長い入門書でした。

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    佐々木 健太

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