レビュー

概要

『はじめてのやせ筋トレ』は、「運動きらい」「外に出るのめんどくさい」「走るの無理」と思っている人のための、“家でできる筋トレ本”です。無理なダイエットを続けてリバウンドを繰り返していた著者は、筋トレに切り替えて5ヶ月で10キロ落としました。その経験をベースに、体を引き締めるための「やせ筋」を狙うトレーニングだけを厳選しています。

筋トレの本って、フォームが難しかったり、回数が多すぎたりして、読むだけで疲れることがあるんですよね。本書はその逆で、「最初は1回からでもOK」「10分あれば3ポーズできる」とハードルを下げ、しかも“効いた感”が出やすい構成になっています。

読みどころ

1) 「やせ筋」を狙うから、少ない時間でも変化が出やすい

この本のキーワードは「やせ筋」。闇雲に回数を稼ぐのではなく、引き締めに必要な筋肉を狙うことで、短時間でも体の変化を感じやすい、という立て付けです。「たった1ポーズでも体の変化を感じられる」と書かれているのが象徴的で、やる前の心理的な壁を下げてくれます。

2) 全編オールイラストで、初心者でも迷子になりにくい

運動初心者がつまずくのは、用語よりも「結局どう動けばいいの?」問題です。本書はオールイラストです。視覚から理解しやすい構成になっています。1人でやるときの不安も減ります。ここはかなり大きいポイントです。

3) 初級だけで終わらず、上級編とストレッチまで入っている

慣れてきた人向けの上級編や、細見えストレッチも紹介されます。最初は超軽く始めて、続けられたら段階的に深められる。挫折しづらい“育てる設計”になっています。

本の具体的な内容

本書は「家で、10分で、気が向いたときにできる」ことを前提に、手軽で効果的な自宅トレがまとめられています。

具体的には、著者が「実際に効果があった」と感じた、やせ筋を狙うトレーニングだけを紹介するスタイル。だから、メニューの数を増やして達成感を作るのではなく、少ない動きで“効く”感覚を作りにいきます。

また、「むやみに回数を稼ぐ必要なし」「最初は1回からでもOK」というメッセージが繰り返し出てくるのも、この本の優しさです。筋トレが続かない人ほど、最初から100点を取りに行って折れるので、最初から“1点でいい”と言ってくれるのは救いになります。

紹介文では「累計50万部」「テレビ番組で紹介」といった実績も触れられていて、入口として手に取りやすい本であることが分かります。ただ、そこで終わらず、初級だけでなく上級編や細見えストレッチまで入っているので、続けるほど“次の一手”が出る構成になっています。

使い方のコツ(「続く」状態を先に作る)

この本は、ガチ勢のトレーニング計画というより、「とにかくやめない」ための本として使うのが向いています。たとえば、最初の1週間は“同じ時間に1ポーズだけ”と決めて、成功体験を積む。できたら、10分で3ポーズに増やす。増やすのは気分が上がっているときだけで、落ちた日は1回に戻す。こういう上下動を許すと、習慣が途切れにくいです。

あと地味に効くのが、オールイラストで「どこに効かせるか」がイメージしやすい点。動画みたいに一瞬で流れていかないので、迷ったときにページを戻って確認できる。初心者が一人でやるときの“詰まり”を減らしてくれます。

注意点(体を痛めないために)

短時間で効かせるぶん、フォームが雑になると逆に体を痛めやすいのは注意点です。違和感があるときは無理に回数を増やさず、ストレッチのパートを優先する、あるいは休む。筋トレは頑張り続けるものというより、体調に合わせて“戻れる設計”にした方が長続きします。

類書との比較

ダイエット本には、食事管理中心のものと、運動中心のものがあります。本書は運動中心ですが、ジム通い前提ではなく、自宅で完結するのが特徴。運動が嫌いでも続けられるように、心理的ハードルを下げる言葉が多いのも、他の筋トレ本とは違うところです。

フォームを厳密に追い込みたい人には、トレーナー監修のフォーム特化本や動画教材が向くかもしれません。ただ、運動が苦手な人ほど必要なのは“厳密さ”より“継続”です。入口としての相性はかなり良いと思います。

こんな人におすすめ

  • 運動が嫌いで、ダイエットがいつも続かなかった人
  • 外へ出ず、家でこっそり体を引き締めたい人
  • ランニングやジムが続かなかった人
  • まずは1日10分から、生活に運動を入れたい人

感想

この本の良さは、『頑張れ』を言わない点です。頑張れない日があるのを前提にして、やれる形にしていく。実はそれが一番の近道なんですよね。

筋トレは、最初の数回がいちばんしんどい。そこを「1回からOK」で越えさせてくれて、「できた」を積み上げていく。運動嫌いの人が“運動を嫌いなまま”続けられるように作られた、かなり現実的な一冊でした。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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