『BRAIN DRIVEN (ブレインドリブン) パフォ-マンスが高まる脳の状態とは』レビュー
著者: 森田 凛子
出版社: KADOKAWA
¥2,178 Kindle価格
著者: 森田 凛子
出版社: KADOKAWA
¥2,178 Kindle価格
脳科学者の森田凛子が、アスリートや経営者、クリエイターの現場で観察した「脳がやる気モードに入っているときの兆候」を、科学的なパターンとして拾い上げたのが本書だ。ブレインドリブンとは、外的要因ではなく脳の状態変化の観測からパフォーマンスを導く発想。自己観察用の「4つの脳モード」(集中、拡張、休息、回復)や、それぞれのモードに対応する呼吸・運動・食事・問いかけが、実践的に整理されている。
『エフォートレス』は思考を減らして結果を出す哲学を提示するが、本書は脳の物理的状態そのものを観察し、振動・呼吸・味覚を通じてパターンを立てる点で異なる。『HIGH PERFORMANCE HABITS(邦訳)』が習慣ベースで成果を追うのに対し、『BRAIN DRIVEN』は成果より先に「脳の状態」を整える。たとえば同じ「朝のルーティン」でも、『BRAIN DRIVEN』では脳波の測定結果に応じて微調整するため、個人差に柔軟に対応する点が優れている。
「脳を観測する」という語感が先行するが、実際の内容は丁寧な記録とワークの集合体。特に、1週間の脳モードを色で塗り分けるワークはLinuxのタスクマネージャーのように視覚化され、休息と集中の比率を俯瞰できるようになっている。呼吸法や嗅覚刺激などの具体施策も、単発ではなく「モード間のスイッチング」として提示されるので、疲れたときに「何をやるべきか」を即座に選べる。読後に行動が変わる点で、脳に責任を負わせる新しいパフォーマンス習慣として魅力的だ。