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レビュー

概要

『自分に自信をつける最高の方法』は、自己肯定感をふわっと励ますだけで終わらせず、日常の所作、言葉づかい、姿勢、考え方の癖から整えていく本です。ミス・ユニバース・ジャパンの指導現場で培われた視点が土台になっており、「自信があるように見える人は何をしているのか」をかなり具体的に落とし込んでいます。

本書の面白さは、自信を才能や性格ではなく、訓練できる状態として扱うところです。自分を好きになれない人に対して、無理にポジティブな自己暗示をかけるのではなく、姿勢、呼吸、表情、視線、言葉の選び方を少しずつ変えることで、内面にも変化が起きると説きます。精神論一本ではなく、外側から内側へ働きかけるタイプの本です。

読みどころ

読みどころは、自信を「根拠のある万能感」ではなく、「自分の状態を自分で整えられる感覚」として説明しているところです。だから本書では、いきなり大きな成功体験を求めません。朝の身支度を丁寧にする、人前で胸を開く、否定から入らない、自分にかける言葉を変える、といった小さな行動から積み上げていきます。

また、他人との比較にどう向き合うかの話も現実的です。美しさや評価を競う世界の話が背景にあるぶん、比較をやめようと単純に言わないところがよいです。比較は起きるものだと認めたうえで、自分の価値を他人の点数へ預けない工夫を考えさせます。批判や劣等感をゼロにするのではなく、振り回されにくい状態へ少しずつ持っていくのが本書のスタンスです。

さらに、内面の話だけでなく見た目や所作を軽視しない点も印象に残ります。姿勢や歩き方、目線や表情は、他人への印象だけでなく、自分自身の気分や覚悟にも影響する。ここは好みが分かれるかもしれませんが、「気持ちが整ってから姿勢を変える」のではなく「姿勢を変えることで気持ちも整う」と考える人にはかなり響くと思います。

本書が実践的なのは、自信を心の中だけで完結させないところです。服装、立ち方、声の出し方、部屋の整え方、人と話すときの入り方など、外側の環境や行動を変える手順が多いので、落ち込んでいるときでも着手点を見つけやすいです。「まず1つ整える」という発想があるから、自己啓発書にありがちな空回り感が比較的少ないと感じます。

類書との比較

自己肯定感の本には、心理学の理論を中心に据えるものと、自己暗示やポジティブ思考を勧めるものがあります。本書はそのどちらとも少し違って、立ち居振る舞いや身体感覚まで含めて自信を育てようとします。抽象論だけでは変われなかった人に向くタイプです。

また、美容や印象管理の本に見えて、実際にはかなり生活全体に効く内容です。外見を磨く話に閉じず、対人関係やセルフトーク、失敗したときの立て直しまで扱います。見せ方の本というより、自分の扱い方の本として読んだほうがしっくりきます。

こんな人におすすめ

人前で萎縮しやすい人、自分に自信が持てず比較で消耗しやすい人、見た目や所作を整えることが内面にもつながると感じる人に向いています。とくに、自己肯定感の本を何冊か読んでも行動が変わらなかった人には相性がいいです。

逆に、理論中心の心理学書を求める人には少し軽く感じるかもしれません。本書は分析より実践寄りで、まずは自分のふるまいを変えることを重視します。

感想

この本を読んでよかったのは、自信を「あるかないか」で考えなくなったことです。自信がないから動けないのではなく、動ける状態をつくるから少しずつ自信が育つ。本書はその順番をかなり丁寧に示してくれます。気持ちの問題を気持ちだけで解決しようとしないところに、実用性があります。

華やかな世界の経験が語られていても、内容は意外なくらい地に足がついています。特別な才能がなくても、日々の所作や自分への言葉を変えるだけで、人前での居心地は少しずつ変わる。自己肯定感を一気に高める魔法の本ではありませんが、毎日の振る舞いから自分を立て直したい人にはかなり役立つ一冊だと思います。

とくに、人前でうまく話せない、写真に映る自分が嫌い、注意されると必要以上にへこむ、といった悩みを持つ人には試しやすいヒントが多いです。大きな自己改革ではなく、見え方とふるまいを少しずつ整える。その積み重ねで自分への扱い方を変えていく本として読むと、本書の価値がよくわかります。

自信を持てと言われるほど苦しくなる人にとって、本書のよさは「無理に気分を上げなくていい」ところにもあります。先に姿勢を整える、声を少し低く落ち着かせる、鏡を見る時間を増やす。そんな外側の調整から入れるので、自己否定が強い時期でも試しやすい一冊でした。

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