『いつかティファニーで朝食を 1巻 (バンチコミックス)』レビュー
出版社: 新潮社
¥396 Kindle価格
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『いつかティファニーで朝食を』1巻は、失意を抱えた主人公が、朝の光とともに自分自身を再調整する儀式としての朝食に向き合う物語。パンを焼き、コーヒーを淹れ、ティファニーの窓辺と呼べる空間を再現しながら、彼女の身体はゆっくりと新しいリズムを刻んでいく。朝食の「香り・温度・音」を丁寧に操作することで、見えない時間を再定義する。
生活と食を結びつけた作品としては『きのう何食べた?』や『深夜食堂』が挙げられるが、本作は“朝”を基軸に五感のリズムを再設計する。ティファニーというブランドの時間的な厚みを背景に、食事を自己調律とする点で新しい地平を開いている。
1巻を読み終えると、朝食が単なる栄養補給ではなく、身体の整列を意味することが伝わる。香りと光と音を同時に扱う構成が、呼吸を整える手掛かりを与えてくれる。