レビュー
概要
『アシガール』1巻で、現代から戦国時代にタイムスリップした女子高生・唯が、忍者の羽木九八郎に遭遇し、彼の身体的・時間感覚を再調整する。唯は現代知と感情の機微で、戦国の「身体の律動」に同調しながら、身のこなしを再学習していく。
読みどころ
- 忍術の一つである「気の流れ」を唯が理解するシーンでは、呼吸と視線のテンポが同時に描かれ、そこに現代のスポーツ科学に通じるリズムの調整がある。
- 彼女が戦国の道具を扱うとき、細かい角度や力加減の違いを図解し、身体の回転運動を制御する方法を読み手に伝える。
- 同時に唯は心拍を読みとり、九八郎の表情を観察することで、体温を共有する術を模索する。
類書との比較
タイムスリップ×武士的作品では『信長のシェフ』などがあるが、本作は身体の仕組みをリズムとして再構築する点で独特。戦国の現場に現代の思考を合わせることで、身体と時間のズレを意識的に埋めようとする。
こんな人におすすめ
- 時代を超えて身体のリズムを調整することに興味がある読者。
- 歴史と運動の両方を物語で捉えたい人。
- 心拍と視線を同調する物語が好きな方。
感想
1巻では唯の身体が少しずつ戦国の空気に馴染む様子が丁寧に描かれており、読者も自分の時間と彼女の時間を並べて見る感覚が育つ。