レビュー
概要
『ペンギンとセルフケア』は、イラストレーター坂崎千春が描くペンギンたちの行動を通して、自分を整えるための小さな方法を集めた一冊です。すみれ書房の公式紹介では、「セルフケアが上手なペンギン」の111の行動を紹介する本だと説明されています。
ポイントは、セルフケアを特別な技術として扱っていないことです。お風呂にゆっくり入る、スマホを置いて出かける、群れから離れる、「いやです」と言う練習をする。そんな日常の延長にある行動を、ペンギンのイラストと短い言葉でやさしく提示してくれる構成になっています。
読みどころ
本書の魅力は、眺めるだけでも気持ちがゆるむところにあります。坂崎千春のペンギンイラストが130点収録されていて、画集としての楽しさも強い一冊です。そのうえで、行動提案はどれも難しくありません。頑張って自分を変えるのではなく、少しやさしく扱う方向へ読者を向かわせてくれます。
また、出版社コメントにもあるように、この本は「絵が先」にあった企画です。だから理屈から入るセルフケア本とは違い、まず絵の空気に触れて、そのあとで「この行動、真似してみようかな」と思えるつくりになっています。新年度の疲れがたまりやすい時期にも相性がよさそうです。
向いている人
- 頑張る系の自己啓発本に疲れている人
- まずは小さなセルフケアから始めたい人
- ペンギンや坂崎千春のイラストが好きな人
- 寝る前に静かに読める本を探している人
気になる点
理論やデータに基づくセルフケア本を求める人には、少し物足りないかもしれません。本書の強みは再現性より、入りやすさと余白にあります。だからこそ、理屈より感覚で整えたい読者に向いています。
まとめ
『ペンギンとセルフケア』は、セルフケアを立派な習慣ではなく、生活の中の小さな行動へ戻してくれる本です。読むこと自体がひと息になるタイプの本として、疲れがたまりやすい時期に手に取りやすい一冊だと感じます。