レビュー
概要
Property Access代表の風戸裕樹が、2021年にフィリピンに注目する富裕層の動きを追いながら書いたガイド。東南アジアに拠点を置きながら本人や専門家が繰り返した購入・売却経験をもとに、東京大学の研究者や大手デベロッパーも含めた複数のインタビューを構成し、クロスボーダー取引のリアルな駆け引きと失敗を回避する基本線を示す。citeturn1search4
読みどころ
1章ではフィリピンの法制度や都市開発を「具体的な企業インタビューと現場の時間軸」で追い、事前に相談すべき日本側パートナーを明示する。中盤では家賃収入や資産防衛のために何をチェックするかを「投資家の視点×現地マネージャーの視点」で描き、後半は法的トラブルとその対処を実体験を交えて語る。作者自らがシンガポール移住後に学んだ東南アジアの慣習や合弁先とのミーティングの記録が随所に挿入され、透明性を確保するための移動ルートやパートナー選びの観点が伝わる。citeturn0search3turn1search4
- ポイント1:高齢富裕層が国内の物価や円安を不安視してフィリピンへ資金を移す理由を、現地の政策と日本の資産保全目線から整理する。citeturn0search5
- ポイント2:インタビューの中で、実際にフィリピンで事業を行う企業と協力して得た現地の「現場ルール」や「交渉の順番」を細かく記録。citeturn1search4
- ポイント3:トラブル回避のために「事前の個別相談会」を開催した経験も紹介し、現地パートナーと不断の対話を維持する重要性を強調。citeturn1search4
類書との比較
利回りや税制の一覧に終始する一般的な海外不動産ハンドブックとは異なり、本書はインタビューという“声”を軸にして透明性と監査の視点を重ねる。一般的な海外投資の解説は、管理会社の選び方をざっくりとしか触れないのに対し、本書は実例を15年以上の経験で裏付けたうえでその“現場の人選”を重点項目に挙げる。citeturn0search5
こんな人におすすめ
- 国内資産の保全先として海外不動産を本気で検討している富裕層。
- 交渉の場で「自分の立ち位置」と「相手の期待」を言語化したい中間管理職。
- フィリピンの法制度や都市開発のリアルなスピードを知りたい実務家。
感想
「失敗しない」と題しているだけあり、常に“対話”“個別相談”“パートナー選び”という3点を軸にしているため、一般書にありがちな“利回りだけ”のトークにならない。日本の投資家にとって、投資先の物件を決める前にフィリピン現地のチームとどんな話をすべきか、巻末のリストを開きながら持ち運べる点がとても助かる。citeturn1search4