レビュー
概要
「LOVE理論」の姉妹版として2014年に登場した『スパルタ婚活塾』は、水野敬也がブログに連載した恋愛講義を加筆・改稿した一冊。従来の婚活書ではあまり扱われない“男目線”を徹底的に書き出し、アウェイ空間での振る舞い方や出会いの構造の掟、NGP(Need, Goal, Pattern)理論などをマンツーマンの講義のように解きほぐしていく。物語調ではなく実践型のテンプレートを積み重ねた書きぶりで、努力することで理想的な結婚に近づくというメッセージを伝えている。
読みどころ
- アウェイ理論は、居心地の悪い場面にあえて飛び込んで自分を試す行為を「逆境トレーニング」として扱い、実例を挙げながら思考ではなく動作で結果をつかむ筋道を示す。
- アウトレット理論では出会いの場をスーパーマーケットに見立て、相手が立ち止まりやすい場所で自分の存在を“陳列”する戦略を展開。会話の例やワークシートを使って頭の中で場面を再現できるようになっている。
- NGP理論ではNeed→Goal→Patternの3ステップで理想像と現実をつないだうえで、会話ログを分析してNGを排除する。失敗と成功を交互に配置したワークが続くので、スパルタ調に行動を組み立てる癖がつく。
- 書籍を通じて「出会い=売り場づくり」「トラブル=練習」のメタファーが繰り返され、日常の出来事を婚活の実験台に変える感覚が身につく。
類書との比較
『LOVE理論』が男性の攻めの理論をエンタメ化して人気を得たのに対し、本書は女性が守りながら攻める場面を実地調査的に描き、同じユーモアを維持しながら女性の疑問を拾っていく。恋愛技術にフォーカスしながらも、不安や失敗を具体的なワークに落とし込んでいる点で両者は互いに補完する。 『婚活ハック』のようにファッションや写真を磨く一部の婚活本があるなか、『スパルタ婚活塾』は会話・距離感・行動の三要素を絡めたワークを提供し、フィードバックループの精度で差別化されている。
こんな人におすすめ
- 男性の本音が見えずに迷っている女性
- 自分の婚活を記録しながら構造化したい人
- 失敗談をレシピとして扱いたい人
- 笑いながらも自分の行動を変えたい人
感想
- 男性の挙動を丹念に描くので、出会いで二の足を踏む「タイミング」が自分のどこにあるのか手に取るようにわかる。
- 「失敗」「成功」「反省」「対策」が交互に続き、婚活部のトレーニングに参加しているような気持ちになる。
- ユーモアとスパルタのバランスがよく、笑いながらも行動の書き換えができる。