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レビュー

概要

『子どもにもできる資産形成 いますぐ知りたいお金のしくみ』は、子ども向け金融教育の本のなかでも、「お金を大事にしよう」で終わらず、増やす・使う・守る・知るの4方向から整理している実用書です。マイクロマガジン社の作品紹介と PR TIMES の告知によれば、監修は盛永裕介さんと吉田友哉さん、イラストはさいとうかおりさん。年間2,000名以上の小中高生に金融教育プログラムを提供している実務家が関わっている点が特徴です。

この本が扱うのは、投資だけではありません。親子で楽しく学べることを前提にしつつ、正しいお金の増やし方、使い方、守り方、そしてお金の基本をイラスト付きで解説していきます。つまり「資産形成」という言葉がタイトルに入っていても、子どもにいきなり投資商品を教える本ではなく、生活に根ざした金融リテラシーの入門として作られています。

本の具体的な内容

PR TIMES の紹介では、本書の構成は第1章「お金を増やす」、第2章「お金を使う」、第3章「お金を守る」、第4章「お金のきほん」です。この4章構成はわかりやすく、今の子どもに必要な順番にもなっています。お金を貯める・増やす話だけを切り離さず、使い方や守り方まで並べているので、「たくさん持てばよい」という発想に偏りません。

第1章「お金を増やす」は、家庭でいちばん説明しにくい部分を、子ども向けに言い換える役割を担っています。2024年は新NISAの広がりで資産形成という言葉が日常に入りましたが、子どもにそのまま制度を説明しても伝わりません。本書は、長い目でお金を育てるという発想を、図とイラストで無理なく入れていきます。研究メモでも、新NISA時代の長期目線を家庭の会話へ持ち込みやすい本として位置づけられていました。

第2章「お金を使う」では、使うことを単なる消費ではなく、選ぶこととして考えさせる構成が期待できます。子どもの金融教育で抜けやすいのは、節約より前に「どう使うと納得できるか」を言葉にする視点です。本書は親子で一緒に読むことを前提にしているため、買い物の優先順位や、欲しいものと必要なものの違いを会話にしやすいタイプの本だと感じます。

第3章「お金を守る」が独立しているのも、今の時代に合っています。PR TIMES の監修背景には、投資詐欺、悪徳商法、フィッシング詐欺の多様化や、成人年齢引き下げ後の若年層リスクが挙げられていました。子ども向けのお金本は、貯金箱やお小遣い管理の話で終わることがありますが、本書は「守る」を章立てしています。これはかなり重要で、キャッシュレスやオンライン課金が日常化した時代に必要な警戒心を育てやすいです。

そして第4章「お金のきほん」が最後に置かれていることで、バラバラの知識が土台に戻ります。お金とは何か、なぜ働くと収入になるのか、なぜ社会には税金やルールがあるのか。こうした基本がないまま資産形成だけを教えると、子どもは「増やすテクニック」としてしか受け取りません。本書はそこを避けて、専門用語が出てきてもイラスト付きで整理し、無理なく理解できるようにしています。

また、マイクロマガジン社の紹介では「いますぐ役立つ情報から、大人になったとき役立つ情報まで」含むとされています。つまり本書は、今日のお小遣いの話と、将来の経済的自立の話を同じ地続きのものとして見せます。これは親子で読む本としてかなり優秀で、その場限りの知識ではなく、家庭で繰り返し参照できるつくりです。

類書との比較

子ども向けのお金本には、物語仕立てで親しみやすい本や、お小遣い帳中心のワーク本も多いです。それに対して本書は、金融教育の実務家が監修し、資産形成、消費、防衛、基礎知識を4章で分けているぶん、少し体系的です。難しすぎないのに、家庭内の会話が「貯金しなさい」で止まらない。そこが強みです。

こんな人におすすめ

  • 小学生から中学生の子どもに、お金の基本を段階的に伝えたい家庭
  • 投資だけでなく、使い方や守り方まで含めて金融教育をしたい人
  • 親子で一緒に読める、お金の入門書を探している人

感想

この本の良さは、子ども向けなのに論点を甘くしていないところです。増やす、使う、守る、知るという4本柱があるので、家庭で話題が広がります。お金の本というと、大人でも身構えがちですが、本書はイラストを軸にしているため、最初のハードルが低いです。それでいて、詐欺や判断力の話まで入っているので、単なるやさしい本では終わりません。

特に今は、子どもが現金より先に電子マネーやオンライン決済に触れることも珍しくありません。だからこそ、「お金って何か」を小さいうちに会話できる本の価値は大きいです。本書は親が一方的に教えるより、一緒に読みながら考えるのに向いています。将来の投資以前に、日々のお金との付き合い方を整える。その入口として、かなり使いやすい一冊だと思いました。

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    佐々木 健太

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