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レビュー

概要

『栄養士がすすめる 40代からの太らない食べ方』は、40代以降に起こりやすい体重増加や体調の変化を、無理な食事制限ではなく「食べ方の組み立て直し」で整えていく本です。監修は今泉久美さん。レシピ本の読みやすさを保ちながら、年齢とともに起きる代謝の低下、血糖値の乱れ、食べすぎを招く習慣を丁寧にほどいていきます。

この本の魅力は、ダイエット本でありながら「我慢の本」になっていないことです。極端に糖質を切る、好きなものを全面禁止にする、といった方向ではなく、たんぱく質の量、野菜の取り方、間食との付き合い方、遅い時間の食事の工夫を、毎日の食卓に落とせる形で提案します。40代の読者が欲しいのは一時的な減量よりも、太りにくく疲れにくい状態だと思いますが、本書はまさにそこを狙っています。

読みどころ

まず実用的なのは、体型の話だけでなく、体のだるさやむくみ、空腹の波まで含めて考えているところです。40代の食事本には「若い頃と同じ量を食べなければいい」といった精神論もあります。ですが、本書はそういう乱暴な言い方をしません。朝、昼、夜で体が求めるものは違います。その前提で、どのタイミングで何を食べると乱れにくいかを組み立てています。

レシピの出し方も親切です。料理の本として見ても使いやすく、忙しい日でも作りやすい主菜、副菜、汁物が多く、食事をまるごと組み替えなくても一品ずつ試せます。ヘルシー本にありがちな「材料が多すぎて作る気が失せる」感じが少なく、普段の買い物で揃う食材が中心なのも続けやすい理由です。読み物というより、食卓の横に置いて何度も開くタイプの本だと感じました。

特に印象に残るのは、太らないおやつや外食時の選び方まで扱っている点です。40代になると、食事そのものより間食や飲み会の積み重ねで崩れることも多いので、ここを現実的に扱っているのは大きいです。本書は「間食するなら何をどう食べるか」「夕食が遅い日はどう調整するか」といった、守れない理想論ではなく、守りやすい選択肢を並べてくれます。

また、単にカロリーを減らすのではなく、満足感を残す工夫が見えるのも良いところです。汁物やたんぱく質、噛みごたえのある食材をうまく使い、食事の量を減らした感覚を弱めています。ダイエットが続かない理由の1つは「ずっと足りない感じがする」ことですが、この本はそこをよく分かっていて、食べながら整える方向に軸があります。

類書との比較

40代向けのダイエット本には、ホルモンの変化や筋肉量の低下を説明する理論書と、糖質オフや置き換え食の実践本があります。本書はその中間にあって、理屈を最低限押さえつつ、日々の献立に直結させるのがうまいです。専門書ほど情報量が重くなく、レシピ集ほど断片的でもありません。

また、短期間で何キロ落とすといった数字目標を前面に出さないのも特徴です。体重だけを追う本ではなく、「太りにくい食習慣を作る本」として読むと価値が分かります。無理をしてすぐ戻るより、少しずつでも続く方法が欲しい人には、こちらのほうが合うはずです。

こんな人におすすめ

40代に入ってから、同じ食事量でも体重が落ちにくくなった人に向いています。特に、仕事や家事で忙しく、運動だけで何とかするのが難しい人には使いやすいです。料理本としても機能するので、「まず今日の一食を変える」ことから始められます。

家族の食事を作る立場の人にもおすすめです。自分だけ別メニューにしなくても、家族と同じ食卓の中で整えられる工夫が多いからです。体重管理だけでなく、食後の眠さやだるさを減らしたい人、健康診断の数字が気になり始めた人にも相性がいいと思います。

感想

この本を読んで感じたのは、40代の食事は「減らす」より「整える」のほうが長続きするということでした。極端な制限は最初こそ効いても、仕事や家庭のペースがある大人には続きにくいです。その点、本書は献立と食べ方の小さな調整を積み重ねる発想なので、読んだその日から試せることが多いです。

また、太らない食べ方を扱いながら、食べる楽しさを損なっていないのも好印象でした。食事は毎日のことなので、苦しいルールばかりだと結局続きません。本書は、料理の満足感を残したまま体を整えたい人にちょうどいい距離感の一冊です。短期決戦のダイエット本ではなく、これから先の食べ方を穏やかに変える本として勧めやすいと感じました。

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    佐々木 健太

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