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レビュー

概要

『Z会 速読速聴・英単語 Core 1900 ver.6』は、単語帳と長文教材を分けずに、英文の流れごと語彙を身につけたい人向けの1冊です。英単語の本は、単語だけを切り出して覚えるタイプも多いですが、その方法だと「見ればわかるのに読めない」「意味は知っているのに聞くと拾えない」という壁が残りがちです。本書はそこを、長文、音声、語彙を1つの学習サイクルにまとめることで乗り越えようとします。

扱うレベルは英検2級から準1級、TOEICなら中上級帯を意識した設計です。ニュース記事や評論文の中で単語を学ぶため、受験や資格対策だけでなく、実際の情報を英語で読む力にもつながります。ver.6では本文の刷新も進んでいて、古い例文暗記ではなく、今の話題に触れながら学べる点も強みです。

読みどころ

本書の良さは、単語を孤立させないことです。見出し語だけを機械的に覚えるのではなく、文章の文脈で何を指し、どういうニュアンスで使われるのかが自然に入ってきます。同じ単語でも、ニュースや論説の中で触れると印象が変わります。だから、暗記のための暗記になりにくく、あとで英文を読んだときに再認しやすいです。

速読と速聴を同時に鍛える設計も実践的です。まず読んで意味を取り、次に音声で流れをつかみ、さらに必要に応じてシャドーイングや音読へつなげる。この流れがあるので、語彙力だけでなく処理速度も上がりやすいです。英語学習では「知っているのに遅い」がかなり大きな壁ですが、本書はそこへ正面から効きます。

また、ニュース英語をベースにしているため、単語の使われ方が実務的です。社会、科学、文化、国際情勢のような話題を読みながら覚えるので、単語の意味だけでなく、英語で情報を整理する感覚も少しずつ育ちます。英検準1級や上位TOEICを目指す人に向いているのは、難しい単語が出るからではなく、文章ごと処理する訓練になるからです。

復習しやすさも見逃せません。長文1回で終わりではなく、音声と語彙の往復で何度も同じ素材に触れられるため、記憶が薄れにくいです。通勤時間に音声だけ聞く、帰宅後に本文を読む、週末にまとめて復習する、といった使い分けもできます。単語帳として見ると少し重めですが、教材全体としては回しやすいです。

ver.6で本文が大きく刷新されているのも利点です。古い時事英文のまま覚えるより、今の話題に近い文章で語彙を拾う方が、記憶にも残りやすいです。英語を試験のためだけでなく、実際の情報収集へつなげたい人には、この更新感が効きます。

類書との比較

単語帳には、『金フレ』のように短く高頻度語を回す本や、『DUO』のように例文で覚える本があります。それぞれ優れていますが、本書は長文理解と音声処理を含めて一体化している点が違います。単語を増やすだけでなく、読む速さや聞く速さまで上げたい人には、本書の方が合います。

逆に、英語初学者には少し負荷が高いです。基礎単語がまだ固まっていない段階では、本文を読むだけで息切れするかもしれません。本書はゼロから始めるための本というより、基礎を終えた人が中上級へ上がるための橋です。その役割がはっきりしているぶん、合う人には強いです。

こんな人におすすめ

  • 英検2級から準1級、TOEIC800前後を目指す人
  • 単語だけでなく長文処理の速さも上げたい人
  • ニュース英語や実用英文に慣れたい人
  • 音声を使って語彙を定着させたい人

感想

この本を読むと、語彙学習は単語帳だけで閉じる必要がないとよくわかります。文脈の中で覚え、音声でも確認することで、単語が「知識」から「使える部品」に変わっていく感覚があります。読む、聞く、覚えるを分断せずに回したい人にはかなり相性がいいです。

特に、中級以降の英語学習で停滞しやすい人に向いています。単語数を増やしているのに読解やリスニングが伸びないなら、まず処理の仕方を見直すべきです。本書はそのズレを埋めてくれるので、単語帳の次の1冊としてだけでなく、学習法の立て直しにも使えると感じました。

単語だけ、音声だけ、長文だけと教材を分けすぎて迷子になっている人にも勧めやすいです。読む力と聞く力を一緒に底上げしたいなら、本書のように素材を共通化した方が効率は高いです。語彙本でありながら、英語学習全体の流れを整えてくれる点がこの本の強みでした。

英検準1級前後を見据えて、語彙を文脈ごと定着させたい人には特に使いやすいです。単語帳の延長ではなく、長文読解の訓練へ橋をかける教材としてかなり優秀でした。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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