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レビュー

概要

『こども目標達成教室 夢をかなえるために何が必要なのかがわかる本』は、子ども向けの目標設定をかみ砕いた実践書です。やりたいことを思いつきで終わらせず、夢、目標、行動、振り返りへ順番に落とし込む構成で、親子で一緒に読みながら手を動かしやすいのが強みです。

本書の特徴は、大谷翔平選手のマンダラチャートのような身近な例を入り口にしつつ、SMARTの法則やバックキャスティングといった本格的な考え方を、子どもでも理解しやすい形へ直していることです。単に「夢を持とう」と励ます本ではなく、「どう分けると動けるか」を教えてくれます。

子どもの目標本は、気持ちを盛り上げるだけで終わるものもありますが、本書はもう少し具体的です。何をいつまでにやるか、途中でつまずいたらどう見直すか、親はどこまで手を出すべきか。そのあたりまで考えやすいので、家庭で使いやすい一冊でした。

読みどころ

1. 夢を「分解できるもの」として見せてくれる

本書の良いところは、夢を抽象的な憧れのまま置かないことです。大きな目標をそのまま掲げると、子どもは何から始めればいいか分からなくなりやすい。本書はそこで、好きなこと、得意なこと、必要な行動を分けて考える導線を用意しています。

マンダラチャートのように、中心の目標から周辺要素を広げていく見せ方は、子どもにとって分かりやすいです。頭の中にある「なんとなくこうなりたい」を紙へ出すだけで、急に現実味が出てきます。

2. 目標設定の型が、大人の実務にも通じる

子ども向けの本ですが、内容はかなりしっかりしています。いつまでに、どのくらい、何をするのかという目標の切り方は、そのまま大人の計画にも使えるレベルです。子どもに説明するつもりで読むと、親のほうが自分の目標設定の甘さに気づくこともあると思います。

特に良いのは、目標を立てたあとに行動と振り返りまで続けている点です。立派な目標を作って満足するのではなく、実際にどう動くか、うまくいかなかったらどう直すかまで考えさせるので、やりっぱなしになりにくいです。

3. 親が「教える側」になりすぎなくてよい

この本は、親が答えを与えるより、子どもが自分で言葉にするのを手伝う使い方に向いています。ここが大事です。親が「もっとこうしたら」と先回りしすぎると、目標設定が子どものものではなくなってしまいます。

本書はワークや問いかけが多いので、親は進行役に回りやすいです。家庭で会話をしながら使うと、「どうしてそれをやりたいの?」「そのために次は何をする?」という対話が自然に増えます。目標設定の本でありながら、親子のコミュニケーション本としても価値があります。

類書との比較

一般的な自己啓発書や習慣化の本は、大人向けの言葉で書かれているため、子どもには抽象的すぎることがあります。本書はそこをかなり丁寧に落としていて、図とワークを通じて考えられるのが違いです。

また、単なる「夢ノート」系の本と比べると、行動への橋渡しがはっきりしています。書いて終わりではなく、進捗や振り返りへつなげやすいので、学校の授業や家庭学習でも使い勝手がいいです。

こんな人におすすめ

小学生前後の子どもに、目標の立て方を楽しく教えたい家庭に向いています。スポーツ、勉強、習い事のどれでも応用しやすいので、「がんばりたい気持ちはあるけれど、何をすればいいか分からない」子に特に合います。

また、親子で新年度や長期休みに目標を立てる習慣を作りたい人にもおすすめです。親が管理するのではなく、子どもが自分で考えるきっかけを作りたいときに使いやすい一冊です。

感想

この本を読んで良かったのは、目標設定を「意識の高さ」の話ではなく、「分けて考えればできる話」として見せてくれたことでした。子どもはもちろん、大人でも大きな目標に圧倒されやすいので、まず小さく分解する発想はかなり有効です。

特に印象に残ったのは、子ども向けでありながら、考え方が甘くないことです。目標を決める、行動を決める、見直す。この流れが自然に入っているので、読後に実際の会話へつなげやすいです。

親子で読むと、目標そのものより「どう考えて決めたか」を話しやすくなります。夢を応援するだけでなく、夢へ向かう筋道を一緒に作る。その入口としてかなり良くできた本でした。

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    佐々木 健太

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