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レビュー

概要

『採用される英語面接: 対策と実例集』は、英語面接でよく聞かれる質問を並べるだけでなく、「なぜその質問が出るのか」「どう組み立てて答えると伝わるのか」まで掘り下げた実践書です。著者の有元美津世さんは外資系企業で長くキャリアを積んできた人で、本書にも英語面接の空気感がかなり具体的に反映されています。自己紹介、志望動機、成功談、失敗談、逆質問など、外資転職で避けにくいテーマをかなり丁寧にカバーします。

この本の価値は、英語力そのものより、「面接で評価される話し方」に焦点を当てているところです。文法が多少不完全でも、結論の出し方、エピソードの選び方、答えの構造が整っていれば伝わる。一方で、英語がある程度話せても、話が散らかると評価は伸びません。本書はその差をはっきり見せてくれます。

読みどころ

まず役立つのは、実際に出やすい質問がまとまっているだけでなく、回答の骨組みまで示している点です。特に「Tell me about yourself」の扱いが実践的で、経歴を時系列でだらだら話すのではなく、現在の役割、強み、実績、応募先との接点へつなげる流れが分かります。英語面接は雑談ではなくプレゼンに近いことがよく分かります。

次に良いのが、STAR法のような構造を英語面接へ落とし込んでいるところです。行動面接では、何をしたかより、どんな状況で、何を考え、どう行動し、結果どうなったかが問われます。本書はその組み立てを具体例で見せてくれるので、自分の経験を整理しやすいです。面接準備は英語以前に棚卸し作業だということに気づかされます。

また、弱み、失敗、転職理由のような答えにくい質問への対処も役立ちます。こうした質問は、正直に話しすぎても、きれいに取り繕いすぎても危ういですが、本書は誠実さを保ちながら、相手の懸念を増やさない答え方を示します。ネガティブな話題をどう前向きな学びに変えるかが見えるので、かなり実務向きです。

さらに、音声や声に出す練習を重視しているのも大事なポイントです。英語面接は、書いた原稿を持ち込めるわけではありません。本書は、答えを作るだけでなく、口に乗せることの必要性を前提にしています。発音の完璧さより、相手に聞き取られるリズムと間を作ることが重要だと分かるので、音読や録音練習の意味がはっきりします。

類書との比較

英語面接本には、定型表現集に寄った本と、転職戦略に寄った本があります。本書はその中間で、表現を覚えるだけでなく、面接官の意図まで考えさせるのが特徴です。単語やフレーズだけを増やしても不安が減らない人には、本書のほうが効くと思います。

また、ビジネス英語の本と比べても、こちらは面接という特殊な場面に焦点が合っています。短時間で自分の価値を伝える訓練本として読むと、とても実用的です。転職だけでなく、海外大学院や国際部門の面談にも応用しやすいです。

こんな人におすすめ

外資系企業や英語を使う職場へ転職したい人におすすめです。特に、日常会話はそこそこできるのに、面接になると何をどう話せばいいか分からなくなる人には向いています。答え方の型が分かるだけで、準備の効率がかなり上がります。

また、英語面接の前に自分の職務経験を整理したい人にも役立ちます。英語の本でありながら、自己分析と職務棚卸しの本としても機能するからです。転職準備の土台づくりに使いやすい一冊です。

特に、初めて外資系選考を受ける人には心強い内容です。面接で突然うまく話そうとするのではなく、事前に実績の切り出し方や数字の見せ方を準備しておく重要性が分かります。英語の練習と面接対策を別物にしない点が、本書の実践的なところです。

日本語では話せる実績でも、英語だと急に薄くなる人は多いはずです。本書はそのズレを埋める練習台として使いやすい一冊でした。

感想

この本を読んで印象に残ったのは、英語面接で見られているのは語学力そのものより、「この人は仕事で何をしてきて、何を再現できるのか」を短時間で伝える力だという点でした。英語が流暢でも、構造が弱いと伝わらない。その現実がかなりクリアになります。

もう1つ良かったのは、練習の仕方が見えることです。質問集を読むだけではなく、自分の答えを作り、声に出し、録音し、修正する。この循環が描かれているので、準備をどこから始めればよいか迷いにくいです。英語面接の不安を具体的な準備へ変えてくれる実用書だと思いました。

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    佐々木 健太

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