レビュー

概要

『親子でのびやか 楽しいキッズヨガ』は、親子で一緒に取り組めるヨガを、遊びの形に変換して紹介する本です。 紹介文では、親子の触れ合いを通じてリラックスし、子どもの心身の成長を支えるキッズヨガを提案するとされています。 改訂版では、オンラインで視聴できるレッスン動画が追加され、動きを合わせやすくなっています。

「ヨガを教える本」よりも、「親子の時間を設計する本」に近いです。 ポーズの正確さを追うより、声がけ、注意点、無理のない範囲を大事にします。

読みどころ

1) ほぐしから入るので、いきなり難しくならない

最初のPart1は「ほぐし」です。 走って変身、指の体操、手首ぶらぶら、肩回しなど、準備運動として使える項目が並びます。 子どもが飽きる前に身体が温まる導線になっています。

2) あそびヨガ、どうぶつヨガが「続く形」になっている

Part2は「ぎったんばっこん」や汽車ごっこ(トンネルくぐり)、ヨット、まねっこじゃんけんなど、遊びの名前で構成されます。 Part3ではネコ、ヘビ(コブラ)、ライオン、キリンといった動物のポーズが出てきます。 ポーズ名がイメージに直結するので、説明の負担が減ります。

3) 呼吸とプログラムづくりまで含めている

Part5は「こきゅう」で、大股歩き、芽生えのポーズ、呼吸体操などが扱われます。 Part6では、子どもへの効果の考え方、一番大切なのは親子で楽しむこと、プログラムの組み立て方へと進みます。 単発で終わらせず、生活に組み込む視点が残ります。

本の具体的な内容

本書は50のポーズを、親子の動きとしてまとめています。 ポイントは、親が指導者になるのではなく、同じ側で一緒に動く設計です。 紹介文では、パパ、ママもほぐして伸ばして触れ合ってリラックスする、とされています。 親の状態が整うほど、子どもの不安や緊張もほどけやすいという発想が軸にあります。

構成は、ほぐし、あそびヨガ、どうぶつヨガ、連続ポーズ、こきゅう、楽しむためのガイドと続きます。 連続ポーズのパートには、赤ちゃんのポーズ、ピクニックごっこ、豆ぶとんなど、複数の動きをつなげた遊びが出てきます。 1つのポーズを完璧にするより、流れで身体を動かす体験を重視している印象です。

動画があることで、親子のテンポが揃いやすくなります。 紙面だけだと迷う場面でも、「いっしょにチャレンジ」という形に戻せます。 ただし、子どもの柔軟性や関節の可動域には個人差があります。 痛みが出る動きは避け、できる範囲で楽しむ、という前提で使うのが安全です。

日常に組み込む工夫

キッズヨガは、時間を確保しようとすると続きにくいです。 本書の構成を活かすなら、短い単位に分けて回すのが向きます。

たとえば、平日はPart1のほぐしを3つだけやる。 休日はPart2やPart3の遊びヨガ、どうぶつヨガから1つ選ぶ。 最後にPart5の呼吸を少し入れて終える。 こうした流れなら、集中力が長く続かない年齢でも形になります。

声がけも重要です。 監修者コメントでは、怒った顔より笑顔、怖い声より優しい声を、といった趣旨が語られます。 上手にやらせるより、安心して動ける空気を作る。 この前提があると、ポーズの細部へこだわりすぎずに済みます。

連続ポーズのパートを使うと、遊びの流れが作りやすいです。 赤ちゃんのポーズやピクニックごっこ、豆ぶとんのように、名前だけで次の動きが想像できるので、親の進行も楽になります。 動画と合わせれば、親子で同じテンポを共有しやすく、途中で中断しても再開が簡単です。

類書との比較

大人向けのヨガ本は、姿勢の精度や筋力への刺激が主役になりやすいです。 そのまま親子に当てはめると、続きません。

キッズヨガの本でも、ポーズ図鑑として並べるだけのものは、日常での使い方が残りにくいです。

本書は、遊びの名前、声がけ、注意点、動画を組み合わせ、親子の時間として運用できる形にしています。 続けるための設計が、類書との差になります。

こんな人におすすめ

家でできる遊びのレパートリーを増やしたい親子に向きます。 体を動かす時間をつくりたいが、スポーツほど構えたくない家庭にも合います。 ポーズの正しさより、親子で一緒に動く習慣をつくりたい人におすすめです。

忙しい日でも、呼吸やほぐしだけで終えていい。 その柔らかい運用を許す本として読むと、生活に残りやすいです。

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    佐々木 健太

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