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レビュー

概要

『iPhoneで撮る写真がグンとよくなる法則』は、スマホ写真を「なんとなく撮る」状態から一歩進めたい人向けの実践書です。人物、風景、料理、商品など、よく撮る場面ごとに、光、構図、距離の取り方を整理して教えてくれます。

良いのは、機能の説明だけで終わらないことです。iPhoneのカメラ操作を知るだけでは、写真はなかなか良くなりません。本書は、どこに立つか、どこを明るくするか、背景をどう整理するかまで含めて考えさせます。撮り方の順番が見える本です。

そのため、カメラが高性能になったのに写真が思ったほど良くならない人に向いています。原因を「自分にセンスがないから」と片づけず、光、距離、背景、主役の見せ方へ分解してくれるので、何を直せばいいのかが把握しやすいです。スマホ撮影を感覚ではなく手順に変えてくれる一冊です。

読みどころ

読みどころは、写真の失敗を「センス不足」で片づけないことです。暗い、散らかって見える、主役がぼやけるといった悩みを、光の向きや構図の問題として解いていくので、初心者でも改善点を見つけやすいです。

また、シーン別の整理が実用的です。料理なら湯気やツヤをどう見せるか、人物なら顔に当たる光をどう選ぶか、風景なら情報量をどう整理するか。場面ごとに気をつけるポイントが変わることを、かなりわかりやすく見せます。

さらに、加工の章も「盛る」方向へ行きすぎません。撮影時点で整えることを重視したうえで、仕上げにアプリをどう使うかを説明します。だから、加工前提の写真術ではなく、撮る段階から底上げする本として使いやすいです。

本書の良さは、道具を増やす前にできる工夫をきちんと教えることにもあります。レンズや照明を買わなくても、立ち位置を変える、背景を1つ減らす、少し寄る、明るい方向へ向けるだけで写真は変わります。そうした「すぐ試せる改善」が多いので、読後に実践へ移しやすいです。

また、SNS投稿やフリマ出品など、生活のなかで写真を使う人にとって実利が大きいです。作品としての写真だけでなく、「伝わる写真」を撮る視点が入っているので、商品写真や記録写真でも役立ちます。見栄えだけでなく、情報の伝わり方まで意識が向く本です。

初心者向けの本でありながら、単に「明るく撮ろう」で終わらないのも好印象です。何を主役にするのか、そのためにどこを削るのか、見る人の視線をどう誘導するのかまで踏み込むので、写真全体のまとまりが変わります。スマホ写真でも十分に工夫できることがよくわかります。

類書との比較

スマホ写真の本には、設定やアプリの使い方に寄るものも多いです。本書は設定だけでなく、被写体の見せ方そのものを扱うので、写真の印象を変えやすいです。機能説明書より、実践寄りの入門書として読むほうが合います。

反対に、iPhoneの高度な編集機能や動画撮影まで深く知りたい人には少し範囲が狭く感じるかもしれません。本書の中心は静止画の見せ方です。ただ、その焦点が明確だからこそ、初心者が迷いにくく、まず写真を良くするための基本に集中できます。

こんな人におすすめ

  • iPhoneで撮る写真をもう一段よくしたい人。
  • SNS用の料理、人物、商品写真を整えたい人。
  • カメラ用語より、まず見栄えを改善したい人。
  • 機材を増やす前にスマホでできることを知りたい人。

感想

この本を読むと、写真がうまい人は特別な機材だけで差をつけているわけではないとわかります。立ち位置、背景の整理、光の向きといった基本で印象がかなり変わる。その当たり前を、スマホで試せる形へ落としてくれるのが良いです。

読後は、ただシャッターを押す前に一度周囲を見るようになります。背景がうるさくないか、被写体に光が当たっているか、角度を少し変えたほうがよいか。その一手間を自然に入れられるようになる本でした。スマホ写真の入門としてかなり使いやすいです。

特に良かったのは、「機材がないから無理」という言い訳を減らしてくれるところです。スマホで十分きれいに撮れる条件と、逆に雑に見えやすい条件が整理されるので、普段の写真の失敗が再現しにくくなります。撮る前に考えることが増えるというより、見るべきポイントが絞られる感覚です。

写真を趣味にしたい人だけでなく、日常の記録や仕事用の画像を少しでも良くしたい人にも役立つ本でした。iPhoneを持っていて、もっと上手く使いたいと思っているなら、かなり素直に効果が出る入門書だと思います。

撮影アプリや編集アプリを渡り歩く前に、まずこの本で基本を固めるほうが結果的には近道です。スマホで撮る写真を自己流のままにしてきた人ほど、改善の手応えを得やすいはずです。

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