レビュー
概要
「忙しくて計画的に貯めるのが苦手」「帳簿も家計簿も三日坊主」というズボラ気質の人でも、楽しみながら1000万円を貯めるまでの軌跡と具体策を写真付きで紹介するライフスタイル本。著者ゆきこさんは貯金ゼロから、日常の「ゆるい工夫」とインスタ映えする節約アイデアを続け、貯蓄のモチベーションを高めた過程を1日1行の「貯まるジャーナル」として記録。月間の家計フロー、支払いスケジュール、達成の喜びを共有しながら、貯める仕組みを作ることが目的となっている。
読みどころ
・第1章「ズボラでも続く」では、固定費の見直しよりも「自動化」と「見える化」に重きを置く。SpotifyやNetflixなどのサブスクを「時限付き」で契約し直し、2ヶ月ごとに自動リマインダーを送る仕組みを構築したことや、クレジットカードの利用をすべてキャッシュバック付きに変更した例を図解付きで紹介。 ・第2章では、「やったことリスト」を逆に家計にも応用し、ちょっとした買い物でも「貯金チャレンジ」として扱う。100円ショップの節約生活をただ徹底するのではなく、必要なものを「買い物リスト」にまとめてメモし、購入時には「なぜ欲しいか」を振り返る習慣を設けることで衝動買いを抑える。 ・第3章「楽しみながら1000万円」では、貯金をゲーム化するために「貯金パーティ」と称して毎月友人とともに成果を共有する会合を設け、達成したらその目標額に比例したご褒美(映画、旅行)を設定。視覚化ボードで目標を赤・黄・緑に色分けし、達成に近づくと自動的に通知される仕組みまで突き詰めている。
類書との比較
森田彩子の『1万円貯金生活』や『お金のトリセツ』(ダイヤモンド社)が知識を与えるタイプであるのに対し、本書はズボラ層(計画が苦手で続かない)をターゲットに、楽しさと仕組み化を合わせている点で差別化される。『即貯金3000円!』(KADOKAWA)が即効性重視なのに対し、ゆきこさんは1000万円という大きな目標を掲げながらも、日々の小さな選択の積み重ねに注目している。『#家計カレンダー』のようなSNS投稿集ではなく、実際の失敗と試行錯誤を段階的に読める点も丁寧。
こんな人におすすめ
家計簿も節約もめんどくさいと感じる人、仕事疲れで「計画的に動く」よりも「仕組みが勝手に動いてくれる」生活を望む人、節約を”楽しむ”感覚を得たい人。反対に、細かな予算を厳密に管理したい人には物足りないが、面倒くさがりな人にこそ響く言い回しが多いため、貯金への心理的障壁を下げたいなら良い入口となる。
感想
貯金の基本は知っていたつもりだったが、ゆきこさんの「自分のゆるさを認めながら整えていく」アプローチが新鮮だった。最初の1週間だけ「やらないことリスト」を作り、買い物の代わりに写真とメモを残すことで視覚的な達成感が生まれ、思っていたより続けやすく感じた。9000円の目標でも一口500円ずつ積み上げる工夫は、自分でもすぐ取り入れられる実践例だった。