レビュー
概要
『見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル』は、記憶力を「ひらめき」の感覚で鍛えるドリル本です。 紹介文では、40代半ばから記憶力日本一を獲得し続ける著者が考案したドリルだと説明されています。 そして、記憶力を良くするカギは「ひらめき」だと述べられます。 ひらめくときの感覚が脳を刺激し、情報を焼きつけるという主張です。
本書は、ドリルを続けるうちに「ひらめきセンサー」を脳へインストールできると紹介されています。 テクニックの暗記ではなく、感覚として定着させる狙いが見えます。 自力で思い出せた瞬間ほど、記憶が残りやすい。 そうした経験を、反復できる形にする本です。
紹介文では、記憶に関する悩みとして「何度見ても覚えられない」などが挙げられています。 覚えるのに時間がかかる。 すぐ忘れる。 知っているのに思い出せない。 こうした困りごとを、まとめて解消するとされています。 記憶力の悩みは種類が違って見えます。 本書は、その根にある「ひらめき」の不足に焦点を当てます。
読みどころ
1) 制限時間なし。
いつでもよい。 正解できなくてもよい 紹介文では、いつ取り組んでもよいと書かれています。 制限時間はなしです。 正解できなくても大丈夫です。 記憶力の訓練は、焦りが強いほど空回りします。 その空回りを避ける設計です。
2) 1日2問で、約1か月
紹介文では、1日2問ずつなら約1か月で完了するとされています。 分量の見通しがつくと続けやすいです。 無理な追い込みではなく、習慣として回す設計です。
3) 覚えるだけでなく、思い出すまでを射程に入れる
紹介文では、効率よく覚えられる。 長く記憶に残せる。 簡単に思い出せる。 こうした効果が挙げられています。 記憶は、入力だけでなく検索も含めた技能です。 その前提で作られています。
本の具体的な内容
本書は「見るだけで勝手に」と銘打っています。 ただ、読むだけで何も起きない構造ではありません。 ポイントは、ひらめきを起こす意識です。 紹介文では、その意識を「ひらめきセンサー」と表現しています。 ドリルを通して、ひらめきを得る回路を作る。 そういう説明です。
また、紹介文では、正解できなくても大丈夫だと強調されています。 これは重要です。 正解主義が強いほど、失敗を避ける。 避けるほど、取り組まない。 この連鎖が起きやすいからです。 本書は、負荷を上げ過ぎずに継続へ寄せます。 続く形で取り組めること自体が価値になります。
また、紹介文では正解できなくてもよいとされています。 これは、記憶の訓練を「試す場」にするためです。 試せると、失敗から学べます。 失敗から学べると、次に工夫が出ます。 この循環が回ると、記憶は強くなります。
類書との比較
記憶術の本は、場所法や連想法など強い技法が中心になりやすいです。 効果は大きいです。 一方で、技法の暗記が負担になり、続かなくなることがあります。
脳トレ本は、問題を解く達成感が得られます。 ただ、日常の記憶へどう接続するかが曖昧な場合もあります。
本書は、ひらめきの感覚を育てることを中心に置きます。 制限時間なし。 正解に縛られない。 この前提で、継続を優先します。 感覚の訓練として記憶力を扱う点が類書との違いです。
実践的な読み方
最初に、1日2問のペースで始めます。 まとめてやらない方が良いです。 短く続ける方が、感覚が残ります。
次に、正解よりも「ひらめいた瞬間」をメモします。 何が手がかりになったかを言葉にします。 ここが、ひらめきセンサーの学習になります。
最後に、日常の場面へ移します。 人名。 用語。 手順。 こうした対象で、手がかりを1つ作る癖を試します。 ドリルの感覚が生活へ移ると、本の価値が残ります。
さらに、復習は軽くで十分です。 1日前の問題を見直す。 3日前の問題を見直す。 この程度でも、思い出す回数が増えます。 思い出す回数が増えるほど、検索が速くなります。 本書の狙いに沿った復習です。
こんな人におすすめ
記憶力に自信がなくなってきた人に向きます。 覚える量が増えて焦っている人にも合います。 テクニックを増やすより、覚え方の感覚を整えたい人におすすめです。
短時間で続けられるドリル形式が欲しい人にも向きます。 1日2問の設計が、そのまま習慣になります。
記憶の不安を、少しずつ解消したい人に合います。
追い込まない設計が、結果として続く
紹介文では、テレビで話題になり26万部を突破したとも説明されています。記憶力の悩みは、笑い話にされやすいのに、本人はけっこう深刻です。だから「短く」「正解に縛られない」形で、まずは続けられるように作っている点が、この本の価値だと思います。
ひらめきが出るまで粘るより、ひらめきが出る状態を増やす。ドリルを通してその感覚を思い出せるようにする。そういう方向で、記憶との付き合い方を整えたい人に向いた一冊です。
まとめ
『見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル』は、記憶力を「ひらめき」の感覚から鍛えるドリル本です。正解や時間に縛られず、1日2問のペースで回せるので、気力が少ない時期でも続けやすい。記憶を“努力”ではなく“感覚”として立て直したい人におすすめです。