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レビュー

概要

インスタフォロワー数100万人を抱える料理研究家Mizukiが『31CAFE』の人気レシピとオリジナルなまかないを集めたムック。159ページに渡って、定番おかずからスイーツまで実際に店で出されているような彩りを意識した献立が248品収録されている。写真や盛り付けのアレンジにもこだわり、1ページに2〜3品が立体的に並ぶ構成なので、眺めるだけでコースを考える感覚になる。

読みどころ

・「ひと皿完結」のデイリーレッスンでは、鶏むね肉や蒸し野菜の下ごしらえを2工程以内に収め、冷蔵庫の余り物を使い切るために調味液を共通化する工夫を紹介。読み進めると「ラップを活用した下味冷凍」「スキレット一つで仕上がるワンパン3品」「マフィン型で作る冷菓」のように調理時間と道具の最小化に徹した流れが見えてくる。 ・スイーツやドリンクのセクションでは、グラノーラやバターミルクを使った焼き菓子、インスタ映えするタルティーヌのビジュアルを重視。特に、バーナーでキャラメリゼする「アイスコーヒーゼリー」や、鮮やかな野菜ジュースを氷に閉じ込めた「カフェ風キラキラドリンク」は、家族のちょっとした集まりで喜ばれるリアルな仕掛け。 ・「簡単なのに店っぽい」を実現するために、スパイスの仕込み比率表や甘みの段階調整メモを付して、味の再現性を高めている。写真を見ながら調味料を減らしてもバランスが崩れないよう、公式ブログの人気レシピの再構成として「甘じょっぱい照り焼き」「スパイス香るポトフ」「ヴィーガン用の豆腐バスクチーズケーキ」など多様なジャンルを交差させるのが得意。

類書との比較

他の時短レシピ本と比べると本書は、素材の段階での「見せ方」まで言及している点が珍しい。例えば同じMizukiが2024年に出した『Mizuki’s Kitchen』は、調理工程をさらに細かく分け、仕込みに集中して味を整える構成だったが、本書はそこから一歩進んで「当日の食卓に並べるまで」を紙面で演出している。一般的な『3ステップで完成』型のムックが工程だけを羅列するのに対し、ここではコーヒーやドリンクとのペアリング、器選びまで「CAFE体験」をまるごと再現しようとする点が新しい。

こんな人におすすめ

忙しいけれど少しでも華やかな食卓を用意したい人、カフェ風の見た目を再現したい人、そしてInstagramやブログでレシピを公開したい人。特に定番食材を使う層には、調味料を減らしながらも香りの強いハーブソルトやスパイスオイルで味に奥行きを出す技が役立つ。また、見た目を意識するあまりハードルが上がりがちな人でも、項目ごとに「30分以内」「器1つ」「作り置き適応」などの印があるので心理的負担が軽い。

感想

基本的には市販の調味料と冷蔵庫の定番食材で構築されているので、特別な材料を用意しなくてもミニマルにできる。「○○が苦手ならこれを代用」といったコメントの多さも、書き手が自分の失敗談を交えながら解説したような親近感を生んでいる。CAFEメニューの再現というより、暮らしの中で「ちょっと特別」をどう組み込むかをいつでも思い出せる辞典になっていると感じた。

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    佐々木 健太

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