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レビュー

概要

プロの漫画家やイラストレーターによる「描けるようになる」ための実践メソッドを集めたムック。全編で「気持ちよく描く」「迷いを解消する」「体の躍動感を出す」の3つの軸を軸に、線の引き方・間の取り方・デッサンの簡略化などをステップ順に紹介。各ページには先輩作家の制作過程や悩みを共有するインタビューがあり、実際に筆を握るタイミングで参考になる声が並ぶ構成。

読みどころ

  • 第1章では「描き出しの線」がテーマで、力任せに描くのではなく、肩・肘・手の三点を連動させて気持ちのよい線を引く体の使い方を詳述。例として「一気に描くのではなく、呼吸とタイミングを合わせて線を走らせる」感覚をしばらく描写し、線を引くときのまぶたの閉じ方など細かなボディランゲージを説明している。
  • 第3章は人物の躍動感をどう表現するか。線の引き方から「抜き」と「詰め」のバランス、体幹の傾きを利用したパース表現を、線画の重ねを用いて段階的に解説している。
  • 特集企画では、悩みを一刀両断する対談があり、プロが「そのままアタリを引いて構成を決める」「描けないときは描きたいものを描かない」など、迷いをリセットするアドバイスを語っている。

類書との比較

『マンガの描き方大全』『線がきれいに描けるドローイング術』は技術の体系化に強いが、こちらは「気持ちよさ」や「悩みを吹き飛ばす」ことが心理的な入り口になっており、描く前の状態から気を入れ直す構成に特徴がある。類書がクリップやストロークの描き方に終始する一方、本書は腕や体の使い方を含めた全身の動きとその心地よさに着目し、モチベーションを維持するためのアドバイスを数多く載せる。

こんな人におすすめ

  • 漫画やイラストを描いているが、迷いの時間が多く筆を進められない人。
  • アタリを描いても躍動感が出ず悩んでいるペン入れ初心者。
  • 同人誌やWeb漫画を作るにあたり、気持ちよさを再確認して描きたいクリエイター。

感想

体の動きと線を結びつける章を読んで、改めて筆を持つときの姿勢や呼吸に気をつけるようになった。躍動感の例を真似して数ライン描き直すと、絵に余裕が出てきて意図した動きが表現できるようになった。対談企画で「悩みを捨てる」「描けないときは一度寝る」といったアドバイスが心に残り、迷いを可視化するためにノートに描きたいムードを箇条書きする習慣がついた。描く行為を「気持ちよく」続けるための工夫が詰まった1冊だった。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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